賢者の贈り物
pgさんのブログに、昔、世界名作全集で読んだオー・ヘンリーの「賢者の贈り物」が引用されているのを読みました。
これ、子供の頃、読んだなー。
懐かしくなって、ネットで探してあらすじを確認してみました。
pgさんは記事の中で、
『不要になった二つの贈り物。
でも、そこにはお互いを思う優しい心と、深い愛情が満ちあふれているのでした。』
ときれいにまとめられていらっしゃるのですが、この話、私の記憶では、自分の大切な物を売って、相手に贈り物をしたら、どちらの贈り物も不要になってしまったということが、どちらかというと「賢者の贈り物」というよりは、皮肉っぽく書かれていたような気がします。
あらためてこの話を振り返ると・・・
けっこうこういうことってありがちなのかもしれない、と思ってしまいました。
相手が喜ぶ顔を見たくて、自分の大切な物を売ってしまう。
でも当の相手は、愛する人が、大切な物を売らずに持っていてくれた方が嬉しかったのに・・・
こういうすれ違いって、実際に恋人同士ではしばしば起こるのかもしれません。
「熟年離婚」ってドラマをみなさんは見ましたか。
定年を迎える夫は、定年後は今まで忙しくて顧みることもできなかった妻のために、これからはいっしょに海外旅行に行ったりして、いっぱい楽しもうとわくわくしている。なのに、それは完全に夫の独りよがりで。妻は旅行もしたくない。マイホームも別に欲しくなかった。そんなことをしてくれるくらいなら、もっともっと今までに自分の話を夫に聞いて欲しかった・・・。
俺はお前のために今までこういうこともした、ああいうこともした、という夫に、そのドラマで、妻はこう言います。
「そんなこと、いつ、私が頼みましたか・・・!」
相手が本当に望んでいることを、多分、愛しているからこそ、誤解してしまう。
「賢者の贈り物」は、「熟年離婚」とはまたちょっと視点は違いますが、つまり・・・
愛する人に、自分の大切なものを犠牲にしてまで私のために何かをして欲しい、なんて望む人はきっといません。なのに・・・ね。
相手のことを思う気持ち。それはきっととても素敵なことなのですけれど、そのために何をしたらいいのかって、実はとても難しいし、勘違いしやすいことなのかもしれません。
いえ、これってほとんど自省^^; 好きな人にX’masプレゼントを送ったんですけどね。受け取ってもらえるか、不安だ~
心配してても仕方ない、こういう夜は寺尾聰の往年のヒット曲、「ルビーの指輪」(作詞・松本隆)でも歌いましょう。
♪俺に返すつもりならば 捨ててくれ~ (核爆)
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Comments
うふふ。
そうですね、「賢者の贈り物」は悲しい内容でもあります。
貧の悲しみ(←ここからすでにシビア)から、相手に贈り物を買えない。
自分の一番大事なモノを売って、相手の贈り物を買う。
今、こういう事ってナイですよね。
クリスマスの次の日、質屋さんに並ぶのは「お水?」関係のブランドモノ。
大事なモノを手放しても、相手に喜んでもらいたい。不要の贈り物になってしまった悲しみより、相手が自分を思ってくれた気持ちを受け取りたい。
ホントは意味が違うのだろうけど(BUBIさんが仰るように、それは売らないで~と言う部分もありますけどね)私はこの後、二人が顔を見合わせて、眉をひそめて苦笑して。
でも、最後に本当の笑みを浮かべてくれたんじゃないかな?って思うわけです。
クリスマスですしね。
ハッピーエンドでも、いいでしょう。
ちなみにこれは中学の時の英語の時間に「現在完了形」を習ったときのものじゃないかしら?って思います。果てしなく昔のお話ですわ~
Posted by: pg | 2005.12.25 11:52
pgさん、コメントありがとうございます。
「現在完了形」かぁ・・・
「時計を売ってしまった」とかそうなのかな。
ん~これだと過去完了という気もするけれど、私もさっぱり記憶がない~
ちなみに余談ですが、外国って、女性の髪が売り物になるんですね。
私、最初、この話を読んだ時、時計はなかなか買い戻せそうにないから大変だけど、髪なんてまた伸ばせばいいだけじゃん、と思った記憶があります。
でも一度失うとなかなか伸ばすのも大変なのかな。
私はいつもショートなので、いつも惜しげもなく切ってもらって捨ててるけど、もしかして、もったいないのかなー(笑)
Posted by: BUBI | 2005.12.26 00:51