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2006.08.10

筋を通す、ということ。

 世の中にはプライドや面子を重んじる人がいる。
 相手の失敗で、自分に仕事が振ってきた時に、それをやる前に、相手に謝らせなければいけないと思っている人がいる。

 うーん。
 もちろん失敗は反省しなければならないし、二度とそういうことがないようにしないといけないのだが、謝罪の文書にダメだしをしている時間があるのなら、失敗をフォローすべく動くべきではないのだろうか?
 人間誰でも失敗はする。
 私などは、自分がいつ失敗する側にまわるか分からないから、失敗してしまう側には寛容でいたいといつも思う。特に相手も反省しているのであれば。
 失敗したときは、いつまでもそれを悔いていても始まらない。いかにリカバリーするか、が大事だと常々考えている。

 しかし、これはどうも真理ではないらしい・・・

 自分の課の面子など考えたこともない私は、怒っている人を目の前にしてちょっと考えた。
 仕事をうまく回すことだけを考えて手抜きをすれば、客に迷惑がかかる。だから手抜きは絶対にいけない。でも、そうではなくて、面子をつぶされたことだけに怒って、筋を通せ、失敗を謝れ、ってのはどうなんだろう? 極端な話、謝ったからって失敗はなかったことにならない。失敗したという結果は何も変わらない。

 プライドを持つことは大事だ。
 けれど、プライドの高すぎる人といっしょに仕事をするのはつらい。そういう人は周りの人への思いやりがないからだ。いつも立ててあげなくてはならない。
 お願いしなければ仕事をしてくれない。自分から情報を仕入れようとしない。他の人がいくら大変でもお願いされなければ、手伝わないし、声もかけない。 
 面倒だなぁと正直思ってしまう。この人はあと何年この職場にいるのだろうか。ここの部署を変わっても、いつかまた同じ仕事になったら、またこんな思いをするんだろうか。
 
 明日は相手が謝りに来てくれるという。私はもう、リカバリーの準備をしている。ただでさえ忙しいのに、筋を通すためのセレモニーだ。一人の、怒っている人間の面子のために。

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Comments

お仕事で、
お客様に謝罪をするオペレーターの意見ですが、
たぶん、
その人は、そうしてもらわなければ、
「気が済まない」んでしょうね。
そして、自分が気のすむようにできるだけの、
立場にいるから、厄介なんでしょう…。

業務上のクレームでは、
「今度同じ失敗をしないように、
これこれこういう策を講じました」
っていう対応よりも、
とりあえず偉い人が、
「ごめんなさい」ってして、
「俺は偉い奴に謝罪してもらった!」
っていう対応の方が、
お客様は気が済むみたいなんです。

まあ、この場合、
怒ってるのはお客様で、
失敗をしたのはサービス提供者ですから、
お客様の気のすむようにしてあげるのが、
私たちの義務です。

んが、普通の会社組織の中でも、
そういう事はまかり通ってますよね。
怒ってる人の気が済むかどうかなんて、
お仕事の場では関係ない事ですよね。
責任を取らされたり、
面目を潰されたりして、
何くそって感じなんでしょうけど、
でも、それがアナタのお仕事でしょう?
と思います。

まあ、裏を返せば、
失敗ごときでつぶれちゃうような面目なんて、
大した事はないと思います。
本当にプライドを持ってやって来た人は、
失敗なんて挽回できる、
と思えるだけの自信を持っているでしょうから、
誰かの失敗をかぶる事くらい、
なんのその、という態度でいられると思うんですよね。

まあ、それが取り返しのつかない失敗だったら、
そうはいってられないかもしれないけど。
リカバリーできる失敗なら、
「大丈夫だ、
フォローは任せたまえ」
くらい言って欲しいですね。

Posted by: あきら | 2006.08.10 23:10

社外でなくて、社内同士の話なのですか?社外だと会社の面子というか、今後のためにも「謝罪を入れる」と言うのは形として必要な事だよなあと思います。はは、私が面子に拘るタイプだから・・・。相手の誠意だとか、謝罪の気持ちがないと、前に進めないんですよねえ。私の場合は社内だけど。一言言ってやらないと次の仕事はしないよってなります。
私の会社を見てみると、社内で「●●さんが怒っているから謝りにいかないと」と言うのはないですねえ。怒っている人はほっておかれるかな。仕事が前に進まないので。基本的におぼっちゃん会社なので、そんな体質なんでしょうね。責任の所在も明確ではないし。ミスは自己啓発でカバーという感じです。
その怒っている人になんか言ってやりたくなりますねえ。って私だけ?タイプにあわせてグサリと。

Posted by: ぐーたん | 2006.08.11 09:10

あきらちゃん、ぐーたんさん、コメントありがとうございます。

状況説明もなしにモノローグみたいな記事になっちゃってごめんなさいね。

今回の件は社内の話です。
社内といってもいろいろあって、私のところは管理部門なのですが、いろいろ、普通の会社でいうなら「営業」の部分との軋轢がいろいろあって。

経理や総務は、いわゆる縁の下の力持ちで、現場をフォローする立場だと思うのですけど、意外とそれを「迷惑をかけられた」と思う人もいるんですよね。

いや、私も
「お前なんか、現場のことをろくに知りもしないのだから黙って金勘定だけしてればいいんだ」
とか言われたらさすがにカチンとはきますが、基本的にはお互いに車の両輪として、お互いをフォローしながら、全体としてうまくやってけばいい話なのではないかなぁと。

あきらちゃんとこみたいに、相手がお客様であったなら、謝らないといけないですね。
お客様にとっては「会社がうまくいくこと」なんて「お前んとこの都合だろ」ってことですしねー。

私は昔、自分のエッセイがある商業誌に掲載されたときに、名前の漢字が違っていたので、出版社に電話したことがあるんですよ。
「名前、違います」って。
そしたら、
「もう発行されちゃってますから、直せませんね」
とか言われました。
いや、直せないのは分かってるんですけど、
一言「すみませんでした」って言って欲しかったなぁ・・・

Posted by: BUBI | 2006.08.11 10:02

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