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2005.07.11

「廃用身」

 久坂部羊という人の書いた「廃用身」という本を読みました。小説、つまりフィクションなのだろうけれど、まるで、ノンフィクションを読んでいるかのような・・・作り自体が、ノンフィクションなのです。たとえば先日触れた「十三の黒い椅子」がアンソロジーのようでいてアンソロジーでないように、「廃用身」という小説にも作中作があって、その物語の世界ではまぎれもない現実として、その物語が存在するわけで・・・いや~、内容がリアルすぎて、ぞくっとしました。

 これ・・・ぜひいろんな人に読んで欲しい作品だけど、きっと、読む人を選ぶだろうなぁ。
 たとえば「患者よ、ガンと闘うな」という本をご存知の方はいらっしゃるでしょうか。
 私はこの本がベストセラーになった当時、読んで、すごく共感しました。意味のない手術、意味のない、副作用だけが多い抗がん剤投与・・・生きることだけではなく、私たちにはよりよい死を迎える権利があるはず。それ以来、検査嫌いになってたりして、私^^; もともとの医者嫌いに拍車がかかってしまったかも。
 「廃用身」は、麻痺のため、動かなくなってしまって、将来的にも動く見込みのない、体の部分を言うそうです。この言葉自体も、フィクションなのかしら。ここは本当なのかしら。
 主人公の医師は、患者自身と、その介護者の負担を軽くするためにも、「廃用身」である、足や腕を切断する治療を行います。切断されて手足がなくなった患者は、普通に見ると、手足がなくなってなんてかわいそうなんだろうと思うけれど、実際は、どんなにリハビリしても動く見込みのない、重い手足がなくなったことで、精神的にも肉体的にも元気になっていきます。・・・・うーん、これもフィクションなのかなぁ。ホントだったら、Aケア(身体の一部を切断する治療を小説の中ではそう呼びます)は、奇跡の医療なのに。
 医師は患者に感謝されるのですが、一方、その事実を知ったマスコミからバッシングを受け、しだいにおいつめられて・・・
 一人の医師の心の葛藤や、それを取り巻くいろいろな状況が本当にリアルでフィクションとは思えません。
 こんな小説、久しぶりに読んだ~。読み終えて・・・私はこの本を読んだことを一生忘れないだろうな・・・そのくらい、なんていうんでしょう、リアルさに驚き、引き込まれてしまう「小説」です。でも、本当は小説じゃないかも(謎)。
 

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