誰かに恋をされたとき
私の好きなコミックで、紫堂恭子の「辺境警備」というファンタジーマンガがあります。
この中にこういうエピソードがあります。
村の神殿に、都から派遣されてきている年若い神官さんがいまして。
村の少女は、そのステキな神官さんに恋をしております。勉強を教えてもらったり、いろいろするのですが、博識で、誠実で、働き物で、真面目なんだけど、ちょっとユニークなところもある神官さんに、ほのかな恋心をずっと抱いておりました。何でもできるけど、裁縫だけはとっても苦手な神官さんの代わりに、上着を縫ってあげたりなんかして。
まあ、ぶっちゃけあまりにもステキな人ですし、神官という職務柄、結婚しないことも決まっています。
だから、手の届く人ではないと分かってるし、恋してどうなる、ということもない。それを知っていても、彼女は、
「そっと思うことだけならば、かまわないわよね」
と思っていました。
が、近頃、いつも優しかった神官さんが、ちょっと・・・冷たいというわけではありませんがよそよそしくなってきました。
さて、なぜでしょう? って、分かりますか。
答えは簡単、神官さんは、少女の思いに気付いてしまい、応えられないのを申し訳なく思い、距離を置こうとするようになったのです。そのために、短くしていた髪をのばして、男性っぽくみられないようにしたりして・・・あらまぁ。
少女は、それを知ってしまいます。
(引用開始)
「わかってるの・・・私を気遣ってのことだって。でもこれからもずっと、そんなふうにやんわり避けられるとしたらわたし、どうしたらいいの? 上着を縫ってさしあげるのもいけないの?」
(引用終わり)
少女はそう言って泣いてしまいます。
マンガのお話はここまで。さて、もしも・・・・自分がその思いに応えてあげられないという相手に、恋をされたとき、どうするのが一番よいのかな。
いや・・・私も。好きな人に、ずっとやんわり避けられておりますので^^;;;;;
もしかしてすげー迷惑なのかなぁと思ったり、よく、します。
「好き」って言ったり、何かをしてあげたいと思ったり、「好き」でいることは構わないよね、と勝手に1人で思っていたりすることが、相手にはうっとうしいことなのかなぁと・・・
まあもちろんその可能性はいつでもあるのですが。
今のところ、たぶん、「迷惑」とか「嫌い」とかは思われていないはずなんですよね。
だとしたら、たとえ恋人にはなれなくても、ずっと「好き」ではいたいと思います。
そうしたら、その人にとって、恋人にはなれなくても、何か違うものにはなれるんじゃないかな、なんてね。
叶わない恋というものは世の中にありまして。
どんなに好きでも、うまくいかないのはよくあること。
誰かに恋をされたとき、自分がその思いに応えられないと思ったら、どうするのが一番いいか。
きっぱり、嫌いだといって別れるのが思いやりだ、というのも一つの説。
なんとなく距離を置きつつフェイドアウトしてくのも一つのやり方。
うーん・・・しかし、どっちも、その少女の立場である私としたら、やって欲しくないんだよな・・・
一番良いのはですねえ・・・
私は、好きな人に好きだと言ったときから、こう思っておりました。「私はあなたを好きな大勢の中の1人でいい」とね。だから好きになられた方は、相手の好意を受けても、それに無理に応えたり、やんわり避けたり、相手に申し訳ないなんて思わずに、「ありがとう」って言ってていいんじゃないかな。
いや、もちろん、応えられないということは、先に言うんですよ。
応えられないと言ってんのに、相手がそれでも好きだ、っていうのは、相手の勝手ですから。
あとは、自分ができるだけのことを相手にしてあげたらいいんじゃないかなぁ。
なんてのは、恋する側からの勝手な言い分なのかしらね^^;
くだんの神官さんのマンガなどを読んでいると。
神官さんは、少女の思いを知っても、平然としてればいいと思うのですけどねえ。
村でお祭りがあり、そのお祭りで、少女は、神官さんと踊るのが夢でありました。
神官さんは、経緯を知った友人(笑・・・いや、なぜ(笑)かは、原作をお読みください)の薦めで、少女と踊ることになるのですが、彼は、少女と踊ったあと、とても落ち込んでしまいます。
つまりは、「応えられないと知っているのにあんなことをしてよかったのか」と。(すごいまじめなんだよなぁ)。彼に少女の夢をかなえてあげるように薦めた友人は、言います。
「あんたが落ち込んでちゃはじまらんよ」
もし、私が少女だったなら。
そんなふうに神官さんと踊れたのが、たとえ、その一回限りだったとしてもめちゃくちゃ嬉しい。
私は誰かに好きになられたことはあまりないのですが、人は、きっと、誰かに愛されることにも、もっともっとうまくなっていいのだと思います。
さて。私は自分の信念どおり、その人を好きでいるわけですから。それこそ落ち込んでても始まらない。
できることなら、相手にとっても、私の思いが「迷惑」以外の何かでありますように・・・
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