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2005.11.15

「不自由な心」

読み終わった途端、いやな気持ちになる小説を読んでしまいました^^;
白石一文の「不自由な心」という本に入っている「天気雨」という小編。図書館の閉館まぎわに、急いで借りてきたので、この作家の作品は初めてだし、内容もざっとしか確認してなかったのですが・・・

まあ、その。

主人公は、大手部品メーカーに勤める中年の男。職場の秘書課にいる若い美人OLと付き合っております。男性の方は結婚していて家庭があるわけですが、美人OLにめちゃ惚れている。家庭では奥さんも美人、かわいい娘もいて、要するにどっちもうまくやってるわけですわね。
しかし、その美人OLは、長年の不倫に疲れてしまい、以前やはり不倫関係にあった部長が、奥さんと離婚して、彼女にプロポーズをしてきたので、その人の方に行こうかと迷っている。現不倫相手の主人公としては、彼女がその部長と結婚するという噂を聞き、面白くない気分になるわけです。まあその部長の方には
「あなたは三年前の私です。どちらが彼女を幸せにできるか初めから答えは出ている」
なんてことを言われます。当然ですな。

いやー・・・別にいいんですけどね。
不倫が悪いとは言いません。愛し合ってるなら、それでも良い。
ですが。

その小説のラストはこんなですよ。主人公の男は、仙台支店の支店長に栄転することになります。家族も仙台に連れて行こうと思ったら、奥さんには「娘の学校もあるし単身赴任してください。仙台なら近いから大丈夫でしょう?」と言われます。
なので・・・
その前に、その彼女にプロポーズをした「部長」と直接対決をしたりなどすったもんだがあって、彼女を今まで苦しめてきたことに気付き、不倫関係を清算しようかとも考えていたくせに、
「やっぱり恵理(彼女ですね)を失うわけにはいかない」
とかなんとか言って、
「会社をやめて仙台にいっしょに来い。妻はめったに仙台にはこないからいっしょにいられる時間も増えるぞ」
なんてことを言う。
そこで小説が終わる。

なんだーーーそりゃーーーーー!

なんて身勝手な男だ。ふざけんじゃない。ちょっと怒り心頭でしたわよ。

・・・いや、いいんですけどね(爆)。
彼女としては結婚できなくても、大好きな彼といっしょにいたいのだろうし、彼が仙台に来いと言えば、きっと仙台に行くでしょう。しかし。しかしだね。

男としてそれでいいんかい。女は惚れた男のためならなんでもしますわよ。
しかし、それをいいことに、いつまでも不倫なんかしやがって、超むかつく(爆)。
まったくなんていう話なんだと、ちょっと怒りを通り越して、あきれてしまいました。

まあ所詮、小説ですからいいんですが・・・ふと思いました。
昔ってこれが普通だったんですかねえ?
その小説の中で、出てくる女性はことごとく誰かの愛人だったりします。秘書課の女性がその上司の愛人・・・ってそれって普通?^^; っていうか、そもそも、女性がいて男性がいれば、そこに男と女の関係が生じるのって普通なんですかねぇ? そんでもって、男は結婚していても、愛人作るのが普通なんですか^^;

と、もう、その本を投げ捨てたくなりました。(図書館の本ですからそれはしてはいけません。)

ちなみに、amazonのレビューを見ると、読者レビューには同じようなコメントがついておりますね。
でも、内容紹介のところで「透徹した視線で人間存在の根源を凝視め、緊密な文体を駆使してリアルかつ独自の物語世界を構築した」なんて書いてある。
そんな紹介するから、私が手に取っちゃうんじゃないの^^;;;;

私は、渡辺淳一とか好きなので、男性作家が書く恋愛小説にある程度の許容範囲はあると思っています。しかし、この本の、この話は許容範囲を軽く越えてしまいました。

人を好きになる、ということは理屈では語れないと思います。だから家庭のある人間が誰かに惹かれてしまうことも世の中にはある。それで職場のかわいい子と付き合ったとしましょう。100歩譲ってそれも許す。
しかし、その彼女がその関係を清算する気になったなら、男は潔く身を引けって思うんですよねー。本気で家庭を捨てて彼女を取るなら、それはそれでいいけど、その気もないくせにズルズルと不倫関係を続けようなんてとんでもない男だ。

私が渡辺淳一作品が好きなのは、渡辺淳一作品に出てくる男性がそれほど嫌いではないからです。しかし、この作品の主人公は嫌い。だから、美人OLである彼女がどれほど彼を好きなのかという、その気持ちにも感情移入できないし、そもそも女性の側は「美人で秘書」ってくらいであまり表現的にも書き込まれていません。

こういう類の小説を読むと、男性ってのは、こういうのが好きなのかーとちょっと絶望的な気分になります(苦笑)
まあ、もちろん、そうでない人がたくさんいることも分かっておりますけども、ね。

・・・・・・ただ。ここまでこき下ろしておいてなんですが、amazonの読者レビューによると、表題作の「不自由な心」はちょっと感動っぽいです。こんなとんでもない話を冒頭に持ってくるのも、作者の計算なのだろうか。
我慢して読んでみるかな・・・次の短編・・・

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