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2006.07.27

努力に報いるのは金じゃない

 今朝、朝のワイドショーを見ていたら・・・
 今、日本では「格差」というものが問題になっていて。格差の是正にはどうするのが一番いいだろうということで、所得税の見直し、って話が出ていたんです。

 ちょっと前の日本では、たくさん収入がある人は、大変高い税金を課せられていたそうです。テレビで言っていたところによると、収入に対して最高75%の税率だったとか。つまり稼いだ金の半分以上も税金で持って行かれる。手元に残るのはたったの25%。それではあまりにも・・・ということで、現在は最高でも37%(平成19年以降は40%)になっているんですけど。格差の是正を考える上では、所得税率も見直しが必要かもしれません。

 その時、コメンテーターの人が言いました。

「所得税率を上げて金持ちからたくさん税金を取るような仕組みだと、努力した人が報われないことになってしまう」

 ・・・う~ん・・・
「努力した人が報われない」? 私はこれに引っかかりを感じました。

 いや、その・・・言葉自体は正しいのです。
「努力した人が報われる」社会がベスト。「努力した人が報われない」社会は間違ってる。
 そりゃそうなのです。しかし。

 ぶっちゃけ「金持ち」って努力してるんですか? 貧乏人は努力してないんですか? そんなことないでしょう。

(この先は極論かもしれません。お目汚しになったらすみませんm(_ _)m)

  たくさんの収入がある人は、努力してその収入を勝ち得ているのかというと、とてもそうは私には思えません。
  株でたまたま大当たりをした。人件費や材料費を買いたたいて、売上げに対し、高い利益を上げる仕組みを作った。人件費の安い海外に工場を作って、その分利幅を増やした。
  もちろん、それが商売ですから悪いとは言いません。しかし、「たくさんの金を得る」ことは必ず他に犠牲を強いて成り立つ。大金持ちなんて、まっとうな商売をしていたら、普通はなれない。

 抜け目なく、あこぎにやれば儲かる。株だって、たくさんの情報を自分で分析し、時には損も覚悟しつつ、勝負に出た結果、大当たりすることもあるでしょう。でもそれって「努力」なのかしらん。

 「努力」というあいまいな言葉のイメージは、時として誤解をされやすい。
 
 もっと分かりやすい例で言えば。
 プロ野球やサッカー選手で何億も稼ぐ人がいる。もちろんその人は、それ相応の努力をしてきたわけです。たくさんの収入があるのは当然でしょう。
 でも、同じだけの努力をしたって、プロになれない人もいる。結果を出せない人もいる。つまり、何億円も稼ぐ人がなぜそんなに収入が得られるかっていうのは、努力ではなく「才能」や「運」によるところが大きい。私はそう思うのです。

 たとえば、あるところに、美味しいラーメンを出すお店があるとします。
 その店主は、客に美味しいと言ってもらえるラーメンを作りたくて、努力をしている。いい材料も使ってる。でも材料に金をかければ、1杯600円くらいでは、元をとるだけでカツカツだったりするかもしれません。朝早くから夜遅くまで働かないと、家族を養うことも難しいかもしれません。でも美味しいラーメンを作るのは店主のプライド。客に喜んでもらうことが目的であり、商売をする理由。金儲けじゃない。

 たとえば、世紀の大発明をした技術者がいる。長い間少ない研究費で研究を重ね、その努力が実を結んだわけです。彼の発明を元にした製品は世の中を変えました。しかし儲けたのは会社で、彼には、普通の会社員なみの給料しかなかった。会社が儲けたからちょっとボーナスは増えたのでしょうけど。

 努力というものはそういうもので。所詮、努力って、それをしたからって金が儲かるもんじゃない。
 でも、そのラーメン店はずっと地域の人に愛されていくはず。世紀の発明をした技術者の名前はきっと後世まで残るはず。がんばったけどプロになれなかった野球選手だって、その後も大好きな野球をまた別な形で続けていくかもしれない。努力で報われるのは金じゃない。金がなくたって、努力した人は、周りに愛されるし、尊敬を受ける。それが努力に対する報いというものなんじゃないかな。

 「努力した人が報われるようにしよう」
 なんて言って、金持ちを優遇し、その分の負担を、同じ努力をしても収入に反映されてない人に押しつけるのはどう考えたっておかしいです。何億円もが一人の野球選手の収入になるなら、同じお金で、子供達がもっと野球に親しめるように、スポーツ施設を整備した方がいいかもしれない。つまり税金ってそういうことですよね。

 アメリカの超大金持ちが、多額の寄付をした話がありましたっけ。本当の金持ちには、「金」の意味が分かってると私は思います。私が知ってる弁護士さんは、ロータリークラブ(国際親善と社会奉仕を目的とする、実業人・専門職業人の国際的な社交団体)の役員をやっていました。
「日本にもこういうお金持ちがいるんだな~」
 とびっくりしました。
 そんなふうに、本当の金持ちの人達が、同じ社会貢献をするんでも、無駄遣いが多い「国」に税金として払うのはよしとしない、というなら、それは一理あります。

 だから、国ももっとしっかりしないといけません。財政破綻を防ぐために税率を上げるなら、いろんな議論を尽くして、国民にも説明して、使い道もちゃんと見直して・・・努力した人が、本当の意味で報われる、そういう世の中になって欲しいです。

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Comments

早速のコメント恐縮です。
私は今のところお金よりも若さでもってロータリー活動に携わっている段階です( ^.^)

今後ともよろしくお願い致します♪

Posted by: 札幌のロータリアン | 2006.07.27 at 16:06

おーおー、私も同じ事を思っていました。
努力して報われる次元を超えた収入を得ている人たちがいる。頭が良くて、上手い仕組みを考えだした人が儲ける。
自分の手で汗水たらして働く人より、横でお金を貸す人が儲かる。一瞬の株の動きでお金を儲ける。その情報を知っている人、お金を持っている人が更にお金を儲ける。
これって変ですよ。おかしい。
ある一定以上のお金を得る人は、所得税が多くてもいいと思う。
努力って、どんな努力なんだって凄く思います。
働かないで生活補助を受けるなんてって言うけど、たかが月7万。年収が5000万あれば、月312万もあるわけで。その人が、半分の収入になっても156万ですよ。自分達が金を儲けるところには、その不恩恵?を受けている人がいるということを忘れてはいけないんじゃないかって。そう思うのです。
普通の会社員だって、年収2000万の人がいて、年収200万の人がいるっておかしいですよね。
そんなに努力の差ってあるのかなって。

Posted by: ぐーたん | 2006.07.27 at 16:29

ぐーたんさんのTBをたどったら、私の昔の記事もTBしていましたので、今回もTBしておきます(ちょっと観点はちがっていますが)。

多分、昔の税制を今の税制に変えた理由に「努力した人を報いよう」なんてことを訴えて変えちゃって、そんなことやった人は、自分も沢山収入がある人なんじゃないかと推察してしまいますね。ドラゴン桜に「東大にいって偉い人になって制度を変えない限り、下の層のことを考えない制度ばかりが導入されるんだ」ってあるみたいですね(下流社会の本にありましたね)。

それでも昔は、寄付や募金やロータリークラブやライオンズクラブなんかもあって、救われたのが、今はクラブの会員数は減少傾向にあるみたいですし、寄付や募金もおおっぴらにするわけではないのかもしれないけど、どうも日本人はそういうのが苦手みたいな気がして。。。(ヨン様はなにかあるとすっごく寄付しているのに)。

世間では「独身税」とか「子なし税」とかの導入も言われているようですが、そういうのは個人の問題が絡んでいるので、私は賛成しかねます。それよりは富裕層の税率を増やすほうが納得できますが。

Posted by: ちゃい | 2006.07.27 at 19:55

でもって

金持ちの処に

これまた

儲かる話が来るのよねぇ~

水面下でw

一人で100億使い切るのは

中々ですが

1億人が100万なら
車1台購入ですのぉ~

Posted by: かっぱ | 2006.07.27 at 23:19

私は仕事柄、取引先やパートナーの経営者の方々と接する機会があるんですが、彼らに共通することは、リスクを負って生きているということなんです。
彼らのビジネススキル、人格、経験、人脈等を駆使することによってそのリスクに応え、その対価として高いサラリーを得ているんですね。
お金儲けとは、「努力」というより、「スキル」という方が正しいかもしれません。
でも、「スキル」は「努力」しなくては身につかないと考えます。
そういう意味で、コメンテイターの人は「努力」という言葉を使ったんでしょう。
また、皆さんがおっしゃるとおり、「努力」の向かう先は、必ずしも一方向だけじゃありませんよね。
自分の信じる価値に向かって努力する。
その価値は、他人が決めるものじゃないと思います。
「負け犬」=「不幸」という図式が成り立たないのと一緒だと思ってしまったんですが、どうでしょう??
ちなみに、税制に関しては、政権政党に票を投じたものとして、現在の方向性に大きな異議は感じていません、今のところ。。。

Posted by: HR-Miller | 2006.07.27 at 23:19

歩合制で生きてる人の発言でしょう、多分。
違うかな?

世の中にはいろんな人がいます。
同じだけの収入を得ていても、税金まったく払わない人もいるしね。

公平ってないと思います(汗

Posted by: pg | 2006.07.28 at 08:53

 コメントとトラックバック、ありがとうございました。
 私のところは昨日は東京都知事選挙の投票をいたしました。結果にかかわらず、東京都では福祉軽視・切捨ての流れがやや強まっていた中で、石原さんも選挙戦の中で福祉重視の姿勢を打ち出さざる得なくなったのは、いい変化だと私は思います。
 藤原正彦さんは、「人生の目的は金儲けではないだろう」と言っているように思います。その代わりに人生を導くものは、日本では武士道ではないかとのことです。人生の目的は、他人の笑顔、ありがとうの感謝の言葉、自分の達成感などではないかと思います。
 しかし、経済の場では資本主義、市場原理主義(いわゆる金儲け主義)より優れた仕組みがないことが歴史的に証明されてしまいました。それ故に、社会ではいわゆる武士道と金儲け主義の摩擦が常に起きているのだと考えます。
 本記事「努力に報いるのは金じゃない」と関連のトラックバックとコメントを拝読いたしました。共感できる部分が多いと思います。
 金儲けの裏にはいろいろ見えない仕組みがあるものです。公正競争の概念がないときは、トラストによる価格の吊り上げ、競争相手のビジネスの妨害など日常茶飯事だったようです。これで大儲けした代表はロックフェラー一族といわれています。ビル・ゲイツ氏のマイクロソフトもこのところずっと不公正競争の疑いをかけられています。
 最近の証券取引では、インサイダーに関わる話が焦点になります。一部の人達しか知らない情報にて取引きを行い巨額の利益を得る訳です。ウォーレン・バフェット氏にもその疑いがなしではないと思います。とにかくお金のところにはお金儲けの情報が集まるのです。
 しかしながら、ロックフェラー一族もビル・ゲイツ氏もウォーレン・バフェット氏の巨額の寄付をしています。何かあったとしても、それを打ち消すに充分な話です。ライブドアの堀江貴文氏(ホリエモン)も村上ファンドの村上世彰氏もこのような寄付を少しでもしていれば、叩かれるばかりではなかったと考えますが…。
 BUBIさんの小説があるのを知りました。時間のある時に読ませていただきます。

Posted by: Kirk | 2007.04.09 at 13:07

kirkさん、こんにちは。
小説ですか^^;
私の書く小説は、ジュニア向け娯楽小説の拙作ですので、Krikさんに読んでいただくほどのものではありません。(謙遜ではなくホントのことです^^;)
まさに素人の手遊びですから~

Posted by: BUBI | 2007.04.09 at 17:54

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