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2004.10.29

「読書」はいいこと?悪いこと?

 「本を読む」ということには様々な効用があって、子供も大人も「本を読む」ことは良いことされています。でも、私は昔から「本を読む」って人がいうほど、「すばらしいこと」とは思えないんですよね・・・というのは、「本ばっかり読んで全然勉強しない」とよく怒られていましたから。
 小学校4年生の頃、当時住んでいた市にピカピカの新しい図書館ができて、ママチャリをとばして毎週通ったのを思い出します。私はSFが好きで、読む本といえば、そういう本ばかり。当時はテレビでも、ウルトラマンレオとか、仮面ライダーとか、マジンガーZとか、人造人間なんとかとか、流行っていましたからねえ。そうそう、当時夕方になると何度も再放送があったデビルマンもSFチックでした。
 兄弟姉妹がいなかったので、身の回りには当時、「マンガ」というものはほとんどなく(もちろんデビルマンも元はマンガなんですが、原作は見たことがない)、まさに図書館で借りてくるSF小説が、身近な娯楽でした。あと、星新一のショートショートもずいぶん読みました。読みやすくて、分かりやすくて、マンガで言うなら4コママンガみたい。
 私にとっては、「読書」は、マンガを読んだり、映画を見たりすることと同じ、「娯楽」の一つでしかありません。「読書」を何か、人間的教養を深めるすごいことのように言う人もいますけど、果たしてどうなのかしら?
 社会人になった今も、読むのは乃南アサの短編サイコミステリーとか、たとえば高見広春の「バトルロワイヤル」とか。最近のヒットは、小林泰三の「AΩ」です。とっても面白かった!!
 たまに、読書を、自分に必要な知識を得るための「ツール」として考えてる人がいます。男性はそういう人、多いですよね。そういう人にとっては読書は有益で、まさに、「読書」が世間に推奨される理由の一つだと思うのですが・・・私は、「読書」を愛する人間として、そういうふうに本を読むことはあまりしたくないです。
 読書は娯楽。楽しければいい。読んで何かに役立てようなんて読書は邪道だ(笑)。

 ヒトコ様の記事「学校図書室のマンガ」を読んで、私はこんなふうに思いました。
 子供達は、マンガを読むのが楽しいから、マンガを読むんでしょうね。本を読むのも楽しいけど、それは、自分の趣味を人に押しつけるようで、私の場合は「もっとみんなも本を読むべきだ」とはちょっと気恥ずかしくて言えないや。
絶対そういうところの司書さんにはなれなそうにない^^;
 「バトルロワイヤル」とかは面白いですけど、そういう本を子供に読ませるのは、また別の社会問題になったりもします。どんな本を読んで、それを読んだ子供が一人一人、それをどう受け止めるか。それは本当に人それぞれで。本と人との出会いというのは、ある種、運命的なものさえ私は感じてしまいます。
 さて、「読書」はいいこと? 悪いこと? 私は、今のところ、「私は好きだけど」くらいしか答えることができそうにありません。 

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Comments

はじめまして。「囲碁雑考」から来ました。わたしも、活字中毒で、本は娯楽だったんですが、いい事か、悪いことか、と聞かれたら断然いいことだと思います。詠む習慣が身に付くだけでもいいんですよ。今は読む人が少ないのか、マニュアル全部読めとは言わんけど、注意書きくらいは目を通してくれ~~ と思うことしきりです。

無人島に1冊もっていくとするなら何を持っていく?答え:電話帳。これに載っているひとりひとりにドラマがあると思うとわくわくする。
活字中毒の戯言でした。

Posted by: へぼたろ | 2004.10.30 01:57

トラックバックありがとうございました。

私は本好きなので、息子の中学の図書ボランティアに行ってるのも、生徒のためというより半分自分の趣味です。後の半分は学校や生徒の様子が知りたいからです。他のお母さんが真面目に、図書室を使いやすくする方法とか、生徒が良い本に出会えるにはどうしたらよいか、を考えていらっしゃるのを見ると、大変申し訳なくなる時があります(^^;)

本というのは「読め」と言われて読めるものじゃないです。自分だって「これは為になるから読みなさい」と言われも興味がなければ読めない。しかし親としては、若いうちから書物に触れて、日本語の読解力とか想像力とかを養ってほしいなぁ、と思ってしまうんですよね。けれど、これは読んでおくべきと無理やり読ませたら逆に本嫌いになっちゃうかもしれない。BUBIさんもおっしゃってるように、これじゃ邪道な読書ですよね。

図書ボランティアも司書さんも図書室担当の国語の先生も、基本的に本好きで、読書の楽しみもそれによって何かを得られた経験もあるので、うっかりすると生徒たちに「読書はすばらしい」っていう押付けをしてしまうかもしれません。でもそんな事じゃなくて、本好きな大人はみんな楽しいから本を読むんですよね。子どもだって同じで、楽しいから読む。楽しくなければ大人が勧めたって読みませんよね。いつその楽しさを知るかは、人それぞれ。読書の楽しみを知る本との出会い、それは本当に運命的なものですよね。

Posted by: ヒトコ | 2004.10.31 00:49

へぼたろさん、ようこそ。電話帳がお好きだとは、かなりの活字中毒ですねー♪
まあ、「読書」以前に「字を読む習慣がない」人がいるとしたら、ある意味、なんだかすごいことですよね。なぜそういうことになってしまうのだろう?
なんとなく、それは「読書」以前の問題ではなかろうかと思ったりしますわ。
無人島に行くのに「碁盤と碁石」か「電話帳」だったらどちらにします?(笑)

Posted by: BUBI | 2004.11.02 20:34

ヒトコさん、コメントありがとうございます。
へぼたろさんへのお返事にも書きましたが、「読書」以前に「字を読まない」人がでてきちゃうっていうのは怖いですよね。字や文章を読む習慣がない子に対しては、「読書」を推奨する以前に、何かもっと基本的なアプローチが必要なんじゃないかと思ったりします。
もちろん、マンガでもかまわないでしょうし・・・
日本には幸い、いいマンガもいい絵本もたくさんありますし。
しかし・・・字が読めない人がそんなにたくさんいたら、こういうブログとかどうなっちゃうんだろ?文字情報ばっかりなのにぃ~(笑)

Posted by: BUBI | 2004.11.02 20:43

BUBIさん、初めてコメント書きに来ました。自分の子供のころ、そういや毎週図書館に行って、私もSFチックな本が好きだった頃を思い出しました。最近の悩みは、本を読みつづけられないことです。最近はじめた囲碁のために棋書も買い込むのですが、全部読みかけです。本は割と買ってるんですが、実は最後まで読んだ本は一握り。積読状態です。昔は本も好きだったのに、今はもっぱら漫画と映画ばかり。なんでだろうなぁ?と思っていたところに、すごく自分が楽になる話でした。活字中毒気味のうちの家族には「もっと本を読め!」と無知を非難されることが多かったので、気付かずに自分の楽しい気持ちを押し殺してたのかもしれない・・・。
もう一度、自分にとっての趣味の読書は?って考えてみます。楽しく読書ができたあの頃に戻りたい☆笑

Posted by: ナッキー | 2004.11.04 13:05

ナッキー様、いらっしゃいませ♪ コメント、ありがとうございます。
家族みんなが活字中毒っていうのは、すごいなぁ。うらやましいかも(笑)。それともう一つうらやましいことがあります。私の部屋はせまいので積読というのができませぬ。読みたい本があってもじっと我慢の子、最近はもっぱら図書館に頼り、本は買わないようにしています。だってこれ以上、本が増えたら、寝る場所がなくなる~(いや、ホント)。
映画やマンガも楽しいですが、本の方がく同じお金で末永く楽しめる気がしてお得な気がしませんか(ケチくさいかなぁ
笑))。ナッキーさんが、まためちゃくちゃ面白い本と出会えることを願っております♪

Posted by: BUBI | 2004.11.04 22:51

活字中毒の家系のナッキーです。祖父は大学教授で二階建ての書庫(人は住めない・・・)を建てて亡くなりました。恐ろしい本の量です。現在私の棲家はM家に居候状態(主婦をしない嫁)なので、遠慮して積読の殆どは実家の部屋に積んでます。定期的に本や漫画を、実家と今の住処とで往復させてます。流石にスペースの問題があるので、実家の家族はすっかり図書館通い。
最近本を読もうとしても読みつづけられないのは、途中で寝ちゃうから本はもう駄目かも~と思ったんだけど、単に忙しすぎで疲れているだけですね。これからまた本との出会いを大切にしていこう。人の出会いと同じくらい、人生を変えるかもしれない、出会いだってあるのだから!

Posted by: ナッキー | 2004.11.05 18:02

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