必殺仕事人
さいたまテレビで「必殺仕事人」を再放送しています。
平日の昼間なので、普通には見られないのですが、たまたま見る機会があったので、のぞいてみたら・・・うわ~、懐かしいなぁ。
中村主水も飾り職人の秀さんも若い。
秀さんはともかくとして、今やもう私、当時の主水よりも年上かもしんない(爆)。ムコ殿ですもんね。
「必殺仕事人」を見ていた頃の私は、多分、小学生くらいでしたが、このシリーズは大好きでした。何が好きだったのかというと・・・うそっぽいハッピーエンドじゃないからですかね。
人を殺す、というのはそれほどに重いことで。
仕事人に仕事を依頼するのは時として命がけだったりします。全財産や命まで投げうっても、どうしても恨みを晴らさないでいられない・・・恨みを晴らすために仕事人が動く時は、既に依頼人が亡くなっていることもよくあったような気がします。
「現代」はどうなのか分かりませんが、当時の江戸なんて階級社会だから、理不尽なことが掃いて捨てるほどあったに違いないと思います。努力したって貧乏人は貧乏人で。格差がはっきりしていて、武士は何をしてもよく、商人は権力者におもねり、武士でも富裕な商人でもない者が、まじめにこつこつ生きようとしても生まれながらの環境は変えようがなく・・・
そういう意味ではとても重いドラマでした。
たまたま見た回も、大きな商家の子供がならず者に誘拐されて身代金を奪われた上、殺されてしまうのですが、仕事人に、子供を殺した犯人への恨みを晴らして欲しいと依頼するのは、その商家に勤める女中だったりします。
女中さんは、その商家の亡くなった奥さんに子供を頼むと言われたのに、その約束が果たせなかったことを悔やみ、自分の身を売ったお金で、仕事人に仕事を依頼するわけですな。
中村主水たちは、殺す相手もろくに分からないような仕事を最初は渋るんですが、女中の覚悟を知り、引き受けることになる。1時間のドラマですから、犯人は簡単に割れて、仕事人に殺されるのですが、犯人の一味の一人が実は、仕事人の一人である「おとわ」の、子供の頃に生き別れになった、幼なじみでした(もしかしたら姉妹だったかなぁ?その辺は深くは語られませんでした)。
普通のドラマなら、おとわと幼なじみの間で、何らかの絡みがあるはずですが、「必殺仕事人」の場合は・・・うん、そういうところがこのドラマならではだなぁと思うのですが。
おとわは、その人が自分の幼なじみであることや、なぜその幼なじみが子供を誘拐して殺してしまうような一味に加わっていたのか、そういうことは全く忖度せず、主水たち、仲間にもそれを話さずに、その幼なじみとの感動の再会も争いも会話も一切ないままに、黙って、自分の手でその幼なじみの命を絶ちました。
なんというか・・・見終わった後になんとも言えないやるせなさが残ります。
「殺し屋稼業」というものはそういうもの。相手が身内だろうと何だろうと、引き受けた仕事はきっちりやり遂げる。
どんな理由があろうとも依頼があれば・・・標的には罪を命で贖ってもらう。
そう言えば、そういうドラマって最近はないなぁ。別に時代劇じゃなくたって「ハングマン」みたいなドラマも、古くはあったのですが、最近はその手のドラマ、ほんとにないですね。あればウケると思うのに。やっぱり人殺しをヒーローみたいに描くドラマだからかなぁ。
人殺し、と言えば、私は「デスノート」なども好きで、映画も原作もテレビアニメも残らず見ています。
「仕事人」も「デスノート」も「死」を扱う、確かにタブーすれすれのフィクションなんですが、そういうものと正面から向き合って、人間の背負う「業(ごう)」を描き出すようなドラマを、もっと見てみたいと思います。
短くて軽くて薄い作品の方が視聴率とるのかなぁ?
視聴者側はそうでもないと思うので、多分、これは、制作者側がやっぱり無難な方に流れ、あえてタブーに挑戦するような番組を作るのが面倒だ、ということなのかもしれません。タブーに挑戦して、もしこけたら、責任問題ですし。
そう考えると「仕事人」をやっていた頃の製作現場ってけっこう偉かったのかも^^
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Comments
ゴルゴ13にも、たまに、そういう庶民からの依頼がありますよ。依頼料はかない安いのですが、必死の思いを汲んで引き受け、遂行するのです。
Posted by: 春海 | 2008.04.11 12:48
デューク東郷は、ブラックジャックみたいに、安いお金では仕事をしないのかと思っていました。
意外とよいところあるんですね~
Posted by: BUBI | 2008.04.11 19:41