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2007.02.16

男性も結婚したくないらしい!?

 「ウシジマくん」の記事などを書いていて、男性側の視点に興味を持つ今日このごろです。

 ネットでこんな記事を見つけました。
ニートは国を滅ぼすか? インタビュー「37歳が危ない」(「下流社会」著者:三浦展(あつし)×聞き手:『正論』喜田由浩)

 この中で、この三浦展という人がこんなことを言っています。

【引用開始】

-- (下流には)結婚や子供を持つことにも意欲が低い人が多いですね。

(三浦) 収入が低く、正社員でもないので、そもそも結婚はできない、(相手に)選んでもらえないという意識もあるでしょう。その一方で、「結婚しない方がラク」という人も増えています。現在の30歳代はまだ、「結婚はしなければならないものだ」という意識が強い。
 だから結婚していないと、「できていない」という意識が強いのですが、20歳代になると、そうじゃないかもしれない。結婚は別にしなくてもいいという考え方が増えているようです。結婚するといろいろ面倒くさいことも出てくる。家族への責任もある。それよりも一人で「萌え!」と叫んでいた方がラクなんです(笑い)。ただし、結婚については男女で意識差があり、男性ほど「結婚しなくてもいい」という意識が強まっているという説もある。女性はいまでも結婚したい人が多い。高収入で、いい仕事についている男性と結婚して、自分もいい生活をしたいと思っている。でもそうした“いい条件”の男性(結婚相手)は当然、限られています。ましてや「結婚しなくてもいい」という男性が増えているのですから、条件は厳しい。多くの女性は、そうした男性側の意識の変化に、ついていくことができていないらしい。

【引用終わり】

 「下流」とはなんぞや、という話は、リンク元を参照いただくとして。この文章の最後の部分に、ちょっとひっかかりを感じました。いや実は、昨年出席した地域のお見合いパーティみたいなところでも同じような話があったんですよね。つまり「結婚したいと思っている女性がいい条件の男を求め過ぎる」みたいな。
 う~む。

【男性側の意識の変化についていくことができていないらしい】

 「男性側の意識の変化」・・・つまり、こういうことですか。

【今は「結婚しなくてもいい」という男が増えているのだから、結婚したいと思っている女性にとって、好条件の相手は数が限られている。なのに、好条件にこだわるから相手がいないんだ】

 ふむふむふむ。なるほどねぇ。
 女性にとって好条件(まあ仮に高学歴、高収入としますか)の男性がいても、そういう男性の中にも「結婚しなくてもいい」という考え方が出てきているから、結婚を望む男性の母数自体が減っている。
 だから結婚したいなら、条件にこだわっていては結婚できない、と。

 にゃるほど。うん、そうかもしれないですねえ。
 確かにそのとおりなのですが、だからといってこの事実が「だから結婚したいなら条件にこだわるな」ということにはならない。
 女性側としては、「男性側の意識についていってない」なんて言われれば、「そんなのついていく必要なし。だったら結婚なんかしてもらわなくていいわよ、ふん」となります^^; 

 男性、女性に限らず、やはりメリットが感じられなければ結婚しようとは思いません。メリットというのは当然、金銭面に限られる話ではなく、パートナーを持ち、家庭を持ち、子供を持つという生き方を幸せだと思えるかどうか、です。これを「メリット」だと思えなければ、誰も、結婚しようとは思わない。男性も女性もね。

 私は男性ではないので想像することしかできませんが、どちらかというと、女性より男性の方がこういうことにメリットを感じられなくなっているんじゃないかなぁと、思います。

 で、男性が結婚する気がないなら、女性も「じゃあいいわ」ってことになりますわ。
 だって、無理に結婚してもらって、家事にも子育てにも協力してもらえない上に、「俺はホントは結婚したくなかったんだ」とか「誰に喰わせてもらってるんだ」なんて言われるのは割に合わないし^^;

 男性も「別に無理して嫁さんもらわなくてもいい」
 女性も「別に無理して結婚してもらわなくてもいい」

 これじゃ、非婚率上がるよなぁ・・・

 前から思っているのですが、昔は当たり前だと思われていたこと・・・柳沢大臣の発言じゃないけどそれが「健全」だと思われていたことが、そうじゃなくなっているのが、まぎれもない現実です。健全VS不健全の議論になると「いい、悪い」の議論になって話がややこしくなるのですが、どっちがいい悪いじゃなくて、現実が「結婚しない」方に流れてるのが、事実なんですな。男女両方にとって。

 それならば、どうするか、ですよ。

 「結婚しない」方への流れを「結婚する」方へ引き戻せるかどうか。

 「高望みするのが悪い」なんて話でことが片づくならカンタンですが、そもそも「結婚しようと思わない」男性が増えてるなら、それをどうするかが出発点なんじゃないかって気がします。 男性が結婚を望むなら、女性もそれに引っ張られる気がするんですよね。

 「押しかけ女房」なんて言葉も最近は死語なんでしょうが、女性だけががんばるっても限界があります。「結婚したくない」男性の家に無理矢理行って、住んじゃって、子供作っちゃって、「だまされた」だの「結婚したくなかった」だの「酒だ、酒だ、酒もってこい」だの、果ては暴力なんて振るわれた日には・・・
 もうそんな時代には絶対戻れないし、戻りたくないもん。

 あはは、ちょっと最後は極端な例になりましたが。
 
 無論、「結婚しない」のと「結婚する」のとどちらがいいか、私の立場では、後者がベストとは言いづらいのですが、30代の私の中では、やはり「結婚して家庭を持つ」ということにまだ憧れがあって、「少子化?それならそれでいいじゃない」というほどは「結婚? そんなのしなくたっていいじゃないの」と言い切る自信はないのですよね。
 同じ世代の友人を見ていても結婚したいと思っている女性は多い。ならば。もうちょっと男性にもがんばって欲しいんだよなぁ~
 
 まあでも、男性には男性の言い分がやはりあるんでしょう。結婚したって義務や責任が増えるばかり。それなら別に結婚しなくていいや。そう思う気持ちも分かってしまうだけに^^;
 どうするのがいいんだろうな~。この問題は難しいですね。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

こんにちは!なるほどなあと思って読みました。
「メリット感」は男性の方に無くなっている。確かにそうのように感じます。女性は「子どもを産む」と言うのがあって、結婚しなければ女性特有の経験をすることができないので、それだけでも「結婚をまずはしてみたい」と言うのがあったり(今は妊娠がいやというのもあるみたいですが)。男性には特別、結婚をしたからと言って、何か他にできることが増えるわけではなく、反対に減る一方なのかなと。弟を見ていても、何も「結婚」しなくても不都合はないよなあと思ってしまいますので。家族が出来る分、実家との軋轢ができたり、嫁との諍いもあったりするわけで。

先日、スキー部の人の話していて「なぜ結婚したのか」と言う話題になり、ある人が「この人と人生を歩むのが楽しそうだったから」と言ったのですね。なるほどと思いました。これが、男性にとってメリットになるんじゃないかなと。女性は「してもらう」ということばかりを気にする。プレゼントをしてもらう、どこかに連れてってもらうなど。家事は「してあげる」なんですけど、「人生を楽しむ」には「してもら」って当然というのでしょうか。何も物とか事とかじゃないと思うんですね。美味しいものを食べて一緒に笑えるとか・・・。とても単純なことなんだと思うんです。言ってしまえば、価値観の合う相手を見つけることが難しく、いたと思っても「してもらって当然」としている女性が多いのかなって。今の男性は家事が出来る人も多いので、他の要素で女性から何かを得られないと結婚したいと思わないのかもしれないですね。

Posted by: ぐーたん | 2007.02.16 14:54

 ぐーたんさん、コメントどもです。
 まあ、今の世の中って、基本的には何でも一人でできる時代ですからね~ 二人じゃなきゃできないのは「子供を作る」ことだけだったりします。結婚したからって子供ができるとは限らないし。

「俺は料理できないから、料理作ってくれる嫁さんが欲しい」という男性は総スカンを食う時代。男が炊事もできる、掃除もできる、買いものもいける・・・それならば男にとって結婚ってメリットあんのか?という話ですわ。
 でも「だったら女性が男性にメリットを与えられるようがんばるべき」ってことになるのかなぁ?
 それも何か違う気がする。

 多分、メリットがあろうとなかろうと、女性でも男性でも、パートナーを「『好き』でいっしょにいたい」ということしか結婚の動機ってないんでしょう。
 
 損得や打算なしで、純粋に好き、だなんて精神論になってしまいますが、社会的な動機付けがないなら、もうそれしか残らないわけで^^;
 う~む。自分もしてないからえらそうなことは言えないですが、結婚しない人はこれからもどんどん増えそうだなぁ~

Posted by: BUBI | 2007.02.16 16:40

男性にメリットがない。
女性にメリットがない。
だから結婚しないし、子どもも別段欲しくない。

こういう風に考える人が多くなっているのなら、ちょっとやそっとのことでは少子化はさけられませんねぇ。正直言って。

その辺りまで、政府の役人さんたちは考えてるんでしょうか?
女性が一人頭で産める人数数えるまえに、根本的なことから考えないとだめでしょうね。

生まれる→子ども→大人→恋愛(または見合い)→結婚→子どもができる→子育て→子どもが結婚して、その子たちに面倒見て貰う→お別れ

この流れが、特別に「損得勘定なく(というか惰性で?)流れてた」昔には、メリットなんて話はなかったかもしれませんね。
いつからこうなったんでしょう?

Posted by: pg | 2007.02.17 00:34

どの文章にも納得させられてしまいました。ぐーたんさんのところにも書いたのですが、今、「負け犬の遠吠え」を読んでいるので。。。

確かに女性だけでなく、男性における結婚へのメリット感は減っちゃったんでしょうね。いまや一人でも困らないから、孤独感も減っているわけで。。。

独身を否定するわけじゃないのですが、結婚や出産はそれ以上に自分が成長できる場だとおもうんですが、それは目に見えないメリットよりも、目に見えるデメリットのほうが、フューチャーされていて、逆に避けたいともおもわれちゃうんでしょうかね?

結局、いきつくさきは「好き」とか「一緒に過ごしたい」という精神論でしか解決できないので、くさくない恋愛ドラマとかで、結婚したい気持ちを国民に呼び起こさせるしかないのかしら?(陳腐な発案しかできなくてすいません)。

Posted by: ちゃい | 2007.02.17 01:39

どうもこんにちは。都筑てんがです。

 「働けど働けど我が暮らし…」な人が700万世帯あるとかいう状態で、結婚だ出産だ…は無理なんじゃないかと思う自分がいたり。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E6%AE%8B%E6%A5%AD

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%97%E3%82%A2

 …。
 ……。
 ………。

 あと、仕事を辞めさせられたら、子育てどころかマトモに生活する事すら出来なくなってしまうのに、

「結婚したら会社を辞めてもらう」
「妊娠・出産したら会社を辞めてもらう」

 とかいう「女性は家で子育てに専念しろ節」を唱える会社がいっこうに減らないため、「会社 or ナッシング」な状態になってしまっているのも原因じゃないかなぁ…と。

 …。
 ……。
 ………。

 「女性がなかなか生んでくれない」とか「一人頭で頑張ってもらうしかない」なんて言葉は、「サービス残業」「ワーキングプア」「「会社 or ナッシング」な現実をなんとかしてから言ってくれ…と、柳沢さんに小一時間問い詰めたい今日この頃。

Posted by: 都筑てんが | 2007.02.17 08:59

最近では、「三低」らしいですねぇ…。

http://allabout.co.jp/relationship/love/closeup/CU20040515A/

「三低」とは、低姿勢【レディーファースト】・低リスク【リスクの低い安定した職業(公務員、資格保持者など)】・低依存【束縛しない、お互いの生活を尊重】の男性のことです。
*ちなみに、「三高」男とは高学歴、高収入、高身長の男性のこと。

 …。
 ……。
 ………。

「低姿勢」と「低依存」はともかくとして、「低リスク」は実現できそうにない、28歳無職ほっぺたフェチ。

orz

Posted by: 都筑てんが | 2007.02.17 09:46

どもども~♪コメントありがとうございます。

>pgさん
メリット、デメリットで考えると、
「なんだかなぁ~」
という感じですが、要は何事にも「モチベーション」=「動機付け」が必要だということですわね。
動機がなければ、行動は起らない。
当たり前っちゃ当たり前で^^;
「結婚」というものへのモチベーションがどうにも見つけにくくなっている。

「モチベーション」なんかなくたって、子供が大人になれば結婚するのが当たり前だった時代の役人や大臣が「少子化」について語っても見当はずれになるばかりです。困ったもんだ。

でも当事者である、私ら世代が必死に考えても、答えが見つからないんだから、一朝一夕には解決できない難しい問題なんだろうなー。

>ちゃいさん

女性は、意外と「結婚したいなぁ~」という思いってあるんだと思うのですよね。
この記事を書いていて、男性が「結婚しなくてもいい」と考え出した時に、非婚化はもう止められなくなっちゃったんじゃないかと。
女性にはドラマも効果的ですが・・・男性には何が一番効果的でしょうね~

 おそらく、かつて、男性を結婚に向かわせるものの一番大きな要因は「結婚しなきゃ1人前じゃない」っていう社会的な動機付けだったのではないかと。今は多分、それがない。職場の独身男性を見ててもそう思います。
 男性がそう思ってしまったら、女性にはもうどうしようもない気が^^;

>てんがさん

コメントどうもです^^
確かに、格差で生活が苦しいのに子育ても何もあったもんじゃない、っていうのはありますね。
ただ・・・これはテレビで誰かが言ってたんですが、貧しいから子供ができない、豊かなら子沢山ってわけでもない。
私の職場の男性も、定職がありながら独身の男性が多いですし。

男性も、結婚して妻や子を持って生活するよりも、趣味や仕事やいろんなことに、誰にも束縛されることなく自由に生きていられた方がいいんだろうな、という気が致します。

「男性も」と書きましたが、もちろん女性も。
女性というか、つまり、私が、です^^;

誰にも束縛されない自由な暮らし。これってやっぱ一度味をしめてしまうと手放すのには躊躇しちゃいます。

そう考えてくると「三低」って面白いですね。

低依存で、お互い自由で、だけどパートナーになって子供も持つ。

そんな夢のような生活ができる時代って来るんだろうか?
まだSFですわねぇ。

Posted by: BUBI | 2007.02.17 22:00

結婚しないのは、人間不信が根底にあるからじゃないでしょうか?

Posted by: かずさの助 | 2010.08.23 21:51

かずさの助さん、いらっしゃいませ。

ふむ・・・「人間不信」ですか。
たとえば同性でも異性でも、信頼できる友人を持つ人も減っているのかな。

私自身は同性の友人が多くて、異性との付き合いが圧倒的に不足しているので「男性」というだけで何か理不尽なことを要求する存在のように思ったりするのですが、それは単に男性不信・・・(汗)

Posted by: BUBI | 2010.08.23 22:06

>異性との付き合いが圧倒的に不足しているので「男性」というだけで何か理不尽なことを要求する存在のように思ったりするのですが

わかります。私も同じです。

Posted by: かずさの助 | 2010.08.24 11:29

難しいですね。一つの側面を考えてみました・・・

女が男の経済力に依存するのが当然だった時代が長く続いていたのですが、「戦後強くなったのは女と靴下」という言葉があったように、60年ほど前から女の地位向上が始まりました。

僕の時代はまだまだ不十分でしたが、今ではかなり進行しました。法的な担保は男女雇用機会均等法、1972年の施行ですが、浸透したのはバブルの頃からではないかと・・・。それで経済力云々のことが薄れたのは間違いないでしょう。すると動機づけは、好きな異性と一緒に暮らしたいという精神的なものがメインになります。

一度変わった社会的な意識は簡単には戻りません。そこへ長期不況がやってきて、男女とも経済力が落ちました。結婚すれば普通は子供が生まれ(逆の順序も珍しくないけど)、高学歴化もあって養育費は昔以上、その負担に耐えられないと思うことが、「結婚しない」理由に加わったように思います。


とはいえ、合コンの大流行を見ると、結婚願望が根強いことを思わせますね。女性には出産願望もあるようで、二つとも、ホモサピエンスとしては極めて自然だと思います。

Posted by: 春海 | 2010.09.08 13:04

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