おいしいものって何だろう
自分のことを食通と思ったことはないけれど、基本的に食べるのが好きなので、いろいろな店へ行っておいしいものを食べるのが好きです。
でも、納豆と、ごはんと、白菜の漬物と、おいしいみそ汁。それが一番かなぁ、実は。ノリと卵と焼きたてのアジの開きがつけば、もう、言うことなしかも。やっぱ食通ではないですね、うん。(一人で納得)
いや、土曜に日本棋院に行った時、市ヶ谷駅の二階にある「TO THE HERBS(トゥー・ザ・ハーブス)」というお店に行きました。土曜はやたら暑い日で、周りの緑は濃く、景色は鮮やか。「TO THE HERBS」は、とてもきれいなお店で、テラス席なんかもあってとてもおしゃれ。このお店、さいたま新都心にもあるのですが、いつも混んでいてほとんど入ったことがありません。
友達と食事するのに、場所と雰囲気で選んだお店で、どちらも文句なく、いい雰囲気を堪能して満足して帰ってきたのですが、ふと・・・
「TO THE HERBS」って実はあんまりおいしい店じゃないんじゃないだろうか?
こんなページをネットで見つけて読んで見ると、実は、私も思いあたる節が大有りだったりします。
考えてみれば、私は「TO THE HERBS」でおいしいものを食べた記憶がなく。この日も「きのこの香草風味」というパスタだったんですが、バジルやカモミール(だと思った)を生でそのままパスタにのっけられても、なんというか・・・うん、おいしくない^^; いっしょにいった友達は、トマトソースのパスタだったけど、おいしかったかな。そっちはおいしかったらいいなぁ。せっかく連れて行ったお店で、おいしくないもの食べさせちゃったらいけません^^; とにかく、私のは、あまりにおいしくなかったので、食後にタピオカ入りのアイスミルクティーを頼んで口直し。ミルクティーは甘くておいしかった。
雰囲気はいいのになぁ・・・店を出るときは、「また来たいな」と思ったくらい。
でもおいしくはない^^; そして値段も安くはない^^; (まあそれは場所代かな)
うーん、たった二回だけ行って、評価するというのもどうかと思いますので、ただ、頼むものをはずしてるだけかもしれませんが、思ったのは・・・
「おいしいものってナンだろう?」
っていう素朴な自問だったりします。おしゃれなお店で雰囲気を味わうなら、別に食べたものはまずくてもいいのかもしれない。・・・・まずくても? いや、やっぱまずいのは、いけないでしょう^^; 客に出してますからねえ。おしゃれなお店に行っておいしいものを食べた気になっていた、自分を反省しました。
昔、清水義範の小説で「全国まずいものマップ」という短編があったんですけどね。私はその小説が大好きでした。いわく
「うまいものなんてごくたまに食べればいいのだ。旅の食事の楽しみは断然まずいものを食べることである。そういうまずいものと思いがけず出会うことの豊かさを味わわなければならない」
・・・あ、清水義範を知らない人には誤解を招きそうなので、お断りしておきますが、もちろんこれは、巷にあふれるグルメ雑誌のパロディです^^ でも、おいしいものに出会うことよりも、思いがけずまずいものに出会って、「なんでこんなにまずいんだろう? どうしてそれなのに、こういう店がはやるのだろう?」なんて考えることも、確かに心の「豊かさ」の一つかも(?)なんてね。そう考えると「TO THE HERBS」ってけっこう面白い研究材料だったりするかもしれません。こりずにまた行ってみようと思います。今度はさいたま新都心店が空いてるときにでも。
ちなみにこの短編は「私は作中の人物である」という短編集に入っています。
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