poem その⑩
「たとえ話」
ほんとにぼくは
きみを愛してるんだろうか?
時折考える
ぼくは鏡に映った自分を愛しているだけなんじゃないかと
きみに何かをしてあげると
きみが喜ぶ
きみが喜ぶとぼくもうれしくなる
きみが喜ぶとぼくも幸せ
きみが悲しいとぼくも悲しい
きみは鏡に映ったぼく
ぼくはぼくの姿を見て喜んだり悲しんだりする
ある日きみがぼくを映さなくなった
ぼくがプレゼントをしても喜ばなくなった
いっしょに食事に行ってもおいしいと言わなくなった
ぼくはがっかりして
ぼくの姿を映さなくなったきみを見るのが怖くなった
きみは言った
「私はあなたが喜ぶと思ってあなたの望むようにしてきた」と
「高いプレゼントも高級レストランの食事もいらない」と
「私が本当に欲しいものは」
きみが欲しいものは何?
今度はぼくに本当のきみを教えて欲しい
もう一度やり直そう
鏡でない真実のきみを
今度こそ本当に愛したい
これは一つのたとえ話
これは私と貴方
願うのは一つ
・・・本当の貴方を教えて・・・
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