インターネットテレビのGyaoの有料版、ShowTimeで「ローゼンメイデン」というアニメを見た・・・という話を、以前の記事でもちょこっと書きました。
「ローゼンメイデン」というのは、自分で動いたり話したりするアンティークドール「ローゼンメイデン」の真紅(しんく)と、その持ち主でありながら、誓約によってその家来となり、彼女に力を与える存在となる人間の男の子、ジュンの物語です。
ジュンは中二なのですが、中学受験の失敗で引きこもりになり、家ではパソコンで、変な呪いグッズをネット通販で買っては期間ぎりぎりでクーリングオフをしてスリルを楽しむ、なんていう暗い趣味にいそしんでいました。その趣味の延長(?)で、別に趣味でもないアンティークドールの真紅の持ち主になってしまいます。
真紅は人形のくせに大変プライドの高い人形で、成り行きで、持ち主かつ家来になったジュンを、こきつかうことにも容赦はしません。ジュンは真紅に、すねを蹴られたり、髪でひっぱたかれたりしながら、渋々付き合うハメになるのですけども・・・
この真紅とジュン。
ここに書いた冒頭のあらすじで分かるとおり、お互い、別に望んでいっしょにいるわけでもないんですわ。
ジュンの方は、もうほんとに嫌々真紅の要求に付き合わされて・・・アニメらしく人形同士の戦いに巻き込まれたりね。
でもそうして、二人で、ジュンが力を与え、真紅が戦う・・・時には真紅がトラブルに巻き込まれ動かなくなってしまって、それをジュンが助けたり・・・というような数々のエピソードを通して、二人の間に、「絆」が生まれてきます。
ま、ぶっちゃけ、それは「愛」でしょう(笑)
男女の「愛」とは少し違いますが・・・もうちょっと大きい意味の「愛」。
最終回まで見終わって、エンディングを迎えた時、二人の間には奇跡を起こすほどの強い信頼が生まれている。そして、それによってジュンは、人間としても大きく成長をしています。
そこまでの経過が実に自然で説得力があるのに、ちょっとびっくりしてしまいました。
不思議ですねぇ・・・「愛」や「信頼」ってのは、どうやって生まれるんでしょう^^
真紅はとても綺麗なアンティークドールですが、ジュンは、たかが人形の真紅に、最初は、愛情も執着もまったくありませんでした。もちろん、真紅の方も、ジュンを家来としか思っていません。
でも、いっしょに過ごす内に、ジュンには「真紅を守りたい」という思いが生まれてくる。真紅は、ジュンを「情けない、全然役に立たない家来」だと言いながらもそばにいる。
いや、「いっしょに過ごす」だけで愛が生まれるとは限りませんわね。
だって何十年もいっしょに暮らした夫婦が熟年離婚したりするでしょう?
最初は愛も信頼も何もなかった、ジュンと真紅。
最終的に生まれたのが愛だったとしても、それはいわゆる「一目惚れ」とはまったく違います。
じゃあ何なのか?
・・・私が思うに・・・
ジュンはダメなヤツでした。
中学受験失敗が深い傷となり、世間が怖くなり、身近な姉だけには威張り散らすような少年でした。お姉さんはそんな彼を心配しながらも何もできずに、身の周りの世話をしてやるだけしかできなくて。
ジュン自身が、そんな自分をダメな人間だと一番思っています。
真紅は、成り行きですが、そんなジュンを家来にします。
もともと人形には持ち主を選ぶ権利はないんです。
けれど・・・真紅は、ジュンを信頼してるんですね。家来になった彼を育てる。上司ができの悪い新人の部下を鍛えるように。
その信頼に、ジュンは応える。
応えなければならない状況になって、逃げるわけにはいかないから、やるしかなくなるんですけども^^;
真紅はジュンは「家来」だから従うのは当然で、感謝の言葉とか滅多に言わないのですが。
それでも「信頼」する思いはちゃんとジュンに伝わる。
そういう心の交流から「愛」が生まれる。
なんかね~。愛に不器用なBUBIさんとしては、思ってしまうわけです。
どんな「愛」でも最初は一方通行なのかもしれません。ジュンが最初は全く真紅に愛情なんか持ってなかったように。
でも、相手を思う気持ち。そしてそれを感じる気持ち。それを持ち続けさえすればそこに愛や信頼が生まれる。
最終回で、自分を助けてくれたジュンに、真紅はこう言います。
「・・・わたしは真紅。ローゼンメイデンの第5ドール。そして・・・幸せな・・・あなたのお人形」
ちょっとこのくだりに感動しました。
『愛ってなんだろう・・・?』
といつも思うわけですよ。そして幸せってなんだろうって。
いっしょにいるパートナーを信じる気持ち。それだけでいいのですな。
でもそれが、もしかすると、一番難しいのかもしれません。
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