キース・アニアンのこと
4月から竹宮恵子原作の「地球(テラ)へ…」のアニメを見ております。
現在、お話は、主人公達の敵役、「キース・アニアン」側の話になっています。以下、ネタバレもございますので、アニメを楽しみにされている方はご注意を。
「地球(テラ)へ…」は、我々と同じ旧人類と、超能力を持つ新人類「ミュウ」との戦いの物語。キースは旧人類側のキャラクターなのですが、我々とはかなり生まれ方が違っています。
キースは、14才の誕生日まで人工的に育てられました。ガラスケースの中に入って、人口羊水の中で。必要な知識はコンピュータにより与えられているため、14才になって初めて世界に出ても、普通の人間と同じように生活はできました。
アニメの「地球(テラ)へ…」の中では、そんなキースは「人の心が分からない」「コンピュータの申し子」みたいな言われ方をしております。
でも・・・機械に育てられたから人の心が分からない…かというと。
私にはそんなことはないように思えます。
そう考えた方が単純ではありますけどね。
私は原作のコミックで、キースのことはよく知っていますが、彼は、とても人間らしい人間でした。ただ、普通の人間と違うところがあるとしたら、個人的な感情を押し殺し、人類全体のために何が最も良いのかを、正しく判断できる「優れた人間」であるところ。だからこそ彼は最後まで、ミュウの存在からも、自分の役割からも逃げずに立ち向かいました。
「地球(テラ)へ…」という作品と初めて出会った頃は子供だったのですが、大人になった今、こうしてアニメを見ながら振り返ると、なんとなく今の自分の視点はキースの方に近いんですよね。
人間は、感情のままに生きるとダメになる。だから感情を抑え、冷静に物事を判断し、最終的にベストな選択をすること。そんなふうに生きられれば、いいだろうなぁと、ちょっと思ったりするんですよ。
感情は抑えるけど、感情を知らないわけじゃない。
キースだっていろいろ物を思います。親友であるサムへの思い。そして、ミュウを排斥しながら、遺伝子段階でミュウの素因を排除しないコンピュータに対して、疑問を持ち続け・・・多分誰よりも早く、この戦いで最終的に勝利するのはミュウであることに気が付いていました。
それでも・・・自分は人類の代表として戦わなければならないんだ、と。負けると分かっていても。
そういう覚悟ができるキースを、カッコイイなぁと思うわけです^^
そんなふうにキース・アニアンに憧れている私は、以前、友達に、
「意外に冷たいところがあるよね」
と言われたことがあります。よく見ているなぁというか、やっぱ分かる人には分かるんだ、というか^^; なんとなく、人は人、自分は自分って割り切っちゃうところがあるんですよね。
キースは、先日のアニメで、親しくしていた同僚の女性が、エリートコースからはずれて、結婚するということを聞いた時に、親友のサムに
「お前もなんか(彼女に)言ってやれよ」
と言われた時に
「何を言えばいいんだ?」
とか言って、
「お前、それはないんじゃないのか?」
とサムに責められておりました。でも、そのシーンを見ていて、きっと私もキースと同じだろうなぁと。結局、どう生きるかを選ぶのは本人にしかできないんだし。
なぁんていうと。やっぱり友達には「冷たい」って言われるかな。
【和漢箋服用は中断中の13週間目】※和漢箋使用開始時を0とする
5月21日 -2.0キロ 9680歩
5月22日 -1.4キロ 11072歩
5月23日 -1.2キロ
※体調がよくなったので歩いていますが、食欲の方も戻ってしまいました。せっかく減ったのにな~
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Comments
人にはそれぞれの目線があり、必ずしもキースが冷たいとは言えないですよね。
そのポジションに望むと望まざると上り詰めねばならぬ立場と言うのは、やはりどこか悲しげでもあります。
私は「人は人、自分は自分」と言う考え方が即「冷徹な人間」にはつながらないと思ってます。
そう割り切ることは、ある意味で自分を傷つけないための防衛本能であると同時に、相手に対する思いやりでもあるからです。少々断定的であり、話すと長くなりそうなのではしょりますが、相手に対して冷徹であるなら「人は人」とすら思わないからです。本当に冷徹な人は「人」のことすら脳裏をよぎらないですから(^^;
Posted by: ちはる | 2007.05.23 23:43
ちはるさん、コメントありがとうございます♪
人は人、自分は自分、と割り切ることは
「自分を傷つけないための防衛本能であると同時に、相手に対する思いやりでもある」
か・・・
ふむ。なかなか深いですね・・
Posted by: BUBI | 2007.05.24 14:05
私も先日、原作を読み終わったところです。
子供の頃に映画を見ただけだったので、
ストーリーはほとんど飛んでいました。
そんな私には、
ミュウを迫害する人間のリーダーとしてのキースは、
悪役に映ってたんですよね〜。
だから、原作を読んで考えを改めました。
それでも、私は、
キースにはミュウを受け入れてほしかったです。
原作を読んで、
キースが「悪役」ではないと分かったので、
なおさら、ジョミーの言う事を理解してほしかったですね。
だって、ジョミーは、ミュウたちは、
地球が無理ならほかの星でもかまわないから
存在を認めてほしい、
って言うんですよ。
本当は地球へ行きたいのに。
そうなりたくてミュウに生まれた訳じゃないのに。
この譲歩に、キースももっと優しい答えを出してほしかった、
ってそう思います。
そして、ジョミーが言いますね。
自分を受け入れるにしても、拒絶してもいいけど、
機械じゃなくて、自分の(キースの)結論を聞かせてほしい。
現実の人間社会もそうです。
会社でのポジションとか、人の目を気にして、
「どうすべきか」でしか行動できない人。
キースはその典型だって思います。
もちろん、それは正しい行動です。
何も間違ってません。
でもね、私はそんなキースよりも、
自分の気持ちに正直に生きたジョミーが好きです。
Posted by: あきら | 2007.05.27 11:12
あきらちゃん、いらっしゃいませ。
あら、ラストまで原作を読んでもそう思いますか^^
これは私の解釈ですが、キースはとっくの昔に、ミュウを受け入れていたと思います。
マツカを信頼し、そばにおいていたようにね。
(ま、キースは、あえて厳しくマツカに接しているのでそうは見えませんが)
それでもキースが・・・というか人間とミュウが戦わねばならなかったのは、グランドマザーを筆頭とする、コンピュータのシステムが、そう作られていたからです。
ミュウと人間が戦うように、ね。
元々、ミュウは本来別に「地球」になんかこだわることなく、人類と決別して生きていけば何の問題もないはずでした。
そうできないのは、人類の中に誕生するミュウを見捨てるわけにはいかないから。
つまり、、
「人類の中にミュウが生まれたら抹殺しちゃうもんね。そう決まってるもんね。悔しかったら地球にいらっしゃい。戦って地球を勝ちとりなさい」
そう、コンピュータが・・・というか、そもそも、そのコンピュータを作った旧時代の科学者が、そういうシナリオでコンピュータを作ったのです。
新しい、未来の地球を担うのは本当は「ミュウ」なんじゃないかと思っていたから。
ジョミーは・・・きっと分かっていました。
キース(人類)とジョミー(ミュウ)は本当は戦わなくてもよかった。
戦いは仕組まれたものだったことを。
もっと言えば、キースは、ジョミーたちミュウのための捨石だったのかもしれない、とも思います。
だって、戦いに勝つのはミュウと決まっていたのだから。
キースもそれを分かっていた。分かっていたけど、戦った。私はそれをかっこいいと思うのよね。
もし、この物語に「悪役」がいるのなら、コンピュータであり、そんなコンピュータを生み出した前時代の人間・・・つまり、今の我々かもしれません。
Posted by: BUBI | 2007.05.27 13:30