「瑠璃の島」:気まぐれな愛情
先日「瑠璃の島」というドラマをテレビで見ました。母親に捨てられた女の子が、離島で暮らすことになり、そこの人々と関わりながら成長していく・・・という話です。
今日のテーマは、その母親の話。
「母親に捨てられる」というシチュエーションが、実に、リアルなんですよー。
昔なら、たとえば貧乏で、育てきれなくて、泣く泣く養護院の前にゆりかごに入れて捨てる・・・そんなイメージですよね。キャンディ・キャンディだわ。
このドラマの少女はそういう捨てられ方ではないのです。親がとにかく気まぐれ。気が向くとベタベタする。気が向かないとそっけなくする。子どもはその、親の気まぐれな愛情に振り回されっぱなしなのです。
この母親、子どもを愛していないわけじゃないらしい。だけど、離島に引き取られる自分の娘を止めようともしない。自分が、今度、「できちゃった婚」をするので、子どもの籍を自分から抜いて、離島の夫婦の戸籍へ移すなんてことをしても平気。
「何が悪いの?」
ってなもんです。子どもは小学校6年生。何もかも分かって離島にやってくる。親が身勝手なのも分かってる。自分からそんな親、捨ててやるんだと思って、一人でがんばってるけど・・・やっぱりお母さんが好きで好きでしょうがないのです。
自分が捨てようとしている娘に向かって
「私、再婚するから、瑠璃(娘の名前です)におめでとうって言って欲しい」
なんていう母に、子どもは
「もうお母さんって呼ぶのもよすから、他人になるなんて言わないで」
と泣いてしまいます。でも・・・
「私だって幸せになりたいのよ!」
と叫ぶ母親を見て。おめでとう、って言ってあげちゃうのよね・・・
子どもがそれほどまでに母親を求めているのに、どうしてその母親はその「愛」にそしらぬ顔をしていられるのだろう? なぜ娘を捨てて他の人と結婚できるのだろう? なぜ、そうまでして、自分だけが幸せになりたいと思えるのだろう? なぜと思いつつも・・・「こんな母親いるかもしれない」と思えてしまうのが今の世の中。
恋愛においては片思いが多い私、もちろん男女間においては、いくら好きでも、相手に好きになってもらえなくて終わってしまう恋愛関係があるのは分かります。しかし、親子でそれはあまりにもひどい。親は選べない。どんなひどい親でも、子どもにとってはたった一人の親なのに・・・
うーむ・・・愛って理不尽なものだ・・・人を愛することが、そんなふうに悲劇しかもたらさないとしたら、誰も愛さない方が人は幸せになれるんじゃないかとすら思ってしまいます。
もちろん。そうして母親に捨てられても。子どもは強く生きていく、というのが多分、このドラマなのでしょう。ちゃんと愛も知って。愛することに絶望せずに。
私の母は、もう亡くなっていないのですが、彼女も生前、かなり自由奔放な女性でありました。でも娘のことは捨てずに愛してくれたなぁ。一度父親とケンカして、家出しちゃって、娘の私は大泣きしたことがありました。すぐ帰ってきたけど。ああ、そういう思い出があるから、思わずこのドラマに感情移入しちゃうんですかねー。
世のお母様方。子どもをどうか愛してあげてね。本当に子どもは親が大好きなんですから。
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Comments
私もハマりましたよ。このドラマ。
でも、原作「子乞い」を題材にした漫画「光の島」でもそうらしいんですが、1話、2話が泣けるそうです。
私も再放送みて、もうボロボロでした。。。
3話では「親を捨てたつもりが、捨て返された」というセリフに心臓を打ち抜かれました。。。
ドラマでこんな感情がグラつくのは、初めてかもしれません。
Posted by: HR-Miller | 2005.05.03 21:56
コメント、ありがとうございます。
原作小説やマンガもあるのですね。
1話と2話、私も土曜日の特番で、まとめて見ました。
最初、小学生だと思えなかった瑠璃ちゃん・・・^^;
でも今の小学生ってあんな感じなんだろうなー
Posted by: BUBI | 2005.05.06 00:03