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2011.11.19

家政婦のミタ

以前、「女王の教室」というドラマのファンでしたので、同じ脚本家の作品で、視聴率急上昇という「家政婦のミタ」というドラマを一気に5話、有料の動画サイトで見てみました。

「有料」というところがポイントです。5話で1575円、映画1本分の費用ですが、それを払ってもどうしても見たいと思える作品です。

あちこちで評判になっているので、興味のある方はネットで検索していただければよいのですが・・・いやぁ、すごい。
「女王の教室」の悪魔のような女教師もすごかったですが、「家政婦のミタ」の家政婦さんもすごいですよ。
彼女、自分で「心がない」と言っていましたが、まさにロボットのような家政婦さんです。
というか、見ている内に、本当にこの人はロボットなんじゃないかと思えてきます。

そのロボットな感じが本当に独特です。
命令したことは何でもやってのける「道具」。
子供にとってはまさに「おもちゃ」。ドラえもんといってもよいかも。
自分にはできないことを代わりに何でもやってくれます。

なんでもやってくれますが、彼女は人ではなく道具なので、
「なぜそんなことをしたのですか」
と尋ねられれば
「○○さんにやれと言われたからです」
と答えます。

人を殺しかけても、誘拐しても、殴っても、近所の家をめちゃくちゃにし、会社で社員の不倫の事実をビラにしてばらまくのも・・・すべて「命令されてやりました」となる。その結果の責任は、命令した人に返ってくるのです。子供が命令してもそれは同じ。

いや、その・・・普通、人ならば、命令されても人を殺したりしないですよね。(当たり前だ)
そして殺せば、命令した人間もですがやった本人にも責任がある。
でも、そのドラマの中ではミタさんを責める人は誰もいません。それを見ているこちらも不思議に思わなくなってくる。
ロボットに何か言ってもどうしようもない。そう思ってしまう。

そういう価値観がおかしくなってくる感じがこのドラマにはあるのです。

でもよーく考えてみれば。
ミタさんはやっぱりロボットではないのですよ。

命令すれば人を殺しかねないミタさんですが、珍しく5話で、
「俺の気持ちなんかおまえにはわかんないだろ」
と言われ
「分かります」
と答えました。

ミタさんが何かを人に言われたときに言う台詞には
「承知しました」
「それはあなたが決めることです」
「それはできかねます」
などがあるのですが、5話も見ているとだいたい
「あ、これからミタさんはこう言うな」
というのが分かってきます。
それだけに
「分かります」
は意外でしたね。パターン破り(笑)。

ミタさんには今のミタさんになった事情がある。悪魔の女教師がそうなった理由があるように。
おそらくだんだんそれが明らかになっていくのがドラマなんでしょうが・・・

できればあまりネタバレして欲しくないな。
ミタさんには今のミタさんでいて欲しい。

人はいつも「できないこと」を周りのせいにします。
俺は本当はこうしたいのに周りのせいでできない。
それを理由に周り(親や学校や世間)を責めたりします。

ミタさんの存在はその言い訳をできなくする。

(できますよ・・・全てあなたの命令どおりに。
 でも、本当にそうしていいのですか?
 それで本当に問題の解決になるのですか?)

ミタさんはそんなことを口で言うのではなく、実際に行動して、その結果を本人に突きつけます。
見ていて大変気持ちがいいのです。

今、ドラマで、ミタさんを雇っている家は、お母さんがいず、父と子供4人の家庭。
その家のお父さんがなかなかに情けない。
でも、いますねぇ、このお父さんに感情移入しちゃう人って多いですよ、きっと。

4人も子供がいるくせに、自分の子供を愛せない。
いつも「こんなはずじゃなかった」と思っている。
できちゃった結婚さえしなければ・・・子供や家庭がなければ・・・もっと俺の人生は・・・みたいな。

でも、彼は彼なりに努力をしていいお父さんをしてきた。私はこのお父さんを責める気になれません。そんなことを思うなら結婚するなよ、とも思わない。
だってこんなに立派な4人の子供達。彼がそうしなければ生まれてこなかったんだから。

人は完璧じゃない。弱いところもへたれなところもある。でもそういう弱い部分をもちながらも、人として必死にがんばってる。
そういう人間を、私は愛おしいと思います。
なんて、まあ、それで職場の若い女の子と不倫されたら、やっぱむかつくでしょうけどね(爆)。

私はミタさんが好きだなぁ。
そしてミタさんの周りの子供達も、お父さんも。
ミタさんもいっしょに、6人で、ずーっといろいろケンカしたりいろいろしながら暮らしていって欲しいな。

そして私のところにもできれば月に一度くらいミタさんに来て欲しいです♪
ミタさんはニコリともしないけど、掃除が一通り済んだら、座ってもらっていっしょにお茶したい。
いろいろ相談して「それはあなたが決めることです」と言われれば、
「そっか~。やっぱりそうよねぇ」
って言ってまた次の日から、ミタさんがいなくても一人で頑張るのですよ(笑)。

ミタさん、大好きです♪

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