映画「鉄コン筋クリート」
松本大洋氏原作のコミック「鉄コン筋クリート」(以下「鉄コン」)。
原作を読んだのは多分7~8年前です。それもマンガ喫茶で一度しか読んでなかったので、どんな話だかすっかり忘れちゃってたんですけど、とても感動したのを覚えていて、今回の映画化には「ぜひ見に行きたい」と思っていました。
ところが、1月3日、水曜日のレディースデーに映画館に行ったら「鉄コン」は満席。元々近所のシネコンでは客席数が少ない映画館を割り当てられてた上に、一日に上映する回数が少ないせいでもあったのですが、ちょっとびっくりでした。
結局その日に見たのは「エラゴン」。つまらなくはなかったけど、「ロード・オブ・ザ・リングみたい・・・」ってどうしても思っちゃって。竜が、生まれたと思ったらすぐ大きくなっちゃうので、ドラゴンマスターとの強い絆に、思い入れが湧かなくて今一つでした。竜の戦闘シーンは日本の「ゴジラVSキングギドラ」の方がすごいかも~(こらこら)。
「鉄コン」の話に戻ります。
で、「じゃーそのうちに・・・」と思っている間に、今週の金曜日で上映が終わってしまうというのを発見しまして、昨日、急いで見に行きました。
・・・原作を知らない人には、どうだろう。
松本大洋の創るストーリーってちょっと独特な感じがあるからな~。彼のストーリーの中での「お約束」に、ついていけないと見ているのがつらくなる映画かもしれません。
でも、私は好きです。
元々ミーハーな私は、おそらく、松本大洋に惚れ込むコアなファンとは違い、どっちかというとあまりディテールにこだわってはいなくて、彼が伝えようとする「テーマ」そのものに強く惹かれます。まあ、もちろん「テーマ」をリアリティを持って観ている人間に伝えるためには、しっかりした世界観が背景にあることが必要不可欠なんですが^^
その点、やはり松本大洋はすごい人だし、その原作に惚れこんで、言葉の壁がありながら、どうしてもこの映画を作りたかったマイケル・アリアス監督って、偉い人だ、と思ってしまいます。やっぱ人を感動させるには、誰になんと言われようとも、「俺はこういう映画を作りたいんだ」という強い意志やこだわりがないとだめですわ。・・・いや、あり過ぎて失敗している作品もあるので「バランス」なんでしょうけどね^^;
この後は、かなり個人的な、私が「鉄コン」を好きなわけ、になります。
映画を見終わって、映画館を出た後、とても心が洗われた気持ちになりました。私は・・・私の好きな人とこの映画の「クロ」と「シロ」のような関係でありたい。どっちがクロで、どっちがシロかって考えてみれば、どう考えても私が「クロ」なんですけどもね。つまり、結局のところ守られているのは、私の方なんだよなぁ。
なんかね。
大人になると、いろいろと面倒くさいことがいっぱいあります。クロとシロのように、いっしょにいるのが当たり前で、お前の相棒は俺で、俺の相棒はお前だって、なんで素直にそうならないんでしょうねー。本当はいっしょにいたいのに、相手にとって自分が「迷惑なんじゃないか」とか「負担なんじゃないか」とか考えちゃって。映画を観た後には「そんなのどうでもいいじゃん」と思えましたよ(笑)。
今まで「好き」とか「愛してる」とかは言ったことがあったけど、相手に「あなたの存在が私に必要だ」と言ったことはなかった気がします。・・・おっと、考えてみれば言われたことはあった(爆)。そのときは、ただ嬉しかっただけで、本当は逆なことには全然気が付いてませんでしたな。
つまり、人と人との結びつき、というもの。
世界が変わっても無垢でいられる「シロ」の存在を、どんなに自分が必要としているかに改めて映画を観ていて気付かされてしまった気がしました。
・・・え? 映画に影響され過ぎですか^^ まあ、いいじゃないですか、たまには。ああ、いつもか。でもせっかくだから言わせて下さい。
「あなたは、私に必要です」
『そんなの分かってるよ』って言って欲しいんですが。言ってくれないだろうなー。ちぇっ(爆)
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