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2010.03.02

poem(86)

「挽歌」

毎年その枝いっぱいに
美しい花を咲かせてくれた桜が
春をもう目の前にして
コロサレテシマッタ

寂しく残る切り株
廃材となった木の枝に
咲けなかった蕾を見るのが怖くて
思わず目を背けた

駅前の再開発は
もう何年も前から決まっていたことだった

・・・他に桜が何万本あろうと
失った人を悼んだ日も
大好きな人を思って空を見上げた日も
そこにあったのはその桜の木だった

世界は変わる
生きている私たちでさえ
その細胞は毎日入れ替わる
昨日と同じ日はなく
だからこそ新しい命も生まれ
育まれる

分かってる
分かってるんだけど

それでもあの桜の木に
悲しみと感謝の挽歌を贈ろう

いつか私が死んで
あの淡い桜色のヒカリに
再び迎えられる日まで

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