Bye,Happiness~「ALL THAT JAZZ」~
自分が死ぬ夢を時々見ることがあります。舞台の夢も。舞台に上がらされたのはいいけど、セリフを何も覚えてなくて、アドリブでしのぐしかなくて・・・あの、血の気が引いた感じは、思い出してもぞっとします。夢なのに・・・
「オール ザット ジャズ」は、本作の監督でもあるボブ・フォッシーの自伝ともいうべき作品。作中作の「エア・ロティカ」のリハーサルシーンには思わず目を奪われましたし、娘とお母さんが父親である主人公に見せるダンスシーン、そして主人公と娘の踊るダンスのシーンはほのぼのして、とてもステキ。厳しい芸能界にいる主人公の心なごむシーンで、見ている私もほのぼのしてしまいました。「エア・ロティカ」、舞台で見たら、すごーくどきどきするだろうなぁ~。
主人公は、舞台の製作途中で心臓の病に倒れます。奔放な生き様・・・もそうですが、やはりドラッグのせいもあるのでしょう・・・そして、彼は、病院のベッドの上で、「死」というものをステージにすることを夢に見ながら、ついに自らの死を迎える。この「死」のステージが作品の中では実際に演じられておりまして。上記した、現実世界のステージも素敵ですが、この「死」のステージには、ちょっとやられました。妻や娘や、今まで付き合ってきた女性たちが登場し、踊る舞台。自分は、ベッドにしばられているんだけど、もう一人の自分もそこで演出をしている・・・ある意味、悪夢かもしれませんが、彼が、その時に見る夢はやはりこれしか有り得なさそう。
私も死ぬ時には、またあの夢を見るのかなぁ・・・舞台に上がって、セリフを全然覚えてなくて、血の気が引く夢。人生最後に見る夢があれだったら嫌だなぁ・・・
人間に死んだ後の世界というのがあるとは私は思っていません。多分そこで終わり。That's ALL.
でも人間っていうのはなぜか感情や意識を持つ生き物で。それが幽霊になったりしてこの世界に残らないとすれば、最後に見る夢が、本当に本当の、その人間が生きた終焉、最後のステージではなかろうかと。
ボブ・フォッシーは、自分が最後に見る夢を、こうして多くの人に、ステージとして、そしてそれを映画として、見せることができた。それは幸せ、不幸せっていう切り口では語れないけど、少なくとも表現者として、それを形として残すことができるってのは、すごいことだよなぁと思います。
私はせいぜいブログが精一杯だものなぁ^^; いずれにせよ、私もあなたも、悔いのない人生を・・・。
« 湘南&鎌倉一泊旅行~ | Main | 未だ執行猶予 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- シン・ウルトラマンにはまった…(2022.06.27)
- プレバトのファンです2(2021.12.03)
- プレバトのファンです♪(2021.02.18)
- 愛するものを守るために人を殺せるか -「竜の道」-(2020.08.29)
- ダンデライオンの「本当の孤独」とスカーレット(2020.02.18)
Comments
BUBIさ~ん。 御初・・・・・・・・。
いつだったか・・・・感銘を受けて、ノートに走り書きした、この文を、脈絡もなく思いだしました~♪
・・・・で、ノートをひっぱりだして探したら、あったの^^
「人生は脚本のない芝居だ 幕間のない芝居だ 見物も役者もいっしょくたの芝居だ すばらしい野外劇だ 悲しい喜劇だ いやめちゃくちゃな芝居だ だが舞台監督は素敵だ 彼の名は運命 」 -竹久夢二「断章」よりー
Posted by: うらら | 2005.07.23 17:29
いらっしゃい、うららさん。お初でしたっけ?^^
コメントありがとうございます。
竹久夢二の言葉、面白いですね。
人生が舞台(ステージ)だとするのなら、観客はおそらくたった一人だと私は思います。それは自分。そしておそらく舞台監督も自分。
そうして作った作品を、ボブ・フォッシーのように映画にして残すなんてことができるのは、世の中でも一握りの才能のある人なのだろうなーとは思いますが、自分のステージですから、自分だけは楽しめる作品にしたいな♪
「面白きこともなき世を面白く」(高杉晋作)
Posted by: BUBI | 2005.07.23 20:32