売春はなぜいけないか?
橋下さんが「慰安婦は必要だ」と発言した、というのがニュースになっております。
うーん・・・言ってることは分からないでもないのですが、私が女性だからか性行為を商売にすることを当然だと認めたくない気持ちがどうしてもあります。
もちろん「慰安婦」に関しては、時代背景とかいろいろあって「性行為を商売とする」ことだけが問題なのではないことは分っていますが・・・なので少し整理して考えてみることにしました。
そもそもなぜ売春はいけないのか?
突き詰めて考えていくと、もしかしたら「売春」そのものがいけないわけではないかもしれません。
人には職業選択の自由があって、本人が望まないことを強制されることは人権にもとる行為です。
逆に言うと「売春」も本人がそれを職業として選んでいるのならありなのかも。
消費者が望むサービスを提供し、それで報酬を得る。その手段の一つならありでしょう。
顧客が納得する最高のサービスを提供できるプロフェッショナルなら、それこそ高級マンションに住んで、ブランドの服やバックをいくらでも買えるような報酬を得て当然って気がします。
いけないのは、たとえば幼児売春のように、未成年者を本人の意思決定がないままに、周囲の大人(たとえば親。海外の例ではそんなのばっかりみたいです)の都合で売春をさせて、本人たちよりも周りが儲かってたりするからですな。未成年はそういう意味で売春はさせてはだめだし、買うのも犯罪。
職業なら、他の仕事と同じで、何かのトラブルが発生したときの対応とか、保険とか、年金とか、保証とか、ちゃんと働く人を守る会社組織みたいなものが本当は必要なんだろうな。とかく、こと売春の場合は、組織は本人たちからアガリをかすめとるような悪者っぽいイメージがありますが、そういう仕事だからこそ、ちゃんと労働者を守るルールを作り、それを守らない客は取り締まってもらわないといけないと思います。水商売と言われる接客業は、そういうちゃんとしたお店もあるよーな(ドラマでしか知らないけど)。
「慰安婦」がそういうれっきとした職業だったのかどうか・・・
もちろん、今でも貧しくて他に仕事がないから、本当はしたくないけれど、体を売る仕事に就くしかなかった、というのが、幼児売春が問題となっている国などの実態なのでしょうから、職業選択の自由もへったくれもなく。
そこがこの問題の難しいところではあるのでしょう。被害者にとってみれば「強制」で、そうでない側からすれば「自由意志に基づいたものだった」となる。ただ・・・ここを争うのはひどく不毛な気がしてなりません。
日本国憲法曰く。
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
『ひとしく恐怖と欠乏から免れ』です。貧困ゆえに、売春を強要されるような世界が現実であるならば、そこから脱しないといけない。「理想」ですから迂遠なことは覚悟の上です。
少なくともこの先、二度とそういう悲劇を繰り返してはならないし、今、そういう状況にある国があるならば、それを是としてはいけない。
そんなふうに思います。
ただ、こうやって整理してもなお、なんとなく釈然としないのは・・・やっぱり私が女性だからだろうなぁ。
性欲ってのは個人差があるものですから、一概に言ってはいけないのかもしれませんが、ぶっちゃけ、「慰安婦がいなかったら現地の女性をレイプするのが当たり前」「慰安婦は現地の女性を守るために必要」ってのは、どうにも納得ができない。
そこまで人間って性欲をコントロールできないものなの? 人間も動物だからしょうがないって?
そこまでどうしようもないなら、いっそ去勢しちまえ! (暴論ですよね^^; 分ってます)
もとい、元に戻らない去勢はそれこそ人権にもとるからだめだとしても、今なら一時的に性欲を減退させるような薬、作ろうと思えば作れるんじゃないの?
沖縄で性懲りもなくレイプ事件を起こす米兵には、自分で性欲をコントロールできない以上、そういう薬の投与が必要なんじゃないかと本気で思います。
人間は、ちゃんと理性でコントロールできる。私だってできればそっちを信じたい!
そういう信頼に基づいて、去勢も、薬も、誰も何も言わないでいるのに、もし、橋下氏がいうようにそこまで人間がどうしようもない生き物ならば、本気でそういう方法を考えなければいけないんじゃないの?
橋下さんにはいっそのこと、そういう提案をしてほしいですわ。
・・・
♪あたし男だったらよかったわ
♪力づくで男の思うままに
♪ならずに済んだかもしれないだけ
♪あたし男に生まれればよかったわ
・・・
これは中島みゆきさんの「ファイト!」という歌の一節ですが、こんなふうに嘆かずにいられない女性がいなくなるようにと、願ってやみません。
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Comments
売春は人類最古の職業、と言われる事があります。日本では昭和33年に売春防止法ができましたが、それで禁じられたのは管理売春、つまり、いわゆる置屋を経営することで、個人が売春したりそれを業とすることは禁じていません。
だから、「売春そのものがいけない」かどうかは個人の価値観によると思います。
そこで軍の慰安婦ですが、必要だったかどうかはさておき、自発的に応募したのなら、その人の価値観なので外野がとやかく言うことはないでしょう。
貧しくて嫌々というのはまた別の問題ですが、凶作で娘を売るしかないという農村の実態が二二六事件の一つの原因であったように、実際は絡み合っていたと思います。
従って、国策として駐屯地に慰安所を置くことが貧しい家の娘をそこに引っ張り込むことになり・・・ということであれば、「意に沿わず」の意味が必ずしも「強制的に」ではないかもしれず、その辺が難しいと思います。
なお、戦後のいわゆるパンパンの一部には、「私たちは同胞女性を米兵のレイプから守っているんだ」という自負もあったようだと聞いており、橋下氏が沖縄に性風俗産業を・・・と言ったのは、それに近い意味だと思います。現代の風俗嬢で貧しくて嫌々・・・という人は少ないようなので一理ありますが、賛否は保留します。
Posted by: 春海 | 2013.05.16 19:51
「今なら一時的に性欲を減退させるような薬、作ろうと思えば作れるんじゃないの?」と言う意見には同感です。
しかし、職業としての売春婦論については、男性はコメントしづらいですね。「有りなのかもしれないけど、理論的にはちょっとおかしいのでは?」と思います。
そうせざるを得ない社会は、やはりちょっとおかしいと思います。
一体全体、「それ」は売りものなのでしょうか?
いや、売っても良いものなのでしょうか?
売り手と買い手がいれば、商売は成り立つものですから…。
また、男は、皆どうしようもないけど…。
しかし、そういう男も程度問題で、理性を一生懸命働かそうとしている男も少なくはないですよ。
そういう本当の優しさを持つ人を早く見つけてください。
Posted by: | 2013.05.18 01:16
春海さん、そして名前のない方(今度コメントいただくときはなんでもいいので名前書いてくださいね~)いらっしゃいませ。コメント、ありがとうございます。
性犯罪を抑制するための薬、のようなものについては、おそらく同じようなことを考える人はいるのでしょうけど、実際の導入には男性には抵抗があるのでしょう。
女性の立場で売春を肯定できないのと同じくらい。
でも、そんなのを導入しないで済むように…男性には、まだ期待していたいところです。
Posted by: BUBI | 2013.05.20 20:58