「まさしく愚考だ・・・」byラインハルト
「銀河英雄伝説」(著・田中芳樹)という小説があります。
宇宙歴八世紀、後に帝国の皇帝となる、若き天才戦略家、ラインハルト、そしてその宿命のライバル(←本人は「そんな大層なもんじゃないさ」と言いそう)であり、唯一その天才とタメを張れる正義の味方、ヤン・ウェンリー(ついだから、こんなふうに肩書きをつけて面白がってしまいます^^)の物語でございます。
その冒頭はこんなシーンから始まります。四万隻、自軍の倍の敵軍に包囲されようとしている帝国軍。それを率いるは、天才、ラインハルト。しかし、周囲の人間は、この若造を全然信用していません。ラインハルトが当時の皇帝の寵愛を受けている愛人の弟なので、コネだけで成り上がったやつだと思われていますので・・・
まあ、つまり、この戦いが、ラインハルトの全ての戦いの始まりになりますから、結果は自ずから明らか。
ラインハルトは、この戦いをひっくり返します。
一方の敵軍、同盟軍の方に、ライバル、ヤン・ウェンリーがいるんですが、こちらはまだ准将でして、艦隊全てを率いる立場にありません。慎重に「負けない」ための、作戦案を出すものの、上官がそれを握りつぶします。なんせ、圧倒的な兵力差。普通に戦えば勝てるのです。
そう、普通に戦えば・・・・
無能な上官は、「非常識」(ヤンに言わせれば「想定の範囲内」)なラインハルトの用兵術に翻弄され、結果としては大敗を喫します。
戦いの途中で、上官が怪我をして、ヤンがそこから指揮権を引き継いだため、一応、帝国軍に一矢報いることにはなるのですが・・・(それでラインハルトも「ヤン」という名前を覚えるのであった)
この戦いがアスターテ会戦と呼ばれる、銀河英雄伝説という小説の最初の会戦です。
と、まあ小説の話はどうでもいいっちゃいいんですが。
私も先日の碁で、圧倒的有利だと思っていたのをひっくりかえされてしまいました。
いや・・・置き碁でハンデをもらって打つことが多いので、いつだって、圧倒的有利なんですけどねえ。(笑)
無能な戦略家はいつでも、自軍が圧倒的有利でありながら、目先に捕らわれて、敗北を喫してしまいます。
上官「キミは第四艦隊を見殺しにしろというのか!?」
ヤン「今から行ってもどうせ間に合いません」
いやはや。碁は元々、そういう戦場での用兵をゲームにしたものだと言われるのですが、なかなか、やはり、天才ラインハルトや、ミラクル・ヤンのようにはいきません。自分のやってることが、無能な上官そのものなのに気付き、昨日は思わず、自分の棋譜を見ながら失笑してしまいました。
全体を見る・・・目先に捕らわれない・・・そして戦略の重要さは、散々「銀英伝」で見てきたのに、何やってんだかな~
ラインハルトやヤン・ウェンリーなんて言わないけど、もうちょっと、普通の戦いで、普通に勝てるようになりたいです。せっかく艦隊指揮権が自分の手にあるのですから。
碁の何が面白いって、きっとそれなのでしょう^^
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Comments
囲碁関係のブログをカキコミ専門で放浪している碁キチです。
TVアニメの「銀英伝」はよく見ていました。
イゼルローン要塞の攻防の場面が「銀英伝」では大好きでした。
よく見ていたといえばNHKの「囲碁講座」も長い事見ているつもりですが相変わらず万年級位者です。
またお邪魔します。
Posted by: gokichik | 2005.10.04 01:48
いらっしゃいませ。
囲碁講座は、今度のクール、私、とても楽しみなのですよ。ちょうど、いろいろ思いこみの壁にぶつかっているところなので、それを変えてくれる、目からうろこの講座になりそうで。
大竹先生のときに、見るのをちょっとさぼりがちだったので、10月から、また、がんばろうと思っています。
そういう目からうろこの発見もまた記事にできたらいいなぁ。
碁の話以外にもいろいろ書いているブログですが、また、思い出した時にはいつでもお寄り下さいませ^^
Posted by: BUBI | 2005.10.04 12:44