« poem(93) | Main | また風邪ひいた(>_<) »

2011.02.09

貴志祐介「新世界より」

貴志祐介さんと言えば、最近ですと、「悪の教典」という作品が「このミステリーがすごい!」で1位になったので話題になりました。

以前だと映画化された「青の炎」(私はこれが一番好きだなぁ)とか保険金殺人の「黒い家」など、話題の作品を多く世に送り出している作家さんであります。

「悪の教典」も読んでみたいのですが、すみません、もう我が家には本を置くスペースがないので、本はすべて図書館で借りることにしています。悪の教典が読めるのはいつのことやら。

読みたい本は図書館で予約するんですが、囲碁関連の小説で本屋大賞をとった「天地明察」という本なんて1000人以上の待ち状態です。ひぇぇ。

「新世界より」も、最近文庫が出たばかりなんですけど、ハードカバーは待ちがなくすぐ借りることができました。

・・・お気づきでしょうか。
「新世界より」というこのタイトルですが、これはドヴォルザーク作曲の交響曲のことでして、このブログのタイトルにもなっている「遠き山に日は落ちて」のことであります。
小説の中で、主人公たちが住む町の夕暮れにいつもこの曲が流れるそうですよ。

ハードカバーは上下巻なんですが、私は種明かし前の上巻がよかったなぁ。
小さな町の数々の謎を推理しながら読み進めるのが楽しかった。

学校・・・伝説・・・いなくなったクラスメイト・・・謎の中庭・・・
なんで学校ってそういうミステリーに満ち溢れているんでしょうねぇ。

小説は、そういう小さな町のとある学校の仲良しグループの冒険譚から、下巻では一転して血なまぐさい戦と殺戮の話になっていくのですけど・・・

読み終わって私が思うのは。

人間って、何も呪力なんかなくても、車の一台もあれば秋葉原の交差点につっこんで多くの人間を殺傷したりできてしまいます。やろうと思えば本当になんでも。

でも、一部の例外を除いて多くの人々は、殺しあったりはしないですよね。

甘いのかもしれませんが、私はそういう人間を信じていたい。

動物が本能的に持っている「攻撃性」を、抑制すること・・・それもまた我々の本能であると信じていたいのです。

もし、将来・・・いやもしかしたら今も現実に「業魔」や「悪鬼」に相当する存在というのは誕生しているのかもしれない。
てか、私が知らないだけで、実は「呪力」のような力を持つ人たちというのは世の中に実在するんじゃないかと、昔からSF好きな私などは思ってしまいます。

でもちゃんとこの世界がまだここにあって、継続しているのは、どこかにそれを制する人や仕組みもまた存在しているからなのだろうと。ますますSFですかね。

日本では、たとえば大手ドラックストアなどで、店員から見えない店の外にトイレットペーパーが並べてあっても、いつの間にか持っていかれちゃったりしないじゃないですか。

平和ボケと言われようとも、そういう信頼で成り立つ世界を維持していきたい。
逆にそういう信頼で成り立つ世界を維持できるような、貧富の差のない、みんなが中流でいられる世界をなんとかしてこの先も守っていかなきゃ。

そうでなくなったら、やっぱり殺し合いは始まる。日本人なんてもともと神様さえ信じてないのだから、何でもアリになっちゃったらどこまで落ちるか想像もつきませんもの。

ちょっと感想から話がずれました。
貴志さんはちょっと「新世界より」に話を詰め込みすぎた感があります。
いっぱい書きたくてしょうがなくなっちゃったんだろうな。

もう少し・・・私としてはそういう人間のあり方、みたいなところに突っ込んでほしかったんですが、その先は読んだ私たちが考えろってことなのかもしれません。

|

« poem(93) | Main | また風邪ひいた(>_<) »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

わたしも読みました。
メルヘンな雰囲気も漂いつつ、異様に恐ろしいというか…。結末が思い出せそうで思い出せずにいますが、すごく意味深な結末だったような気がします。そうじゃなかったでしたっけ?

わたしは、貴志祐介の作品で一番好きなのは「クリムゾンの迷宮」です。この作品も、「新世界より」に似た匂いがしますが、なんかすごく面白かった。この作品がきっかけでしばらく貴志作品を読み続けました。

「悪の教典」ですか。読んでみたいです。

Posted by: とと | 2011.02.09 at 22:55

ととさん、こちらにもコメントありがとうございます。

「クリムゾンの迷宮」は文庫版を持っています。ちょっとゲームっぽいですが、かなり面白い小説で友人に貸してもおおむね好評ですね。

「新世界より」のラスト、意味深でしたか?
いかん、こういうときに図書館の本だと読み返せないからな・・・

これから本屋でちょっと立ち読みしてきますわ^^

Posted by: BUBI | 2011.02.11 at 13:15

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47997/50816454

Listed below are links to weblogs that reference 貴志祐介「新世界より」:

» 半身浴読書~114~ [元気に愚痴る♪]
『新世界より(上・下)』 / 貴志祐介,読了. 今から1000年後の世界を生きる [Read More]

Tracked on 2011.02.09 at 23:10

« poem(93) | Main | また風邪ひいた(>_<) »