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2007.10.23

王子様になりたかったお姫様の話~少女革命ウテナ~

 インターネットのShowTimeというサイトでで「ローゼンメイデン」に続き「少女革命ウテナ」というアニメを見ております。
 テレビ放映したのは1997年だとのことなので、ちょうど10年前なのですね・・・ついこの間だと思ってたのに^^;

 ストーリーがかなり奇抜な設定なので、このアニメが好き、なんて話をすると、もしかしたら、ひいちゃう人もいるかしら。でも私は好きなんですよ、とっても。先般、久しぶりに見ても、その思いは10年前と変わりませんでした。やっぱりウテナはかっこいい。

 「少女革命ウテナ」というお話は、要は本日のタイトルどおり、「王子様になりたかったお姫様」の話です。
 小さな頃、両親を失い、絶望の淵にあったときに、白馬に乗った王子様に出会い、励まされ、救われた少女が、憧れの王子様に憧れて・・・自分も王子様になっちゃう。そして大切な人を守る、わけですな。

 そんな主人公のウテナと対照的に、自分の意志もほとんど持たず、「薔薇の花嫁」の掟どおりに、決闘の勝者の物となり、その相手に「世界を革命する力」を与えるという姫宮アンシー。

 ・・・ほら、なんだか寓話的でしょう?

 「女性」の生き方や考え方なんてことと、何か微妙にリンクするアニメなのです。設定も登場人物もみんなかなり妙な人ばかりなのですがね。

 つまりは、私も「王子様になりたかったお姫様」の一人なので。
 というか、お姫様にはなり損ねたので、王子様を目指してる。お姫様は無理だけど王子様にならなれそう、みたいな(笑)。
 やっぱり守られるよりも大事な人を守れる存在でありたいです。

 ただ「少女革命ウテナ」を見ていると、「女性」というものの本質は、やっぱり姫宮アンシーなのかなって思います。自分の意志などないように見えて、世界を変える鍵を握っているのは王子様ではなくお姫様の方。彼女を守るために戦うウテナに対し、彼女は淡々とその戦いをいつも見守っているだけなんですが、このお話、最後は・・・いや、そこは書かないでおきましょう。

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Comments

ウテナは王子様になりたかったお姫様というより王子様になろうとしたお姫様の話ですね。それが結果的に世界から…になるわけですが。
さまざまな暗喩に満ちていて放送当初はよくストーリーが理解できなかったりしたんですが、今見ても面白いですし昔は好きじゃなかったナナミ様の狂言回しっぷりにメロリンキュー(死語)です(笑)
幸せのカウベルの回は最高です!

姫宮アンシーは男性原理の社会の中でいきる女性の雛形だと思います。王子をとても愛していて身勝手な民衆から守るために自分を犠牲にしてしまうのは、ある意味母親的で我が子に苦しみを守ろうとする理想の姿ともいえるけど、男の子の成長を妨げる存在でもあります。

事実、王子は学園という自分の世界に閉じこもりある時は自分に都合の悪い存在は抹消し、逆に自分に都合のよい存在は強引に留めておく。そうやって自分のとって心地よい世界に引きこもり続けているわけです。今に言うニートですよ(笑)

いつも姫役で守られているアンシーは、BUBIさんがおっしゃられるように実際は王子を傷つけようとする全てのものから守っているし、世界の維持もしていて鍵を握っている。
アンシーって男性にとってとても都合のいい存在ですしある意味理想の女性でもある。母親のように甘やかして守ってくれて、妹として支配欲も満たしてくれる。
それにアンシー自身は周囲からどう非難されようとこれが愛というかたちの正しいものなのだと信じているので全く気にしません。
私はあの話の中で最強なのは自分の意志を貫き通しているアンシーだと思います。

少女革命ウテナはアンシーが主役だと考えると非常に判りやすくなります。
薔薇の花嫁として勝者のものになり、徹頭徹尾従順でありながら、デュエリストたちを斜に構えてみているのは、男社会の中で強かにいきる女性そのものだし、男を守るのも男を捨てるのも能動的です。

この話はアンシー(出来る女)がありのままの自分自身を理解してくれるウテナ(存在)を得て、王子(男性)が作り上げた世界(男性原理の社会、女性像)を自ら捨て自由になる話と考える事ができます。
だからこそ映画版のウテナは、さらにそれを推し進めてかなり刺激的でアブノーマルになったのではないでしょうか。
BUBIさんはご存知ですか? 映画版のウテナを。あれはラストが完全にレズビアンでしたよ。

Posted by: cherry | 2007.10.27 05:18

cherryさん、いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。
ウテナって「女性」の生き方を考えるのに、とても、象徴的な話ですよね。

まだShowTimeでは、黒薔薇編までしか公開していないのですが、最後まで公開されたら、一通り見てみるつもりです。
もう一度ラストまで見たら、また今だから感じることがあるだろうなぁと、とても楽しみです~。

映画の方も当時、レンタルで見ました。
詳細は忘れましたが、確かにきわどいシーンが多くて「ひぇ~」と思った記憶がありますわ。

Posted by: BUBI | 2007.10.28 01:12

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