最愛の人を喪う時~大奥・誕生~
TBSドラマ「大奥~誕生【有功(ありこと)・家光篇】」が先週、金曜日に最終回を迎えました。
かなりストーリーをはしょっている気がしたんですが、ネット上でいろいろな記事を読むと、どうも原作もこのあたりのストーリーははしょり過ぎていて、逆にドラマの方がいろいろなオリジナルエピソードを追加して丁寧な作りになっている、とか。
そうか、これでもがんばってくれたのね。
視聴率が思ったほど出なかったにも関わらず。
私はとてもこのドラマ、好きなんですが^^;
家光の死因は結局何だったんだろう?
唐突に倒れて、意識はあるのに、そのまま衰弱って・・・諸説の中には、いわゆる生活習慣病からくる脳卒中とか心筋梗塞だとかっていうのがあるんですが、今回の男女逆転「大奥」の場合は、ちょっとそれは不自然な気がしてしまいます。
まあ「男女逆転」自体がフィクションだから仕方ないか。
最終回は淡々と進みます。
家光に3人目の姫が生まれる。そして、倒れる。亡くなる・・・
あれ? って思いました。
亡くなるのは知っていたんですが、ドラマ的にはそこが大きな山場になるはずなのにあっさりそこがスルーされてしまったので。
女性・家光が正式に将軍としてその地位に就くまで、将軍の代わりとして影の役割を果たしてきた正勝の自決が丁寧に描かれていてジーンとするシーンなどはあるのに、なぜ家光の死がスルーなのかと・・・
実は最終回の前の、前回の放映では、春日局の死後、やっと家光と有功が誰はばかることなく、一緒に過ごせるのかと思ったら、まさかの有功の「お褥(しとね)辞退=大奥総取締就任」。これもけっこうショックで。というか、なんでそういうことになったのか、今一つ、私にはよく分らなかったのです(汗)。そのあと、いろんな方の感想をインターネットで読んで、ようやくなんとなく納得はしたんですが、ドラマとしてはちょっと説明不足だったのではないかしらん。
ずっとこの二人の、
「宿命の前に、互いの思いを押し殺し、譲らざるを得ない悲しい恋」
に胸を痛め、いつの日か二人の思いが果たされる日を夢見てきた私としては、なんかこの二人とドラマそのものに置いてきぼりをくらったような感じでした^^;
その上、最終回でも、そのまま、家光が亡くなって終わってしまうんじゃやるせない気持ちになってしまいます。
が、最終回はそのまま淡々と進んで、お世継ぎは、長女の千代姫となりました。
のちに三女、徳子姫が五代将軍、綱吉になるそうなので、玉英が「将軍の父になる」という予言は真実だったということはいずれ証明されることとなります。22日公開の映画の「大奥~永遠」は綱吉篇なので、まさしくその話なんですけど、もうその頃は、有功も玉英もいないんだろうな・・・なんかさみしいな。
千代姫が将軍を継ぐと同時に、下の二人の姫たちは所領を与えられ、江戸城を出ることとなり、玉英もまた大奥を出て出家。もともと彼は僧だったから、僧に戻ることにそれほど違和感はないだろうなぁ。少なくともお夏よりは^^;
そして皆が去った後に、一人、有功だけは残る。
女性の家光が、将軍として就任したあとにまだ大奥に残った正勝も不思議ではありましたが、普通に考えて、有功がまだ大奥にいるのは、誰がどう見ても不思議ですよね。玉英も言ってました。「有功様も出家なさるのだと思っていた」と。
ところが彼は残る。
そこからやっと有功の回想という形で、家光の最期のシーンが始まります。
・・・泣けました・・・
最愛の人が、目の前でこの世を去っていこうとするとき、もし自分だったら・・・とつい考えてしまいます。
やっぱり堺雅人って好きだなーーーーーー
この抑えた演技がどうしようもなく、胸にせまります。
涙こそこらえきれずに流れますが、彼は表情を乱すこともなく、その瞬間まで家光を見つめています。
そして「一緒に死んでくれ」とまで言われた相手に、今度は「生きよ。亡きあともわしのためだけに」と言われて静かに「はい」と答える。
その誓いがあるからこそ、家光亡きあとの大奥、そして将軍を守るために、有功はここに残るのか・・・
・・・いやぁ、なんかねーーー
なんでこのドラマがこんなに好きなんだろうとよく思うのですが、やっぱり思うようにならない人生でも、それを嘆いたり、呪ったり、誰かを恨んだりすることなく、自分なりの筋を通し、思いを貫く。
そういう有功の生き方が、私は好きなんだな~~
私も、もちろんスケールは数千分の一ではありますが、同じなので。
誰かを好きになったり、思いを寄せたり、何かを願い、それがかなったり、かなわなかったり、かなわなくても違う何かを見つけられたり。人生ってそういうもの。
有功を見ているとそういう自分の思いが重なってしまうみたいです^^;
そして
「この国はまだ滅びぬような気がするのです・・・」
うん。そうだよね。そうであってほしい。
だから、皆様。
蛇足ではありますが、まだ行ってない方は、ぜひ、本日、選挙に行ってくださいませね。
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