「デブの国ノッポの国」
昔、世界名作全集の中に入っていた物語で「デブの国 ノッポの国」という児童文学があります。すごく面白くて、私、大好きなのよね。
タイトルどおり、おデブさんばかりが住む「デブの国」があり、やせてガリガリの人ばかりが住む「ヤセの国」がありまして(地下にあるという設定です)。そこに、こちらの世界の、太ったお兄ちゃんとおヤセの弟が迷い込む・・・というお話なのですが。
その二つの国は、当然のごとく、価値観がことごとく対立しているので、仲が悪いわけです。地上の世界の兄弟は、引き離されてそれぞれの国に住むわけになるのですが、そのうち、二つの国で戦争が起こるわけですよ。
その戦争の直接の原因というのが、両国の境にある一つの島。確か、この島は両方の国のもの、という協定が結ばれているのですが、名前を「デブノッポ島」にするか「ノッポデブ島」にするかで両国が激突し、戦争に発展するわけです。
戦争の結果、どうなったのか・・・は、まあ、ここでは書きませんが、最近また盛り上がってきた、我が国と隣国の話を聞くにつけ、この話を思い出します。
なぜあの島の領有に我が国はそれほどまでにこだわるのでしょう?
あの島が日本でなければならない理由って何?
いくらニュースを見ても私にはその理由がよく分からない。
過去がどうの、元々がどうのなんていう話をしても平行線にしかなりえないですよね・・・
今朝のテレビでは、あの島の問題に対し、日本人は関心が低いと言っていました。なぜなら、誰もそれを説明しないからです。なぜこだわる? そのために国旗を焼かれるほど憎まれなければならないの?
大体、そう、日本なんて、今、平成の大合併が吹き荒れています。故郷がどうなろうと、それも変化の一つとみなが受け止めている中で・・・
いや、別にこだわるのがいけないというわけではないのです。
ただ、私にはその理由が分からない。領海の問題とかあるからかしら・・・
朝のテレビでは、政府が、今まで強くその島の領有権を主張してこなかったのを、悪いように言ってますが、テレビっていい加減ですよね・・・ライブドアとフジの争いについてだって、毎度、取り上げ方によって言うことが違うし・・・どっちの味方なんだよ、といつも思います。
相手も譲らず、こっちも譲らない平行線の問題ならば、正面から相手を言い負かそうとしても意味がない。まずはきちんと話し合い、AでもBでもない、第三の妥協策を探しだすべきでは、と思います。・・・でもそういう妥協が気にくわない頑固者が、日本側にいるんでしょう^^;
だったら、解決せずにほっとく(爆)。日本政府が選んできたのはその道だった。隣国と仲良くなったところで、相談すれば、うまくいくかも・・・というのも賢い選択肢のような気が私などはしますねー。もめたってしょうがないし。
少なくとも、憎しみを増幅させることのは愚かなこと。意地やプライドよりも大事なものもあると私は思いますが、まあ、それも立場によるのでしょうかねえ・・・
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Comments
http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20050313A/index.htm
かの島がなぜ重要か、またなぜ反日かが少しは分かるかもね。
Posted by: へぼたろ | 2005.03.17 13:51
へぼたろさん、いい記事をご紹介していただき、ありがとうございます。
このリンク先、いいですねー。
非常によく問題が整理されていてわかりやすいです。「国際司法裁判所」に判断してもらう、という解決方法があるのか・・・勉強になりました。
過去、ホントに、「共有」にする、なんて案もあったっていうのもなかなか興味深いですね。
Posted by: BUBI | 2005.03.17 16:53
はじめまして
私もあのお話が好きでした
ただ、実際に領土問題は根が深いもので
島の領有権を認めてしまえば
あの近海の海洋資源などすべて奪われてしまうからでしょう
また、ひとつ許してしまえば他の国も
「あの国は領土問題に甘い」
と同じように迫ってくるでしょう。
エルサレムのように千年以上に渡って無駄な戦いが続いているところもあります。
童話の中ですら
おとぎ話の中ですら
島の問題を解決するために二つの大きな戦争が起こり、
そして多くの血が流されねばならなかったというのがこの問題の難しさを象徴していると思います。
やるせないなぁ。
Posted by: 雪野風郎 | 2012.05.26 17:19
雪野風郎さん、いらっしゃいませ。
そうですね、デブの国とノッポの国の争いも結局戦争になりました。
同じ人間同士、なぜ「話し合って解決」ということができないのだろうと。
たとえばものすごくちっさい話、夫婦だって、いろいろな諍いは生じます。
ある時は相手に譲り、ある時は主張し、ある時は認め合い、ある時は時間を置き・・・話し合い、というのはなかなか解決までは行きつきません。
でも、多くの血を流しあい、傷つけあい、憎しみ合わないために、我々はまず自分のプライドよりも、対話を求めていく努力をしていかなければ・・・
あちらだって傷つきたくはないと思うんだけどなぁ。
そう考えると、一番怖いのは・・・
「自分がいくら傷ついても(あるいは極端な話「死んでも」)相手にもそれ以上の苦痛を味わわせてやる」
という意地やプライドかも。
昔々、実際にそういう国がありました^^;
もしかするとかつてそういう国だったこちらを相手にしているあちらの方がよっぽど怖いのかもしれません。
Posted by: BUBI | 2012.06.04 20:12