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2005.10.03

上手と下手:すれ違いの訳

 上手は、下手に、囲碁をがんばって欲しい。強くなって欲しい。
 下手は、囲碁をがんばりたい。強くなりたい。

 おそらく目的は同じなのです。なのに、どうして、すれ違っちゃうのかしら?
 ということで、今回は私の体験から、すれ違いの訳をちょっと考えてみます^^
 
 上手の方は下手に「ここはこう打った方がいいんだよ」と教えて下さいます。
 「ふーん、そうなんだ・・・」と下手は思います。「はい、分かりました。ありがとうございます」とか言うかもしれません。
 が。上手の方が「なぜそこはそう打った方がいいか」と言っているかという理由を実は、下手はほとんど理解していません。だっていろんな理由があるから。これを一回ちょっと教えただけで理解できる下手がいたら・・・いや、いない。断言できるわ、私(爆)。

 次に同じような局面になったとき、下手は「この間、こう教えてもらったから」と思ってそう打ちます。というか「そう打ったつもり」。でも、実は同じようだけど全然違う局面だったりするわけです。下手にはその違いが分からない。

 それを見ていた上手は、「このときはそうじゃなくこう打った方がいいんだよ」と教えて下さいますね。
 「はい、なるほど」とか下手は思いますが、実はその真意は100分の1も伝わっていません^^;

 だから下手は同じ間違いを何度も何度もします。理由は簡単、分かってないから。
 しかしなぜ分からないのかを自分で分かっていません。分かったつもりになっているから余計に大変です。間違えるたびに上手は根気強く「ここはこうなんだよ」と教えますが、教えれば教えるほど、メダパニ・・・もとい、混乱するのが、下手。

 上手から見ると「同じ間違いを何で何度もするのだろう」と思えます。
 けれど下手には「同じ局面」と「同じような局面」の違いが分かっていません。だからAだったらC、BだったらDの答えをいつもいつも、CとDを取り違えてしまいます。
 ある日、たまたまAの局面でちゃんとCと打てる時もあるかも。でも、下手はAとBの違いを分かっていないので、それは本当の「まぐれ」だったりします。

 こういうことが何度もあると上手は、「なんで分かったと思ったのに(それに本人も分かったと言ってるのに)また間違うのだろう? 正しい手を教えてるのに、わざと逆らってるんじゃないか? 俺の教え方が気にくわないんじゃないか?」なんて思うのですよね。俺のことを信じられないなら、もうお前には教えねーぞ、と思う。
 でも下手は、わざと逆らうなんて高度な技は使えないんですよ~

 いやはや・・・ここで問題なのは、おそらく世の中には、常人が何回やってもなかなか理解が出来ないことを、息をするように簡単にやってのけてしまう人がいること。子供の頃から囲碁に親しんでいたり、囲碁にもともと素質があったり・・・そう、そういう人がプロになるわけですが、たぶん、そういう人は、下手が、なぜできないかが分からないのではなかろうかと^^;
 けして下手は逆らってるわけじゃないんです~

 仮に、「なんでこんなことが分からないんだ」という下手がいたとしても。
 そこで教えることをあきらめてしまっては、多分囲碁は、世の中でごく一部の人だけのものになってしまうでしょう。それでもいい、という考え方もあるとは思いますが、多分、それじゃだめだって思う人の方が多いかと^^

 人に何かを教えるということは嬉しいこともあるけど、つらいこともたくさんあります。特に分からない奴に教えるのはツライ。
 私の師匠なども、何度そう思ったことでしょう~~察するにあまりある^^;

 でも、幸い、私の師匠は、「分からない時はなぜ分からないのか」を言えと言って下さいました。
 囲碁教室ではなく、通信制なのでマンツーマンだったからということもありますが^^
 私  「ここ、Aだと思ったからCって打ったんですよー」
 師匠「Aだと思ったなら仕方ないが、ここはBだからDって打たないとだめなんだ」
 私 「えええええ~~~っ! Bなの? うっそ~~っ! なぜ? どうしてぇ~~? 私、前提がまちがってるのぉっっっっ_| ̄|○。。。」

 なんつーやりとりを何度繰り返してきたことか(笑)。

 と、いうことで私はまだがんばって囲碁を続けております。幸い、師匠も嫌にならずに・・・いや、ちょっと嫌にもなってるかもしれないけど、私が負けて落ち込んでるといつもオーエンして下さいます。
 
 世の中の、下手を教えて下さる上手の方々。
 分からず屋の下手がいても、囲碁をがんばりたいと思っている下手の気持ちを疑わないでやって下さい。

 そして下手の方々。
 なぜ叱られるのか分からないことで、上手に叱られても、へこまずに同じ間違いを何度もしましょう^^;
 本当に下手を応援して下さる先生ならば、きっと、「ああ、この子はここが分からないのね」といつかは分かってくださるはず・・・

 そうして本当に下手が囲碁を理解して強くなってくれたら、その時は下手も上手も絶対、一緒に喜び合える^^ だって目的は同じなんだもの。
 そう思える上手と下手が増えればいいのになー。
 いや、他の人のことより、まず自分^^; 師匠にあきれられない内に、ちょっとでもうまくならなくては。
 いつも教えて下さってありがとうございます。がんばりますからねー見捨てないでねー
 そして、いつか強くなったら、その恩を、自分よりも下手の人達に返せればいいなぁと思います。

 きっと囲碁っていうのはそうして未来まで続いていくのですよ。ね^^師匠♪ 

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Comments

上手さんって、自分が囲碁を覚えたての頃のことを、きっと忘れてしまっているのでしょう。

現役時代の成績がパッとしなかった人が名監督になるケースがありますが、なんとなくその理由がわかるような気がします。

でも、BUBI ちゃんの師匠さんは、愛情にあふれた方だと思いますよ。

Posted by: STONECOLD | 2005.10.05 22:56

STONEさん、コメントありがとうございます。
私の師匠は、きっと私にとって、最高の師匠だと思っています^^
そういう師匠と出会って教えていただけてるっていうのは、私の囲碁人生の中で大きな財産です。ネットで碁をやっててよかった~

 そしてもちろんSTONEさんやZONさんやうららさんや安ちゃんと会えたことも、ですよ~♪

Posted by: BUBI | 2005.10.06 09:07

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