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June 2012

2012.06.24

「大往生したければ医療とかかわるな」

「大往生したければ医療とかかわるな」(著・中村仁一)という本を読みました。

 ちょうど、読売新聞の記事でも「こんな記事」が出ていましたが、趣旨はこの記事と同じ。日本では、人を生かすためにできる限りの処置をするのが、正しいことだとされています。本人が望もうと望むまいと。

 私は以前から「患者よ、がんと闘うな」でおなじみの近藤誠医師の著作が好きでよく読むのですが、近藤さんの著作の趣旨とも共通しているような気がします。

 「大往生したければ医療とかかわるな」という本を読んでいると、昔読んだ、これは完全なフィクションですが「廃用身」という小説を思い出しました。

 たとえば、ある老人ホームに入居した老人は、倒れても病院に運ばれないとしますよね。
 食べられなくなったら、食事は与えない。
 飲めなくなったら、水も与えない。
 そうして静かに亡くなっていく・・・として。

 そんな施設がこの日本で実在できるものだろうか?と考えてぞっとしてしまいました。そのくらい、この本に書かれていることはどこかフィクションのようなのです。

 鼻や胃から無理やり栄養を詰め込まれて動けない状態で、何年も生きて死を迎えるよりも、動けなくなったらすっ死を迎えることを望む人の方が多いんじゃないかと、私は直感的に思うのですが、実際のところどうなのでしょう。そういう人にとっては、余計な医療行為を施さず、もしかしたらそこで死を迎えるかもしれない老人も、ちゃんと受け入れてくれる老人ホームが実際にあったら、とてもありがたいはずなのに。

 少なくとも、私はそうありたい、と思ってしまいます。

 最近はたまに自宅で一人で亡くなる女性が多くて、もちろん50代や60代だと、
「もし一人でなくて、異変があったときに、誰かがそばにいたら助かったかもしれないのに」
 と思ったりはしますが、「自宅で一人で亡くなること」自体はそれほど悲劇ではないんじゃないかと私は思います。
 誰だっていつかは死を迎える。それがいつもの自分の家で、まるで生の延長のように、安らかに亡くなるのだとしたら・・・ね。

 「死」というものを。
 これだけ延命の技術や医療が進歩した今に至っては、もう一度ちゃんと考える必要があるんじゃないかなぁ。
 人がみな、より良い最後を迎えるためには、食べられなくなってもお腹に穴をあけて栄養を送り込めば生かすことはできると分っていても、それをするのが本当に正しいのか、考えてみないと。

 私はいくつまで生きるかな。
 誰にも分からないことだけど、いつ死んでも悔いがないように今日を生きていきたいと思います。
 

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2012.06.23

憧れのアルテピアッツア(6)-番外編-

 Dsc00423 さて、お届けしてまいりました、アルテピアッツアのお話もようやくラストとなりました。左の写真は「帰門KIMON」という作品です。
 また、アルテピアッツアに帰ってこれますように。一連の記事のラストはこの作品で締めたいと思いますです。

 安田侃(かん)さんの作品は、ここ、アルテピアッツアだけでなく都内や全国のいろいろなところにあるという話を前に書きましたが、海外にもいくつかありまして、この「帰門」という作品は、イタリア、ミラノのパルコ・ソラーリという公園にもあるそうですよ。イタリアはそう簡単にいかれないのですが、もしも、機会があったら、行ってみたいな~~♪

 さて、この先は番外編です。
 アルテピアッツアが北海道の美唄にあるのは、安田侃(かん)さんが、美唄生まれだからに他ならないのですが、北海道出身の芸術家ということで、美唄以外でも、安田さんの作品はあちこちに置かれています。札幌だけでもいくつかありまして、せっかくなので、周ってみることにしました。
 Dsc00435 こちらは、札幌駅のモニュメント。アルテピアッツアでは、気軽に触ったりするのがはばかられましたが、ここの作品は普通に、待ち合わせの人が周りにいて、寄りかかったり、穴のところに座ったりしてるんですよね。
 もともと、そういうふうに親しまれるために安田さんの作品はあるので、もちろんそれでOK♪ でも写真を撮るのはちょっと苦労いたしました。

Dsc00445 もう一枚は札幌の創成川公園にある作品。もうだいぶ暗くなってきていたので、写真も夕闇に包まれています。
 左側にちょっと写ってるのは北海道のテレビ塔。テレビ塔とうまく合うように作品が置かれています。そういうふうに置くところに合わせて、作品が選ばれているのがすごい。ぜひ、札幌のテレビ塔を訪れる機会があれば、その近くの創成川公園を訪れて、実物を見てくださいね。アルテピアッツアもよかったのですが、創成川公園の作品も感動したなぁ~。
 創成川公園には、この作品以外に安田侃(かん)さんの作品は二作品、置かれています。
 

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2012.06.16

憧れのアルテピアッツア(5)

 え~、ちょっと間が空きまして申し訳ありません。足の炎症の方は無事に鎮静化しまして、明日、もう一度病院で見てもらってきます。のど元過ぎれば熱さ忘れる、で、もうすっかりいいのですが、再発防止方策などを聞いてこようかと思います。

Photo で、アルテピアッツア。
 記事を書いているうちに、かなり季節は移ってまいりました。夏もまた行こうかな~なんて今は思っています。

 廃校になった旧小学校の木造校舎を利用した展示がなんとも趣があって、すっかり気に入ってしまった話を前回までに書きました。
 写真を撮ったり、作品は座ったり、触ったり、自由にしていいとのことなので、ちょっと腰かけてみたりしまして・・・あ~いいなぁ。

 一人旅なので、座っているところの写真は残念ながらありませぬが、一枚くらい、その辺の人に撮ってもらえばよかったな。

 写真の方は、木造校舎内の事務室に置いてある作品。何気にとても気に入ってしまいました。係の人によれば安田侃(かん)さんの作品の中では比較的初期のものだそうです。
 安田さんの作品は、今まで見ていただいたとおり、非常に抽象的なものが多いのですが、これは比較的、見て
「なるほど」
と思う作品。タイトルは「アダムとエヴァ」。
・・・写真でわかるでしょうか。女性の胸やヒップの柔らかい曲線が表現されていますよね。「アダム」の方は言わずもがな。
 じっくり眺めてしまいました(笑)。

 「作品にタイトルがあったのか」
 と今さらながら思われた方はいらっしゃいますでしょうか。
 私、今までずっとアルテピアッツアを周ってきましたが、作品の近くには、タイトルとか何も表示されていません。係の人にその点を尋ねたところ、安田氏ご本人が、作品にはタイトルなんかなくてもいい、という主義の方らしいです。見た人が見たまんま感じてもらえればいいと。

 ・・・そういう自由な感じも好きだなぁ。でも作品を管理する係の方々にとっては、名前がないと、管理しにくいので、それぞれ一応、タイトルを付けておられるとか。タイトルを聞いても「???」なタイトルのものが多いんですけど^^

Dsc00398 たとえばこちら。
 「意心帰 ISHINKI」というタイトルがついています。これだけでは何のことやら、という感じですよね。

 ただ面白いことに、安田さんの作品って同じモチーフでも、大きさが違ったり、色が違ったり、それぞれの作品の置かれている場所や風景にぴったり合うように、いろいろな作品が作られているんですが、同じモチーフのものには同じ名前が付けられています。

 だから同じ「意心帰 ISHINKI」というタイトルの作品が、実は今まで紹介してきているものの中にもありました。この記事の作品は木造校内の階段の手前に置かれているのですが、もう一つのは屋外にあります。
 さぁ、どれだかわかりますか(笑)。

 他にも「天秘 TENPI」「妙夢 MYOMU」など、代表的なモチーフがありまして・・・知れば知るほど、興味が湧いて来ます。

(6)へ続く

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2012.06.04

またしても-2012-

 さて、アルテピアッツアの記事がまだ続いているところですが、緊急に記事にしておかねばならぬ事態が発生しました。

 昨年4月にもこんな記事をアップしましたが、昨日からまた同じ症状が。過去記事を見ると分かるのですが、その前は3年前だったんですよね・・・今回はたった1年で再発。うわ~いやだ~(泣)

 足の付け根が炎症を起こしてパンパンに腫れ、場所が場所だけに歩くたびに激痛が走り、動けなくなる、というこの病気。経過からいえば、毎度、病院に行って、腫れたところから膿を出してもらい、安静にしていれば、1週間程度で治っていく、という、別に不治の病でもなんでもない症状なのですが、何日か動けなくなってしまうのがダメージが大きいのですよね。それに痛みがひどい。今日はホントは仕事を休めなかったのですが、とにかく動けなくて痛みもひどく、そんなこと言ってる場合じゃなくなってしまった^^; 仕事は休ませてもらって病院へ行ってきました。
 我慢できないほど痛いって、本当にまいってしまいます。

 病院は来週もまた行ってきます。その時に再発防止のための方法も聞いてこよう。1年に一度って花粉症じゃないんだからさ~

 病気は・・・でも何もしなくてもなる。
 
 数年前からよくそう思うようになりました。どんなに気を付けていても、日ごろの行いを呪っても、なるときはなる。なったときはもう、なすすべもなく降参するしかありません。
 なったらなったで考えられる限りの「善処」をするしかないわけで。その善処のためにも、2012年の症状をこうしてブログに残しておきます。

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憧れのアルテピアッツア(4)

Dsc00385 雪に埋もれた作品まで見に行こうとがんばったものですから、すっかりスニーカーの中までびしゃびしゃ。天気も怪しくなってきたので、制覇はさすがにあきらめて、室内展示の方を見に戻ってきました。
 アルテピアッツアのメインは、この1981年に廃校となった旧栄小学校の木造校舎内の展示です。最初の写真は校舎を外から見たところ。面白いことに、一階は保育園になっていて、二階がメインの展示場です。
 ここの展示場に、アルテピアッツア全体の事務室があって、外を闇雲に歩き回る前に、ここを最初に訪ねるのが利口でした。前にも書きましたが、ここで長靴が借りられたんですよ。そうすれば靴や靴下をビシャビシャにしなくて済んだのに。

Dsc00389 校舎の二階へ外階段から入り、木造の廊下を歩いていくと、ありました。教室のスペースに、ぽつぽつと、作品が並べられています。この景観が何ともいえずよいですよね。これが見たかったのよー♪
 なんかストーブまで作品みたいですよね。
Dsc00388 窓の向こうにはこんなふうにアルテピアッツアの作品群が広がっています。

 ああ~いいな~。ずっとこの空間にいたい。
 手前側に、円い座布団みたいな作品がありまして(このブログの下方に写真あり)。係の人に聞いたところ、ここの作品は自由に触ったり、座ったりしていいそうなので、人がいなくなった隙を見はからって、座ってみました。大理石なので、ひんやりしているんですけど、座り心地は最高。
 いかがでしょう、貴方のお宅にもおひとつ・・・(なんてウン百万以上するんだろうなぁ~)

 Dsc00399


こちらの写真は階段の踊り場。こういうスペースにも作品が置いてあります。
 ああ、いいなぁ。アルテピアッツア♪
 私は、ここがめっちゃ気に入ってしまいました。     (5)に続く。
Dsc00408


 

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