男と女と笑顔とあいさつ
昨日、ロンドンハーツの「格付けし合う女達」を見ていましたら、スザンヌが確かこんなことを言っていました。
(うろ覚えなので正確ではありません)
『女の子は勉強ができることよりも、大事なのはあいさつと笑顔。それさえできれば大丈夫』
・・・ちょっと残念な気もしますが、これはあたっている気がします。
まあ、勉強は人のためにするものではないので、できた方が自分にとって得なことが多いのですが、それとは別に、世の中を渡っていくには、女の子のあいさつと笑顔は「それさえできれば大丈夫」ってのは確かかもしれなません。
昔、大学生だったころ、社会人の女性の先輩が大学にきて、
「女が就職して社会に出るのに、一番大事なことは、周囲の人に可愛がられる女性になることです」
と言っているのを聞いて、そのときは、「なんなのよ、それ・・・」とちょっとむっとした覚えもあるんですが(まあ当時は女性の職場での位置づけって、庶務やお茶くみや飲み会の席でのお酌係だったりしたもんな)。「かわいがる」というコトバはちょっと語弊がありますが、明るい笑顔とあいさつは、意外と欠かさずにおくと、もろもろお得な気は確かにします。
で、ちょっといろいろと考えていたですが・・・ちょっとイメージしてみてください。
ここに男性が二人います。二人は初対面だとして。
そのときに男性同士が思うことって、こんなふうな感じじゃないでしょうか。
『こいつは俺よりも上だろうか、下だろうか』
年齢じゃなくて、力関係が上か下か、ですね。相手が若く見えても一流企業で部長とかやってたりして、自分が中堅企業の係長で、オマケに相手は取引先だったりしたら、相手が上。
で、上下関係がはっきりしたら、お互いにほっとして、それを前提にお互いの関係を築くことができます。
ポイントは、どっちが上でもどっちが下でも、上の人は下の人を見下してるわけじゃないということ。
上の人にとって、下の人はとても大事です。多くの下の人の人望を勝ち得て初めて人の上に立てる。多くの人を自分の下に従えて、その力を自分の力にできれば、その人はもっともっと上にいける。。
下の人は上の人を尊敬しついていく。本当に力があり、立派な人のイニシアチブで、仕事をしたり、いい人間関係を築いていけたりしたら、それは幸せなことです。
狼のような集団の群れを想像すると分かりやすいのですが、ボスがいて、その下に従う部下がいる。
元々、人間も群れだったから、そういう性質を持ってるんだろうなと思います。
で、そういう男同士の上下関係は実力勝負ですから、笑顔も挨拶も関係なく(多少は関係ありますが)要は、能力があるか、ないか。仕事ができるかできないか。無愛想でも仕事をきっちりやる男性なら一目おかれますし、そうでない男性は笑顔でごませるはずもない。
でもこれが一人が男性で一人が女性だと全然違うんですよね。
男性は女性とは権力闘争はしない。相手が女性なら、男性としてははなっから自分が上だとわかっているし、女性も男性がそう思っているのに対し、あえて逆らったりしません。笑顔ではきはきと挨拶もできる女性なら、男性は「この子にはいろいろ教えてやろう」って気になるだろうなー。
では二人とも女性同士だったらどうなのか。
男性が権力闘争をして上下関係を決めていく生き物だとすると、女性っていうのは集団の中で、集団を維持するための環境を作る性質を持っているような気がします。
だからね・・・女性が二人いたら、女性は相手に対してこう考えるんですよ。
『この人は仲間か、そうでないか』
仲間と分かれば仲良くするし、そうじゃなかったらシカトです(爆)。
笑顔とあいさつは『私はあなたの仲間ですよ』という意志表示なのかもしれません。仲間なら、能力のあるなし、関係なし。変に能力がありすぎるとやっかまれたりもしますから、スザンヌのようにおバカに見えた方がいいくらいかもしれません。
まとめましょう。
男性は他者との関係を「上下関係」としてみている。
女性は他者との関係を「仲間かそうでないか」でみている。
上下関係の中では、「能力」やそれを背景にした「肩書き」が重要で、別に笑顔があろうとなかろうと関係ありません。
でも集団の中で、その集団を維持するために「和」を形成する性質をもっている女性は、笑顔やあいさつで自分を相手に「仲間」だと認識させる能力がもっとも大事。それがないと他者に受け入れられにくい。
そういうことなのかな、と。
私はいろんな意味で「実力」はあまりないので、男性だったら今よりももっと大変だったろうなぁと思います。女性だから、多少おバカでも、それを愛嬌としてみてもらえる。これは・・・男性と比べたらすごくお得ですよ。
ただ、だからこそ、実力のある女性は、実力があるのに男性からそれ相応の評価をしてもらえない上に、女性からは仲間はずれにされたりもして、大変なんだろうなぁ・・・
でも、考えてみれば私は、そういう意味で「実力のある女性」には出会ったことはないんです。男性顔負けの仕事をして、女性にやっかまれる、みたいな。ドラマにはありそうですが、現実はそういう女性ってあまりいない。
どの女性も、ある程度の実力を持ちながらも、女性らしい弱さや愛嬌も持ち合わせている。
それが、一番、女性が生きやすく、世の中を渡っていきやすいからなのでしょうね。利口な女性ほど、それを知っていて、ちゃんとそれに適応している、ということなのでしょう。
おバカでもそうでなくても、女性が女性としてこの世界を渡っていくには、やはり、笑顔とあいさつって大事かもな。
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Comments
私が最近読んだeduという育児雑誌の中で、椎名誠さんのエッセイで「女は子供を産んで育児をするために、バカでは困る。男はバカでもいいけど」というのがあって、納得しました。
子供を産まない女性ならば笑顔と挨拶で乗り切れるでしょうが、子供を育児するためには、勉強だけではない「賢さ」が必要かも。家庭での教育がまったくできておらず、イベントのたびに遅刻、女の子を殴ったり、先生や周りに言葉でかみついたりして、授業時間を妨害、いつも先生に怒られている娘のクラスメイトの男の子(その妹も最悪)をみていると、「親の教育って大事」と思います。その子のお母さん、愛想だけはいいんですけどね(始めはどうしてこのお母さんの子が?とおもっていたぐらいですが2年もみてれば、あまりの放任主義がよーくわかりました)。
その点、スザンヌさんは、笑顔と挨拶だけではないし(ちゃんと子供の教育もできると思う)、スザンヌさんのお母さんも子育てにおいては聡明だったと思うので、「笑顔と挨拶」といいながらも、実はその他も大丈夫そうですけれど。
また、
>男性は他者との関係を「上下関係」としてみている。
女性は他者との関係を「仲間かそうでないか」でみている。
っていうのは、昔のことかなあ?と思いました。
私がいた職場は外資系だったせいもあって、女性の管理職が多く、同列の管理職男性や部下の男性は、彼女達のいない飲みの席で悪口(「あんな仕事ババアになるなよ」とか「男を見下して困る」とか)をいって、よっぽど「女の腐ったの」みたいな、客観性を欠いた意見だなあって、若かった私は思いました。結局、女性が職場に入り込んできた時点で「男性」として上下で見られているんでしょうね。
また、私も子供を産む前の最後の正社員だったときに、主任クラスの管理職で、研修講師などをやりましたが、自分より10歳も20歳も上の男性平社員から、講師アンケートで「あなたより経験がある私から言わせれば、今日の内容はつまらない」だの「いばるな」だのという回答が多く、結局、男性のメンツって何?って思ったことがありました(その後、私は子供を産んで降格しましたが)。
また、子供を産んでしまうと、女性の中には、夫の地位、会社名に頼ったり、子供の成績などで、「上下関係」に固執する人も多いです。「仲間」意識よりも、こっちのほうがよっぽど怖い。
>男性顔負けの仕事をして、女性にやっかまれる、みたいな。ドラマにはありそうですが、現実はそういう女性ってあまりいない。
いやいや、日経新聞のコラムや、働く母のための雑誌などでは、こういう管理職の女性の悩みや、孤独感が書かれているものも多く、最近はドラマだけじゃなくて現実化して増えていますよ。
将来的には「男には笑顔と挨拶が必要」「女性は賢さが必要」になってくると、私は、勝手に思っていますが。。。。どうなんでしょう?
Posted by: ちゃい | 2009.06.11 10:28
男がらみは的確な分析と思います。ただ、ちゃいさんがおっしゃるように少し前の状況かもしれませんね。
僕としては女同士のことが面白かったです^^
Posted by: 春海 | 2009.06.11 20:40
ちゃいさん、いらっしゃいませー
私はこの記事で
「だから女性に賢さは必要ない」
というつもりはないのです。
男性にも女性にも賢さは大事ですもの~
ただ、男性は無愛想でも仕事ができれば1目置かれたりしますよね。
でも女性は…
「男はバカでもいい」
なんてのは、ほんとはバカじゃない男性がバカな男を演じてるから言える言葉だと思います。
職場においては、男性は女性を同列とは思っていません。下だと思ってるから最初から上下関係を競うつもりもないんじゃないかと。ちゃいさんがおっしゃられたような、女性に対する「ババア」だのなんだのは、下だと思っていた女性が案外そうでもないことに対する苛立ちなのだと思います。
でもそれは男性同士の上下関係とは、質が違う気がするんですよ。
それと主婦の間では女性でも上下関係が存在する、というのは、なるほど、と思いました。
家庭という一つのコミュニティにいる女性は、コミュニティの外にいる別の女性に対しては、上下関係を決めたがるものなのかもしれませんね。
実力があっても、笑顔とあいさつでうまく振舞う。
それこそが一番賢い女性のやり方なんだろうなぁと私は思います。
>春海さん
少し前の状況っていうのは、男女間の関係の話でしょうか。
女性を自分と同等のライバルだと思える男性っているんですからねぇ。
所詮、下だとしか思ってない気がするなぁ。今でも。
Posted by: BUBI | 2009.06.11 21:04
私は子育ての世界のことはさっぱりわかりませんが、仕事の世界の話だったら、BUBIさんとほとんど同意見ですね~。
男も女も挨拶は絶対不可欠ですが、たしかに愛想が悪くても仕事が出来れば評価されるという点では、男が有利かも(職種にもよるけど)。
私は女の職場が多かったせいか、男の同僚っていたことがなくて(たいてい上司)、なので「下に見られる」は当たり前というか・・・(^^;
でも女は「仲間かどうか」というのはうなずいちゃいました
挨拶だけいい子っていうのも確かにいるけど、挨拶も出来ない人は賢くても人に好かれない・・・どの世界でも「人に好かれる」ってけっこう大事だし、自分の機嫌優先とかでそれができない人はやっぱり損をしてるし、そういう意味で賢くないと思っちゃいます。
男で愛嬌のあるっていう人は、私は賢い人だと思う。絶対バカじゃないと思う。
Posted by: Rucca | 2009.06.11 21:35
少し前とは男同士・男女間についてです。まあ、今でもかなり残っているとは思いますがね。
Posted by: 春海 | 2009.06.12 22:42
勉強(仕事)もできて、
笑顔とあいさつができる女性が、
理想的だと思います。
仕事ができる女性って、
男性と張り合ってるから、
キツい人が多い気がします。
でも、もし自分が器用じゃなくて、
仕事をバリバリこなせないなら、
笑顔とあいさつで乗り切った方が、
やっぱり得策ですよね。
Posted by: あきら | 2009.06.13 12:05
BUBIさんの記事に、全く同感!
昨日、ある講演会で聞いたんですけど、『笑顔は、友達と収入を増やす』だそうです。
これは当然のことながら、男女同じです。
でも、ちゃいさんのコメントの『主婦の間の上下』も、少しわかります。ただこれは、本人の気持ちの持ちよう。夫の格を自分のものと勘違いする人は、上でも下でも心が不自由で苦しいものです。
わたしはわたし、子どもの出来がよかろうと悪かろうと、関係ないのですがね。
Posted by: とと | 2009.06.13 12:52