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2006.08.09

ゲド戦記の不評に「物語る」ことを考える

 ジブリのアニメ映画「ゲド戦記」がかなり不評のようです・・・
 
 私は、とても、この「ゲド戦記」を楽しみにしていた一人でした。原作が「ゲド戦記」という、名作と評判の高い小説でしたし、原作がどうあれ、ジブリは「見せる」映画を作れる集団です。・・・果たせるかな、映画館で見た「予告編」はその期待を倍増させる、とっても良い出来でした。そして、挿入歌はいつまでも心に残る名曲。CD買いました^^

 とはいえ、前作、「ハウルの動く城」が、私としては今一つだったので、今回は映画の公開に先立ち、「ゲド戦記」の原作を買って予習をすることにしました。
 「ハウル~」は何が今一つだったかと言えばストーリー。ハウルの戦いが何だったか、物語のテーマがなんだったか、あまりよく分からず、物語の世界にはまりきれないまま映画が終わってしまい、消化不良のまま帰ってきたのを思い出します。 
 先日、テレビでやってたのでもう一度見たのですが、感想は同じでした。最初、動く城が霧の中から姿を現すシーンとか、おばあさんになったソフィーが、美しい湖畔で一人、景色を眺めているシーンなどはとても素敵なのですが、後半以降、動く城が崩壊しだしてからは、なんとなく話についていけなくなってしまって。気が付くと、ハウルとソフィーがラブラブになって話が終わっているという「う~ん・・・ま、めでたしめでたし?」って感じでした。
 
 「ハウル~」の物語についていけなかったのは、おそらく原作を知らないからであろうと私は考えました。アニメだけ見たのでは、だめなんだなぁと。
 なので、ゲド戦記は原作を読んだわけです。感想はこちらの記事。面白かったけど、まあ、普通^^; ただ、後で、「なるほどなぁ~」と思ったことがありました。

 もともと宮崎駿監督は、この「ゲド戦記」の原作のファンで、昔(20年ほど前)この作品を自身の手でアニメ化したいという希望をお持ちだったそうです。けれど、当時は、ゲド戦記の映像化権がアメリカにあってそれが叶わず、結果、宮崎駿監督は、ゲド戦記の影響とその要素を活かしながら、数々のオリジナルのストーリーを作った。
 なるほど、ゲド戦記の一巻を読んでいると、いろんなところでジブリの作品とイメージが重なるんですよね。ゲドが連れている動物は「これ、テトだ~」と思ったし。
 ゲド戦記を読んでいて、
「これどこかで見たような・・・」
 と思うと、それはみな、宮崎駿監督のジブリの作品でした。 
(宮崎駿監督自身も無論、それは分かってて、今回「ゲド戦記」の映画化のオファーが来た時にはそれを断ったそうです。自分が作っても、今までの作品の「焼き直し」になってしまうから、と。)
 
 で、そんなこんなのあと、宮崎駿監督ではなく、宮崎吾朗監督のアニメ映画がいよいよ公開され・・・ファンの不評を買っているとのこと。私が「ハウル~」の時に感じた、テーマが分からない、とか、戦争はどうした、とか、そういうのがまたもや・・・という感じで。映像や音楽はいいようですが、物語が伝わってこない、訳が分からない、というのが、不評の原因のようです。

 「物語」とはなんだろう。「STORY」ってなんだろう。なぜ宮崎駿監督のジブリ作品は面白かったのだろう。
 つい、考え込んでしまいます。
 
 読んでいる人、見ている人を、物語の主人公の気持ちにどう感情移入させるか。
 そうした後に、どんな冒険をさせ、葛藤をさせ、そして最後に満足させるか。
 そして、物語全体と主人公の冒険がどうリンクしていくのか。
 昔、四コママンガの書き方にもありましたが、起承転結も大事です。
 ただ、こういうのって全て理屈ではないような気がする。勉強して分かるものではなく、どうすると面白いか、って、個人の感覚、センスに負うところが大きい。
 四コママンガではなく長編ならば、ストーリー立てはもっと大事です。錯綜する全ての物語について、最後に収斂させ、オチをつけ、謎を解き、かつ余韻を残す・・・
 難しいのですが、これが出来なければ、プロとして人に物語を語る資格がない。
 
 物語を作り出すのって大変ですね。
 上記で「プロとして」と書いたのは、自分でも小説とか書いてるせいで。
 自分の書く物語は、ちゃんと、読者に満足してもらえる出来になっているのだろうか・・・プロじゃない、という部分で許してもらってる部分が多いのですが、志としては、やっぱり、そういう物語を目指したい^^;
 
 ジブリには、もし吾朗監督が経験も浅いなら、スタッフでそういうことが分かる人はいそうなんですけど・・・どうしてこういうことになっちゃったのかなぁ。
 アニメの「ゲド戦記」がこれほどまでに不評を買ってしまう出来になってしまったことにはとても心が痛みます。今までのジブリの功績が大きかっただけに。もうジブリにできないなら、一体、他の誰が、ワクワクしたり感動したりするアニメ映画を作ることができるのだろうと・・・。また見たいなぁ・・・

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