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May 2010

2010.05.20

poem(88)

「五月の刃」

日差しが新緑を鋭く照らす
地には影が黒く落ちる

私は白茶けた古い建物の中にいて
その日差しに身をさらしてはいないのに
ヒリヒリと肌が焼けるのを感じる

人以外のものたちは
「今ここにある」ことが全てだろう
人だけが
過去や未来をその身の内に抱えている

けれど強い日差しに
過去や未来をかき消され
私もまた
ここにあるだけの存在となる
この圧倒的な光の前で
記憶や知識がどれほどの意味を持とうか

誰を愛し
誰に愛され
どうして生まれ
何を糧にして育ったのか

ああ私は
どこへ行こうとしているのだ

5月の光が刃となって
全てを薙ぎ払うと
あとには何も残らない
熱のない白い光に思わず目を閉じ

気がつけば
またそこは新緑

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2010.05.13

♪かっこ悪いのは白髪じゃなくて

以前に、知り合ってから何度か手紙のやりとりがあって(当時はメールがなくて文通でした)気が合ったので、一度直接会いたいなぁと思った男性に、その人の住む町まで会いにいったことがありました。

文章でこう書くとロマンティックに響きますが、本人的にはそんな感じでもなく、知り合いがいるので遊びに行こうという、先日のゴールデンウィークの福井行きみたいな感覚です。
もう10年以上前の話です。

まあでも、当時その男性に好意をもってなかったと言ったら嘘になります。嫌いな人のところに遊びにいくわけないでしょ。その人は駅まで車で迎えにきてくれていっしょにドライブとかお茶とかしました。

そういうことがありながら、それ以上に発展しないのが我ながら甲斐性がないというかなんというか。
その方も私を友達としか見ていなかったのでしょう。それはまぁしょうがない。

しかしふと思い出したことがありました。
二人で入った喫茶店で、その方、向かいの席で足を組み(裸足だった気がします)、足をぽりぽりかいていました。
私、それを見てびっくりしちゃったのですよ。
私は自分なりにおしゃれして、たいしたもんじゃないけど手みやげも持参して、勇気を出して訪ねたのに、目の前で裸足で足ポリポリはないでしょう~
そのあとその方とは自然消滅でした。

今、そのことを思い出したのには理由がありまして。
人のことを言える立場ではない。
私も人から見て「それはないよなぁ」という行動を無意識にしていたのかも、と最近になって思い始めました。
たとえば、ですが・・・

【化粧】
あまり濃い化粧をしないし、そもそもやり方がよく分からない。
マスカラ、アイシャドー、アイライン等つけたことがない。
普段は下地塗ってファンデーションを塗りますが、基本、それだけ^^;
時間をかけて顔を作ったことがない。
口紅もつけますが、飲食をして落ちてしまうとそのままにしちゃったりする^^;

【服装】
メタボなもんで着られる服が少ないため、着たい服より着られる服が基準。
ブランドのスーツもバックも持ってない。
ほとんどがヨーカドーのLサイズ売り場で買ったものばかり。

【アクセサリー】
耳たぶが厚いためピアスの穴を開けるのに抵抗が^^; 
イヤリングは耳が痛くなるので普段はつけてません。誰かの結婚式に行くときくらい。
リングもいくつか持ってるけど、最近はしてないし、マニキュアもしなくなって久しいなぁ。
ペンダントも最近は万歩計を提げてるため、他のペンダントはしなくなりました。

【ヘアスタイル】
髪が多く伸ばすともさっとなるので、基本はショート。
肩よりも長く伸ばしたことは30代以降はありません。
色は真っ黒、一度ヘアダイで茶色にしたことがありましたが誰にも気づかれず。
パーマもかなり前にソバージュにしたことはありましたがそのときだけ。

・・・こうして我が身を振り返れば「おしゃれ」というよりは社会人のマナーとして、元々の顔がどうだろうと、もうちょっと化粧や身だしなみに気をつけないとなぁ。若い頃はともかく年をとったんだし。

私の場合は、そもそもメタボなのが問題なのでそれは引き続きダイエットを努力することとして・・・

人間は見た目じゃないのは言うまでもないのですが、ほら、CMであるでしょう?
「かっこ悪いのは白髪じゃなくて/白髪をほっておくその心」
化粧をしないのも、高い服を着ないのも、ポリシーとしてはあり。
かっこつけても仕方ないというのは確かではあるけれど。

見ていて気持ちがいい程度の身だしなみをする心遣いや配慮は、社会人として必要な「マナー」で、ありのままの自分にこだわる以前に、本当は一番大事なことだったのかもしれませぬ。
・・・って、いい年して今頃気づいたんかい(爆)
いや、昔は若いからで許されていたことが、許されなくなってきたってことか。

今更、目の周りに何かを施してパンダになろうとは思いませんが、周囲の方々に不快を与えないように、ちゃんとダイエットもして、化粧もして、来ている服のグレードも多少上げるよう努力するか。それこそもう20代、30代じゃないのだし。

人から自分がどう見られているかは、昔から気になる方だったんですが、その割によく見せようとする努力をしてこなかった、っていうのは我ながら矛盾してると思います。
でも世の中の男性も女性も、外見にコンプレックスを持っている人ほど、逆にノーメイクだったり、服装に気を遣っていなかったりするんですよね。
美しい人はより美しくなろうと化粧もするし、美しく装いもする。
自分がきれいではないと思っている人ほど、美しくなろうとすること自体をやめてしまう。
両極端にどうも振れてしまうようです

♪かっこわるいのは白髪じゃなくて・・・

うん、まさにそのとおり。結果として美しいかそうでないかはともかくとして「美しくいよう」とする心を忘れてはいけないんだよな。

そういやぁ、冒頭に書いた男性が言ってたなぁ。
「美人は心も美しい。そうでない人は性格もよくないことが多い」
・・・(苦笑)もしかしてそれって当時の私へのあてこすりでした?(全然気づいてなかった)
ウン十年気づくのが遅過ぎましたが、これからは心を入れ替えて、外見も中身もきれいでいるよう努力しよう。
私を振ったことを後悔させてやるぜぃ♪ なんつって~

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2010.05.11

優雅過ぎる休日

5月7、8日に1泊2日で箱根にいってきました。
ゴールデンウィークに行き帰り夜行バス&ビジネスホテル宿泊で旅行してきたばかりなんですが、やっぱ、人間、メリハリが必要です。使う時は使う、そうでないときはそれなりに(笑)。

なんて、実はそこまで考えてたわけでもなくて、単純にゴールデンウィークは宿がとれなかっただけなんですけどもね。
今回で二度目となるクラシックホテル「富士屋ホテル」に宿泊してきました。
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今、このブログを検索してみたら、一度目の時も記事にしていましたよ。
一度目の時の記事はこちら。
http://light-snow.cocolog-nifty.com/cocolog/2006/05/gw.html
前回は2006年だったか。今年2010年。4年前か~(このブログもずいぶん長く続けてるんですね。自分で今、びっくりした)

富士屋ホテルは、ご無沙汰している間、2008年に創業130周年を迎えられたとか。
温泉プールが新しくできたし、前にきたときは大浴場もなかったけど今回は利用できたし、さすがにいろいろと便利になってきています。

泊まったのは4年前と同じ西洋館(写真)。
明治生まれの建物は変わらぬたたずまいです。

なお、4年前は朝食のみでしたが、今回はメインダイニングでのフルコースディナー付きプランにしてみました。伝統あるホテルでフルコースディナー。
う~ん、優雅だ。

もっと優雅だと思ったのは、翌日。
11時がチェックアウトだったのでホテルでのんびりすることにしました。
前日は小田急のバスで新宿から仙石原へ直行し、前回も行った星の王子様ミュージアムやガラスの森美術館などを観光してきたんですけど、翌日は観光の予定なし。
朝食後、ホテルの庭園を散策したりして、ゆっくり時間を過ごした後にホテルのラウンジでお茶とケーキをいただきました。
このときラウンジで食べた、これも富士屋ホテル伝統のアップルパイが、我がアップルパイ歴で一番のおいしさ。
パイ皮はカリカリで香ばしくまったくしつこくない。リンゴは甘酸っぱくてシナモンの香りがたまりません。あ~幸せ~
下の写真は、ラウンジから見た中庭の風景です。

ホテルではこの日、ブライダルフェアなどをやっていて、ホテルのあちこちで模擬結婚式のデモンストレーションが行われておりました。ウェディングドレス素敵♪ 自分がここで結婚式をすることはなさそうですが、いいものが見られて、ちょっと得した気分になりました。

その間にも富士屋ホテルには、観光バスの見学の方がいらしていました。
宿泊客である私たちはちょっといい気分~♪えへへ。

クラシックホテルといえば、軽井沢に万平ホテルなどがありますが、万平ホテルは私も泊まったことがありません。
友人とみんなでラウンジでお茶だけしたことはありまして、当時は
「こんなホテルに泊まる人ってどんな人なんだろう???」
 と思っていました。・・・うん。そういう意味で言えば、私も「こういうホテルに泊まる人」になれたのかしら^^
たかが1泊、それも4年ぶりですけど~。

帰りは箱根登山鉄道のスイッチバックを楽しみつつ箱根湯本へ。箱根湯本からはロマンスカーで新宿まで。3時には帰宅。
あ~楽しかった。

そして翌日からはひたすら仕事。そう、人生はメリハリが大事です。

・・・思えば4年前はね。
上のリンクをクリックしていただければ4年前の記事が読めるのですが、
「新婚旅行でこのホテルに泊まりたい」
なんて書いてるのですよ。うふふ、若かったわ。
4年前も独身女性同士できましたが今回もそれは同じ。気の置けない友人とおいしく優雅に過ごす旅行です。
次は何年後になるかわかりませんが、おそらく富士屋ホテルはそのときも、変わらぬたたずまいで迎えてくれるでしょう。「伝統」とはそういうもの。…こうして「伝統」を語れるくらいには私も年齢を重ねたようです。

また気の置けない友人や、そしていつかは(いつだよ、と今回も突っ込んでおきます(笑))大好きな人と行きたい、箱根富士屋ホテル。
これをご覧の皆様もぜひ一度はクラシックホテルの宿泊を体験してみてください。

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2010.05.07

poem(87)

今日 同僚が
恋人とちょっとしたすれ違いがあって
ケンカしたという話をしていた

大事なパートナーとだって
すれ違いはあるよね
だってお互い違う人間だもの
同じ考えだと思ってたら
それが勝手な思いこみだったなんて
全くよくある話だ

僕はそんな時きみのことを考える
きみと僕も同じじゃない
似ているところもあるんだけど
生まれも育ちも考え方も
つきあいが長くなればなるほど
違うことが分かってくる

でも僕は
僕と違うきみが大好きだ
最近なんて
違うところを発見するたびにワクワクするよ

(だから知り合った頃よりも
 今の方がもっときみを好きだったりするのかも)

さあこれからも
もっともっと違うきみを見せて

僕らを取り巻く世界がどんなに変わっても
出会った頃と何が変わっても
僕が僕であり
きみがきみである限り
違う人間である僕らの間では
一人では決して作ることのできない
新しい何かが生まれる
それはまるで「奇跡」のように

変化や違いを恐れてはいけない
同じであることを期待しちゃだめだ
変わっていくことを喜んで受け入れよう
その先にこそ
僕らが望む『信頼』という絆がある

(同僚は恋人と仲直りをしただろうか)

そう願いながら僕は今夜も一人
きみの夢を見る

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2010.05.06

【G.W.】福井(越前)&大阪の旅

福井県に住む友人が遊びにきてもいいよ、と言ってくれるのに甘えまして、夜行バスで福井へ。
福井は初めてです。どんなところだろう~

まったく予備知識なしですので、やはり福井の名所と言えば
「永平寺」
「東尋坊」
両方とも案内してもらいました。

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「永平寺」
曹洞宗の大本山。(曹洞宗って何?という方は、さらにウィキペディアで調べてみてね。)
詳しくはリンク先を見ていただくとしまして、ここ、修行僧がいっぱい暮らしている「現役」のお寺なのです。山の中の立派なお堂でうら若い青年達が日々厳しい修行をしている・・・なんだか不思議。でも、きっといい経験にはなるんだろうな。若い内に一度はここで修行すれば、一本筋の通った男になれそう。
ものすごく太い杉の木。冬はここに何メートルも雪が降るそうです。

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「東尋坊」
自殺の名所とも言われる断崖絶壁。海に面した景勝地であります。同じ類としては、前に東北の三陸海岸でものすごいものを見てしまったので、規摸や景観については、ちょっと負けてしまいますが、その代わり、橋を渡って雄島一周して、東尋坊まで遊歩道を歩き、東尋坊タワーにも登って満喫しました。
写真は、雄島の海岸にあった面白い岩。柱状節理(ちゅうじょうせつり)ってのはこれは別だったかな・・・「柱状節理」って何と聞かれると困るのですが、この一体は地層学的に面白い景観がたくさんあって、解説があちこちの看板に出ていたんですが、読んでもさっぱり分からん~。「柱状節理」は言葉だけ覚えてきました(爆)。でも楽しかったです^^

東尋坊のあたりでは、日本海に沈む夕日を見ることもできて、最高の気分でした。写真は撮れなかったんですが。夜は、海に面した日帰り温泉で一風呂浴びて、夜の海岸から海を眺めたりもしました。

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翌日は、福井市立郷土歴史博物館と隣接する越前松平家の別邸であった「養浩館庭園」を見学。

おかげでずいぶん福井には詳しくなりました。
養浩館庭園は、池の上に建物があって、とてもいい雰囲気。お茶をいただきながら庭園の風景を眺めました。

福井の初代藩主は徳川家康の次男であった結城秀康だそうです。
次男だから将軍になっててもおかしくないのですが、豊臣家や結城家に養子に出されたこの次男は、家康には嫌われていたとかで。将軍にならなかったのにはいろいろ理由はあったのでしょうが、調べてみると、彼は心情的に義理堅い男だったように思われます。豊臣家にも結城家にも義理を感じ、松平でも徳川でもなく「結城」と名乗っていたのはそのせいでもあるのでしょう。

将軍にはなりませんでしたが、2代目将軍の兄でもある彼が初代藩主となった越前藩は御三家と同格の扱いを受け、日本の歴史の中で重要な役割を果たすことになります。
第16代越前松平藩藩主の松平春嶽(まつだいら しゅんがく)なんて、そのままドラマの主人公にできそう。

歴史や地理や地学。知らない場所にいって知らないことを学ぶ。
なんかこういう体験久しぶりです。だから旅はいいな。

福井の友人と別れた後は、サンダーバードで大阪に向かい、新大阪のスーパーホテルで一泊した翌日に、日本棋院関西総本部で囲碁友と囲碁を打ちました。お昼は「ゆかり」でお好み焼き、夜は551蓬莱で豚まん。大阪では観光はしませんでしたが、のんびり滞在しておいしいものも食べて帰ってきました。

帰りも夜行バス。3列シートだったのでのんびりできました。帰りのバスは草津経由だったのですが、草津って群馬県以外にもあるのね・・・いや、本気で群馬の草津を通るなんてどんなルートだか不思議に思っていました・・・
この場合の草津は滋賀県の草津。夜行バスの中はカーテン締め切りで外は分からなかったんですが、こういうときに、携帯電話で「今ココ」って住所を調べる機能があるのはとても便利だなぁと思いました。
誘拐してさらわれても携帯があれば便利かも♪(誘拐だったら、最初に取り上げられるからだめでしょ)

というわけで無事に戻ってきました。車中泊のも入れれば5日間の旅なんですが、意外とすぐに過ぎちゃいました。
楽しかったなぁ~。

またこういう旅したい。
皆様の中に
「遊びにおいで」
という方がいらしたらぜひお声をおかけ下さい。
国内ならばどこへでもおみやげ持って伺います^^


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