poem(99)
「タミフル」
その薬を飲むと不思議な夢を見るという
もうとうの昔に亡くなった母が当たり前にいて
昔飼っていた猫が一緒の布団で丸くなる
誰も訪れる予定はないのに
インターホンが何度も鳴った気がしたし
誰も番号を知らないはずの電話も鳴っていた
キッチンの蛇口からは水がぽたぽた垂れて
何度締めに行っても
締めた途端に
自分の体が布団から1mmも出ていないのに気付く
・・・
そんな日々を何日か経て
熱はやがて下がる
おやおや
この部屋にいるのは私だけ
不思議だね
夢の中の方が
私は一人じゃない、なんて
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