死と運命と~パーム6「オールスター・プロジェクト」~
獣木野生さんの「パーム」という作品を友人からお借りして読んでいました。
どんな作品だか一言でいうのは難しいのでウィキペディアのリンクを貼り付けます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8D%B8%E6%9C%A8%E9%87%8E%E7%94%9F
全部最後まで読んだわけではないのですが、昨日、「オールスター・プロジェクト」まで読んで感慨無量になっていました。
人の一生を思う時にいつも昔、飼っていた猫のことを思い出します。
猫は人間よりも生きている時間は短い。でも多分、猫は猫なりに一生を全うして生き、そして死にます。
人間だって分かりません。
何歳まで生きられるか誰も知らないし、長生きがいいとも限らない・・・
なんてことをね。
考えてしまうと眠れなくなっちゃいます(ちゃんと寝てますが~)。
軽々しく「運命」って言葉を使いたくないのですけど、おそらく「死」は、本人の意志でどうにもならない部分もあり、(多少は長生きするように努力することもできますが)いつそれがやってくるかはやはり運命なんだろうと思います。
本人がどうすることもできない「何か」が目の前にあるとき、人はそれに対してどうするのがいいのだろう?
多分、猫もそうですが、世の中に生きる人間以外のあらゆる生き物たちは、どうすることもせず、与えられた運命を全うするのみ。
でも、人間だけが運命に抗おうとします。
それはもちろん「死」だけでなく。言われない差別や病や経済的な不利や身分の違いや、または男であったり女であったりすることに対しても。
そして人間はそれを果たす力があって。
今や本来なら「人」という生き物が生存するはずもない宇宙においてまで、いろいろな人としての活動を展開させている。
すごいことですな。
この調子でいけば「死」も克服しちゃうかもなぁ。あと遅くとも・・・500年くらい平和が続けば。
そうなったときに人類が幸せなのか不幸なのか分かりませんが、ちょっとその時代に生まれたかった気もします。
とはいえ、まだ人間に寿命があった時代に生まれちゃった私としては、それもまたどうしようもない運命でこればっかりはじたばたしても始まらない。
逆に言えば、「人間に寿命があった時代」だからこそ、この時代に生まれたんだろううし。だって、寿命が無くなっちゃったら人が生まれることも少なくとも今よりはとても少なくなるのが必然ですものね。
たとえば、昔、子供といえば7人とか8人とか生まれるのが普通だった時代があって。
生まれても流行病で8人の内2人しか成人しなかったりもした時代ですよ。
今は一組の夫婦から生まれる子供は2人くらいで、そもそも結婚をしない人も増えてるわけですから、それでいえば、昔より「生まれなかった」人というのは今の時代だって増えている。
今よりももっと先になって人類が死を克服してしまったら、その時代にはもう生まれようがないものなぁ。
閑話休題。
そんなわけで、とりあえず私も今のところ、この時代で生を全うするしかありません。全ての人と同じように。
時にそれをとてもせつなく感じたりもするわけですが・・・
「パーム」という作品の中で、登場人物たちがその時代をどう生きたか、リアルに生きる私たちはそれを読むことで知ることができます。
(引用開始)
人生は駆け足で過ぎ去り彼らが同じ時を過ごした日々はそのうちのひとまたたきにすぎない
だが彼らにとっては一日一日が記念すべき日だった
(引用終わり)
それはおそらく、この世界に生きる全ての人にとっても同じなんだろうと。
もちろん、私自身にとっても。
そして、このブログを見てくれたあなた、にとっても。
だから何も恐れる必要はないんですよ・・・きっとね。
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