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2004.11.03

空はどうして青いの?

 「ビックコミックスピリッツ」という男性向けマンガ雑誌が好きで(前も書きましたが、「ルサンチマン」(by花沢健吾)というマンガが好き♪)、毎週読んでいるのですが、その中に連載されている「ゼブラーマン」(原作 宮藤宮九郎、漫画 山田怜司)というマンガの中で、「大人テスト」というのがあります。問題があって、それの答えによって、大人だと判断されると処刑される、という物騒なテストなんですが。その第一問が「空はどうして青いの?」なのです。さあ、どのように答えましょうね?
 主人公は、最初に答えに失敗し、大人だというのがばれてしまうんですが、二度目に大人テストを受けた時は、こう答えます。
「空は青だけじゃないよ」
 この答えが、大人テストの正解かどうかは分かりませんが、作品の中では、問題を出した方は意表をつかれて、主人公は、窮地を脱することができます。

 今日は、とてもいい天気でしたね。私も空を眺めながら、考えていました。
「空はどうして青いの?」
 思うに
「空は青だけじゃないよ」
 という答えは、大人テストの正解じゃないように思えます。だってそれはまさに大人の答えだもの。人間ってのは長く生きれば生きた分、物事のいろんな面を見ることができるようになります。
 全ての事象は、善悪で分けることができないってこととか。いろいろなシーンで、正しいと思えることも正しくない時がある。空が「青だけじゃない」っていう答えはその象徴のような気がしませんか。
 そして、そんな混沌の中で、真実は、その世界を生きる人間、一人一人が見つけるしかなくて。誰が正しくて、誰が正しくないか、それすら実は明確な基準なんてない。そういう多様性を認めることができるようになること。他者を尊重し、自分を尊重することができるようになること。
 それが「大人になる」ということ。

 子供って、そういう物事の多面性とか多様性を、捉えるのが難しいと思います。1+1=2みたいなシンプルな世界が子供の世界。だから空は青い。青くない空があるのを知った時・・・それは子供が一つ大人になった時なんじゃないかな。
 小さな子供を教える時は、だから逆に、物事に多様性があることを知っていても「この問題はこれが答えだ」とはっきり教えてあげないといけないような気がします。教える側が迷っていたら、子供はどうしたらいいか分からない。
 思うに、教育なんて90%は大人のハッタリ(笑)。でも、子供の前では、自分が迷っていることを見せないで、ハッタリをかますことが大事なんでしょう。いずれ、成長すれば、子供は大人のハッタリを見抜くようになる。何が真実かを自分で探すことを始める。そして、ある日、自分で空は青だけじゃないことに気付く。大人も迷っていることに気付く。
その時、もうその子は子供じゃない。一人の大人になる・・・

 生きることは迷い探しながらの長い旅。
 いろんな答えを捜し求めて、疲れた時も、空は青く、そして時には灰色になり、夜空になり、夕焼けに染まったりしながら、私たちの上に広がっている。そう思うと、一休みしたらまた、この旅路を歩き始めようと思えます。
 

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