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2006.06.25

「レイクサイド マーダーケース」(ネタばれ注意)

「レイクサイド マーダーケース」という映画が以前テレビで放映されまして、録画だけしておいたのですが、今日やっと見ることができました。
 ちょっと地味な映画ですが、なかなか衝撃的な内容です。

(以下、ネタばれです。)
 ネタばれを気にするほどの、推理ものでもない、というのが、実際のところなのですが。
 殺人事件の犯人が誰か、ということより、
「一体、なんなんだ、この人たちは・・・」
 と思うのが先で^^;

 起こってしまった殺人を、どう隠蔽するかに加担する人々・・・そしてそれにいやおうもなく協力させられてしまう主人公。最後は、結局、主人公も、殺人なんてなかったんだ、と何もなかったように演技し続けることに納得してしまう。

 ・・・もし、あなたなら。納得できますか。
 目の前に殺された人がいる。犯人も分かっている。でも警察には行かない。
 どんな状況なら、自分もそうすると思いますか?
 それがこの作品のテーマです。

 さて、ネタばれだー。いいですか?書いちゃって。

 もし、自分の身内が・・・犯人だったら。
 潔く、罪を認めて、警察に名乗り出ることが出来るでしょうか。
 それも・・・自分の子供だったなら。

 もちろん、ここには集団心理というものが働いています。
 もし、ここに自分の家族しかいなくて、自分が父親、または母親で、自分の子供が殺人を犯したのが明確だったなら、やっぱり、子供を警察に連れていき自首させるかもしれません。

 しかし、この作品が巧妙なのは、「お受験」のために3家族が集まって、お受験専門の講師の下に湖畔の別荘で合宿をしているという舞台設定にあります。3家族いるので、受験をする子供も3人いますが、この子供のうち、どの子が犯人だかは結局最後まで分からないのですね・・・

 誰も、自分の子供であって欲しくないと思っている。そして、他の子かもしれなくても、それを追求すれば、自分の子供がもし犯人だったらと思うとそれもできない。
 親たちは協力して、殺された遺体を隠蔽し、殺人事件をなかったことにする。
 何もなかったこと・・・そうして自分の子供を守ろうとする。

 この作品が衝撃的なのは。もしも自分だったら、やはり、こうしてしまうだろうと思ってしまうから。

 殺された人は、主人公の愛人でした。
 その人は、お受験の講師が、受験先の学校の試験問題を金で買っているところを偶然知り、講師をゆすりにやってきていたのです。自分の恋人である主人公へのあてつけにやってきたというのもあるんですけど。
 子供たちが何を思って、その人を殺したのかは最後まで分かりません。
 でも両親たちは、不倫もして、自分たちをゆすりにくるような女性、という事実で、彼女に対しての良心の呵責は薄れてしまったのかもしれません。
 
 何かがまちがっている。でも、自分がもし、この映画の両親の一人だったら、やっぱりこうしてしまうかも。
 そういう意味で、とても怖い映画でした。

 心理学の実験で証明されているのですが、自分一人なら、危機(リスク)や犯罪に対して適切な判断ができても、数人いると、その意識が薄れて、他人の意見に引きずられてしまう。
 「みんなで渡れば怖くない」
 ってやつでしょうか・・・
 何が怖いって、やっぱり一番怖いのは、人間ってことなんでしょうね・・・。

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