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2007.03.01

映画「墨攻」~戦いとは?~

 映画「墨攻」を見てきました。
 「10万の敵にたった一人で挑む」・・・戦術の天才、墨者の革離が、今まさに大国に攻め滅ぼされようとしている国を救う話・・・それだけなら、ヒロイックファンタジー、エンターテイメント超大作でいいのですが、映画の後半は、そういう「戦い」そのものの空しさを感じてしまう物語でした。

 詳細はリンク先(上の「墨攻」をクリックすると公式サイトにとべます)をご覧いただくとしまして。
 ラストまで見終わった後、「人はなぜ戦うのか」なんてことを考えてしまいました。
 
 戦って他国を征服することが、当時の武人達の「生きる目的」だったんですわね。現代の日本に住む我々にとってはナンセンスに思えますが、我々の三世代前は日本もそうだったし。

 人という生き物は、他の生き物にない特質が一つあります。
 それは「脳」という器官によって与えられた「環境を変える力」を持った動物であること。
 
 映画「黒馬物語」のレビューにもちょっと書きましたが、人間以外の生命は、大抵、与えられた環境の中で一生懸命生きるものですが、人間だけは違って、自分は変わらず、自分の周りを変える力を持っている。
 
 どう変えるかという元になるものが「思い出」であったり「夢」であったり「信念」であったり、つまり脳が創り出すイメージによって左右されていくわけです。

 おそらくは・・・
 「人間」というもの、そのものが、「周りを自分の意志(脳の働き)に合わせて変える」ことを命題にした動物なのじゃないかと。仮説ですが。
 環境に順応するんじゃなくて。「変えてやれ」という意志を持つべく宿命づけられている。

 だから戦いも起きる。脳の創り出すイメージに合わせ、国や海や大地や地球を変えていくように、自分以外の人間に対しても自分の思うように「変えたい」。

 「信念」なんていうと高尚なもののようだし「信念」のない人間はダメ人間みたいに言われますが、たかがその一人の人間だけの「思いこみ」に過ぎません。正義も悪もなく、人の脳が創り出す「イメージ」が人の数だけあって、それがぶつかり合い、戦いを生み出す。みんな「自分が正しい」と思っているんだから戦いになるに決まってます。

 植物や他の動物のように、環境に順応して、ただそこで充足して生きていくことが、人間にとっては「愚かなこと」だと判断されてしまうのは、おそらく、そもそも人間が「変える」生き物だからでしょう。

 だとしたら「戦い」はヒトに宿命づけられているのか・・・

 うーん・・・でも・・・私個人は、戦うことも人を支配することもあまり望まないです。地球という限られた環境の中で、あらゆる生き物や人と共存すること。それを望むことが愚かだとは思わない。
 
 そう考える人間は世界中に確実に増えてきているんだと思います。この100年くらいの間に(まだ中東では信念による戦いは続いていますが)。それは人の進化なのだろうか? それとも退化なんだろうか? その結果、人類はどうなるんだろう?
 
 国は滅び、その国を滅ぼした国も他の国に滅ぼされる。では一体その戦いの意味はなんだったのか。そう思った「墨攻」のラストから、いろいろ考えてしまったこと、でした。

【和漢箋服用後の推移】
 金曜日 0      12498歩
 土曜日 -1.0キロ  2047歩
 日曜日 -1.0キロ  3783歩
 月曜日 -1.2キロ 10206歩 
 火曜日 -0.4キロ 12405歩 
 水曜日 +0.2キロ 10022歩
 木曜日 +0.4キロ
 ※数字は前日比ではなく、金曜日を0とした場合の増減
 ※体重は相変わらずですが、記録は付けてないものの、体脂肪率は確かにちょっと落ちているかも?

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Comments

たまにテレビで動物の生態を追う番組とかを見てると、南極のペンギンも北極の白熊も熱帯の鳥も、みんな苛酷な環境の中、いかに良い伴侶を見つけるか、いかに子供を育てるか、それだけの為に必死に生きてるんだなぁって、なんだか頭が下がる気持ちになる時があります。

反面、「人間がいなかったらこの宇宙も虚しいだけに過ぎない」ていう言葉も好きなんですが。

中国史に限らず歴史を学ぶと昔から戦争戦争の繰り返し・・・歴史から何も学んでない?と思う反面、『人権』っていうことに関しては、すこーーしづつだけど進化しているような気もします。

これからも人間は平和共存に向けて進化していくって思いたいですね。

Posted by: Rucca | 2007.03.02 10:55

 考えてみれば・・・「他国を征服して自分の国の領土とし、多くの人民を使役することが善」であった時代が人間の歴史のほとんどを占めているわけで。
 この100年くらいでやっと人間同士による領土の奪い合いに決着がついたんですよね。

 墨攻の時代から、なんて長くかかったことか・・・
 
 逆に言えば、やっぱりそれって「核兵器」が発明されて使用されたことによって、
「これ以上戦うと人類そのものが滅ぶ」
 ことがはっきりしたから、人類は戦うのをやめたのかな。
 
 そうだとしても、結果的に、人類同士で戦いをやめたことが、私たちの「進化」ならばいいなぁと思います。

 あと200年先くらいに人類がどうなっているか、見られたらいいのにな。

Posted by: BUBI | 2007.03.02 16:00

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