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2008.08.25

「就職がこわい」

 以前「ニートとにている『何か』」という記事を書きました。
 「働きたくても働けない、働かない」というのが、「結婚したくてもできない、しない」というの似ているように感じるという記事です。

 昨日、香山リカの「就職がこわい」という本を読んでみましたら。うん、やっぱり「就職しない」ことと「結婚しないこと」の問題の本質は似ている。

 一番似ているのは、就職ができないのも、結婚ができないのも、何か社会の側に原因があるはず、とたくさん対策を立てるわけですが、そういうのがいつもなんとなく的をはずしているな、と感じる部分です。

 要するに、社会の側の対策をいかにとろうと・・・たとえば、雇用対策なら、ジョブカフェなどをたくさん作って若者に就職情報を提供する場を整備する、少子化対策なら、女性が結婚しても働きやすいように制度を変える・・・そんなことをしても、働かない&結婚しない、その原因は「社会が○○だから」そこにあるわけではないようで。

 ものすごく簡単に言ってしまうと、就職や結婚ということに不安がある。
 広く言うと自分の未来に不安がある。
 香山リカの言い方を借りれば、その不安の正体って、何が不安て「自分」が一番不安なのです。

 社会に出て働く自信がない。
 ちゃんと就職している人みたいに自分はやれないのではないか。
 単純な話、月曜から金曜まで週5日、毎日朝起きて仕事にいくなんてできるんだろうか。
 そこに「不況」なんかが絡んでくると自分に向いた「いい就職口」もない。だから就職できなくたって仕方ない。必死で就職口を探すこともせずに早々に就職からリタイヤしてしまう。

 私の場合。
 大学を出たら就職するのが当たり前だと思ってはいましたが、自分が何をしたらいいのか、何ができるかは全く見当もつかず、不安で、就職課へいったのが大学三年の秋。それなら、とりあえず就職試験のある職種の試験勉強を始めたら、と勧められました。
 就職活動のノウハウは分からなくても、試験勉強なら学生ですから馴染みがありますし、どうやったらいいか分かります。過去問を集めて勉強する。で、とりあえず受かることは受かりました。
 でも、試験に受かっても、結局は何社も周り、面接を受け、採用されなければ就職はできないわけで。不採用通知のコレクションできるほど、面接には落ちました。秋になっても冬になっても就職先が決まらずに・・・しかしその年、たぶんほかの学生から内定をキャンセルされたあるところからお呼びがかかり、3月もスレスレに4月入社のタイミングにすべりこむことができました。

 仕事・・・何をしたらいいかなんて今も分かりませんわ。自己実現でも夢を叶えるでもありません。
 とにかく学生を卒業したら働くのが当然。その思いで就職しました。自分のやっている仕事にはずっといろいろな疑問を持っています。昨年までやっていたような社員の給料や旅費の精算。自分じゃなきゃできない仕事ではありませんが、誰かがやらなきゃいけない仕事ではあります。それをやって給料をもらう。
 仕事というものはそういうもので・・・で、毎月いただく給料で、自分なりの人生設計をしたりします。

 「就職がこわい」人たちは、香山リカの本にもありますが、やっぱりまじめに考えすぎちゃってるのかも。
 ただ・・・そう思ったとき、私は、その問いが自分に返ってきちゃうんですよ。
 就職はできたけど結婚はしてない。その理由って、同じじゃないか、と。

 「まじめに考えすぎちゃってる」。

 就職口を探すこともしないうちから、週5日、朝定時に起きて、電車にのって、通勤するなんて自分にできるのかと悩むのがナンセンスなように、具体的な相手もいないうちから、毎日食事の支度なんか自分にできるんだろうか、旦那とけんかして殴られたらどうしよう、果たして結婚して自分は幸せになれるんだろうかetc.・・・やっぱ、考えすぎなのかしらね^^

 大学卒業したら就職するのが当然、それが就職の動機だったとしたならば、同じように、20代のうちに結婚するのが当然だったら・・・そう、生まれるのがもう5年ほど早かったならば、漠然とした自分の希望や夢とは別に、私も結婚してたのかもしれません。
 そんなふうにでも結婚できてた方がよかったかと言われたら、答えはYESではないのですが・・・

 ただ、自分の夢を叶えるためでも、自分に合っているわけでも、やりがいを感じる仕事でもなんでもない仕事だけど、この仕事をベースに、私はいろんな人と出会い、いろんなことに悩み、いろんなことにもまれながら、20代、30代で、自分の人生を自分で生きる覚悟みたいなものができてきた気がします。親から独立し、母の死を看取り、そして恋をして、恋に破れ(苦笑)、それでも私は元気です、みたいな。

 今、振り返れば、結婚も同じなのかなとなんとなく思うのです。
 相手が本当に「運命の人」かどうかなんて誰にも分からないけれど、結婚しちゃったからには相手を尊重し、相手との生活をベースに考えつつ、ある時は悩み、ある時はけんかし、妥協したり、なれ合ったり、不満を感じたり・・・うん、それもありだったかもしれない。

 今は就職も当たり前ではなくなってきたようですが、結婚はだいぶ前から当たり前ではなくなっていて。就職しない若者の増加は確かに問題ですが、非婚者の増大も問題でそれが少子化を招いている。

 結婚しないのも一つの生き方だと認められたように、仕事に就かないのも認められていくのかな。
 そうやって時代は変わっていくのだろうか。
 ただ定職に就かないと、いろいろ生きにくいことは確かで・・・うーん、でもそれも、結婚しなくても生きやすくなってきたのもここ10年くらいの変化だしな。

 またあと10年くらいすると、定職につかないのも当たり前になって、そういう人の社会保障をどうするのか、社会全体が若者のライフスタイルに合わせて変化していくのかもしれません。非婚の人が増えて子供がいなくなって、人口減少の時代がくれば、それにあわせて社会が変化していくように。 
 それが今までの社会通年の崩壊だと言えばそうなのかもしれませんけど、時代は常に変わっていくもので。昔の常識では考えられないことが、どんどん起こっていくのが「時代の流れ」というもの。
 
 ただ私としては、結婚しなかった女性が今もこれからも幸せでいられるのと同じように、就職の手前で立ち止まってしまう若者たちも、それを、自分の選んだ人生として前向きに肯定できるのか、そこがちょっと心配なのですよね。
 ・・・なんとなく怖い。未来の自分が分からない。就職したけど、それが自分に向いてなくて、忙しくて、欲しいだけの給料ももらえなかったらいやだ。それなら最初から就職しないでおこう・・・そうしているうちに1年、2年。間が空けば空くほど、ますますいい働き口も少なくなっていく。それだとなぁ。

 定職についているから、できることがたくさんあるんですよね。確かに自分の時間を売ることにはなるのですが、引き替えに得られるものもある。

 なんていうと、やっぱりそれは結婚も同じか~。
 結婚も誰でもいいわけじゃないのと同じように、就職もどこでもいいからとりあえず、なんてだめか^^;

 非婚と就職しない若者の問題はやっぱり似ています。
 した方がいいんだけど、じゃ、具体的にどうやってどう見つける?という段階へいくと答えがないところが。そして高望みしたら無理なんだけど、だからといって自分にぴったり向いてるところなんてどんなに探しても見つかるわけないところも。そして、したらしたで、きっとなんとかなっちゃうであろうところも。
 皆様は、この、定職に就かない若者が増えている問題、どう思いますか。香山リカの本は、4年くらい前の発行ですが、そのときに大卒の若者が職につかない割合がなんと50%を超えていました。これにはびっくりです。今はどうなっているんだろう。

 さて、就職活動の頃、私は、たくさん面接に落ちても、一つ落ちたら次、とがんばりました。
 でもなかなか決まらなかったのには、思い当たる理由が一つあります。それは掛け持ちをしなかったところ。一つ面接受けて結果がでないと別なところを受けなかった。それが当たり前だと思っていたのです。保留にされて引き延ばされて結局不採用だったところもありました。
 恋愛に関しても掛け持ちはできない。そんなところが、なかなか決まらない理由だったりするのかな^^

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Comments

私もBUBIさん同様、【卒業したら働くのがあたりまえ】という事で就職しましたが、一年専業主婦を経験してみて、今はどんなカタチであれ働いてないと気分的にいやです(^_^;)

結婚しなくても人は生きていけるけど、働かないととりあえずお金は入ってこないんだけどなぁ・・・。

就職がこわいって・・・ワタシ的には就職(自立)しないまま年をとって、庇護してくれてた親が死ぬ方がよっぽどこわい気がしてしまうんですけどね~~(-"-;)

Posted by: Rucca | 2008.08.26 at 20:11

Ruccaさん、いらっしゃい♪
なんかいろいろ考えていたら長い記事になっちゃったのですが、読んでくれてありがとうです^^

たとえば、
「結婚しないと、年をとってからどうするの? 親は先に死ぬんだし、いつまでも独身でいると最後は一人ぼっちになっちゃうよ」
と、独身でいると言われるわけですよ。

で、それに対し、私などは
「仕事もあるし、一人でも不自由しないよ。年をとって一人でいたくないためだけに、誰でもいいから結婚なんてできない」
と、相手の言うことを聞かないわけです。

就職しない若者も同じ。

「今は養ってくれる親がいるけど、親は先に死んじゃうんだよ。一人になったらどうするの?」

きっと、彼らはこう応えます。

「そうなったら、働かなきゃいけないだろうけど、その時はその時だよ。今は働かなきゃいけないわけじゃないんだから、本当に自分に向いた仕事が見つかるまでは今のままでいい」

なんか似てないですか?^^

香山リカの本「結婚がこわい」っていうタイトルの本もあるようです。
あとでそっちも読んでみるつもりです~

Posted by: BUBI | 2008.08.27 at 00:19

 なるほどねえ。こういう風に就職と結婚を同列に見ることは、思いつきもしませんでした。読んで納得させられました。

 自分のことを振り返ると、大学を出たら就職するのが当然、とは考えていませんでした。また、ある年齢になったら結婚するのが当然、とも考えていませんでした。

 僕は就職したくなかったのですが、ある理由から就職することに決めました。また、結婚は、ある女性と毎日一緒にいたいと思ったのでその方向に進み、幸い承諾を得たので結婚しました。

 bubiさんも、そういう人が現われたら結婚に向かうかもしれませんね。現われなければ、結婚しない生き方を続けるのでしょう。それをあまり不思議に思わない時代に、すでになっているようですね。

Posted by: 春海 | 2008.08.27 at 01:11

なるほど~。「将来困るよ」的な老婆心がまったく通じない所がニートと非婚の共通点なのかぁ・・・。私もたまに「子供がいないと老後心配じゃない?」的な事いわれるけど「だからってこの年で産めと?」みたいな(^_^;)

でもやっぱりやっぱり結婚はともかく、働いて自立するのを「その時が来るまで」先送りにするのは、あまりにも「死ぬ事」や「病気になること」や「老いること」を忘れている、今の便利な世の中の弊害なのかもなぁって感じました。
でももしかしたら非婚も少子化も、BUBIさんの感じるように根は同じなのかもしれませんね。

Posted by: Rucca | 2008.08.27 at 17:48

>春海様
コメントありがとうござます。
一つ質問してもいいですか^^

>>bubiさんも、そういう人が現われたら結婚に向かうかもしれませんね。現われなければ、結婚しない生き方を続けるのでしょう。それをあまり不思議に思わない時代に、すでになっているようですね。

今の時代はそうだとして、かつてはやっぱそれって「不思議」でしたか。
もし不思議だとすると、
「その人に結婚相手が現れないことが不思議」
「(相手に関係なく)結婚しないことが不思議」
どちらでしょう。

もし前者だとすれば、かつては相手って今よりももっと簡単に見つかる時代だったのかな。
後者だとすればかつての時代は、結婚相手ってほんとに誰でもOKだったのかな~。

>Ruccaさん
老後のためとか何のためで結婚したくない。
そう思うのと同じように、仕事も本当に自分にふさわしい仕事につきたい。

そう思うと・・・仕事に就くのって難しいかもですよね^^;

Posted by: BUBI | 2008.08.28 at 12:22

回答:
 かつては「不思議」と思われていましたね。人は遅かれ早かれ結婚するのが当然、という考え方が支配的だったわけです。「相手が簡単に見つかるか」とか「相手は誰でもOKか」という問題の建て方はされなかったと思います。ただしもっと古い時代、親が決めた相手と結婚とか、結婚式当日に初対面、などがあり得たころは別ですよ。

 いわゆる適齢期になってもなかなか相手が見つからない人は、「あの人は何か心身に欠陥があるのではないか」という隠れた評価を怖れたり、それを心配する世話好きのおばさんが次々に見合い写真を持ち込んだり、ということがありました。そして少数の人を除いて結婚につながったわけです。

 そういう時代、「どうしてあの人に結婚相手が現われないの?」と「どうしてあの人は結婚しないの?」はほとんど同義で、強いて言えば、前者には「あの人は素敵だ」という評価が入っている、という差があるくらいですね。

 そこで、結婚しない人、特に女性はそういう目を意識せざるを得ず、「私は仕事が生き甲斐なんだ」とか「私は新しい生き方を模索しているんだ」とか、肩を怒らせることでそれを跳ね返していたようです。それは「素敵な女性」に多かったように思われます。

 次第に時代が移り、理由はさておきそこかしこに非婚者がいるようになって、「あまり不思議でない」と感じられるようになったのではないでしょうか。してみると、結果として「新しい生き方」が認知されたと言えるのかも知れません。

 あくまでも、僕の主観での「回答」ですよ、念のため。さらなるご質問があればどうぞ^^

Posted by: 春海 | 2008.08.29 at 02:51

なるほどー。
確かに、BUBIさんの考えは一理ありますね。

女性の立場だと、
「結婚」と「仕事」は、対極にあるかも。

私、仕事しなくていいなら、しませんよ。
なんでしてるかって、
両親から、自立しろ、と家を追い出されたからです。
これでは、生活ができません。

昔の結婚だって、
したくなかったけど、せざるを得ない、
という人がいたと思います。
特に女性は結婚しないと生活していけなかったんじゃないですか?

そして今…
女性も仕事をして、生計を立てられるので、
したくない結婚はしなくてよくなりました。
でも、それが、
「結婚の必要性」の1つを奪ったので、
婚期を逃す女性も増えたのでしょうね。

でも、男性の場合はどうだろう?
昔は家族も多く、
貧しい時代でしょうから、
働かなきゃいけない状況は変わらなかったと思います。
でも、だからこそ、
職種を選んだりする余裕も、
迷ったりする余裕もなかったのかも。

今、豊かな時代になって、
仕事を選べる自由がある事って、
「働く必要性」の1つを奪われ、
結果、就職の機会を逃す男性も増えているのかも。

そんな訳で、
一口に「ニート」と言っても、
男女で違うかなって。

私なりの考え。
だって、結婚したら、
女性は堂々と「ニート」になれる事もありますからね。

Posted by: あきら | 2008.08.31 at 12:11

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