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August 2013

2013.08.20

♪だんだん畑とうがらし~さよならするのよ~かん(瀬戸内旅行記2013・その6)

Dsc00528 というわけで「段々畑」の写真です。きれいですよね。本物を初めて見てちょっと感動しました。この日の小豆島は、曇りでしたが、たまに雨がざあっと降る天気。でも、なぜか、バスを降りて観光中は雨に当たらない。助かりました。

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右の写真は瀬戸内芸術祭の作品の一つ、「小豆島の光」という作品です。竹で組まれたドームになってまして、中にも入れます。かなり大きくて、何人もが一度に入れます。入ったら、ごろんと横になって上を見上げる。気持ちよかったですよ。下の写真は、中に入って上を見上げたところです。

作品に近づくためには、道路から、坂道を降りていかなければなりません。これ、ツアーバスじゃないと見逃しちゃいそう~
瀬戸内国際芸術祭の作品は、島のあちこちに点在していて、地図を片手に、探険しながら見つけるのがだいご味なのかもしれませんが、少しわかりにくいので、今年の夏の暑い中では、自転車で一人でまわるとかはとてもじゃないけどできなかっただろうなーと思いました。

「小豆島の光」はできたころは竹が青々としていたそうですが、できてから時間がたってだいぶ痛んできているそう。もしかするとここでの展示は今年で最後かもしれません。見られてよかったです。

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2013.08.11

♪愛があるからっきょう、大丈夫なのりたま♪(瀬戸内旅行記2013・その5)

 大好きなマンガ「ぼのぼの」で、「旅は行って帰って思い返すもの」というフレーズがあります。
 私は旅が好きですが、この言葉は正しいとつくづく思います。だってこうやって帰ってきてから何度も思い返すもの。実際に行って見た時の感動の数倍の効果をもたらしてるような気が致します。

 さて、瀬戸内旅行記2013もその5でやっと2日目に突入。いよいよ瀬戸内国際芸術祭の舞台の一つ、小豆島に渡ります。
Dsc00517 この旅行記では、ずっと「瀬戸の花嫁」のパロディをタイトルで流しています。これ、中学時代にクラスメイトが面白がってしょっちゅう歌っていてねぇ。フェリーに乗ってる間、脳内でずっと再生されていました。実際は、船や、島を移動するバスの中でも、この旅の間に聞く機会はまったくなかったです。不思議だな。なんか権利関係で問題とかあるんだろうか。

 初めての瀬戸内の海をフェリーで渡っていくと、まるで海とは思えないくらい穏やか。私が瀬戸内を訪れた日は、中国地方などでは大雨で多大な被害が出た日だったのですが、四国だけは天気が保ってくれました。私は基本、晴れ女。今回も晴れ女パワーを実感することとなりました。北海道で霧の摩周湖を晴れ渡らせた頃からもうこれは伝説といっていいでしょう(笑)
 瀬戸内って、思った以上にロマンティック♪
 海外の人たちがここにくるとこの海を地中海になぞらえるそうです。でも、1点だけ、地中海と瀬戸内海では全く違うので、海外の方が驚くことがあるそうです。聞いたことがありますか?
 それは、島々に緑がいっぱいなこと。地中海の島々は岩山ばかりだとか。瀬戸内の海も昔は岩山が多かったそうなんですが植樹が進み、緑豊かな島となったそうです。
 
Dsc00521  さて小豆島に着くとさっそく、左の作品がお出迎え。「太陽の贈り物」と名前が付けられています。小豆島はオリーブの産地。この作品の葉っぱもオリーブです。

Dsc00522右の写真はアップにしたところ。葉っぱの1枚1枚にこうしてメッセージが刻まれています。
 小豆島では、瀬戸内国際芸術祭の作品と一般的な小豆島観光の両方のスポットをバスで巡りました。美術品は島のあちこちに点在しており、場所もかなり分かりにくい場所にありました。個人で自転車でまわったら、汗だくになるだろうし、迷っただろうな~

 なお瀬戸内国際芸術祭のホームページはこちら。作品の一覧も出ていますので、そちらのページと合わせて、当ブログをお楽しみください。
 

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2013.08.09

♪若いとんかつ、誰もがんもどき、しんぱ~いするけどてかぼちゃ(瀬戸内旅行記2013・その4)

 さて、鳴門の美術館を出発し、一路、バスは宿泊先である高松へ。
 最初に書いたとおり、私は初の四国上陸なので、噂の「うどん県」も初めてでした。
 ここまで来たからには、本場のさぬきうどんを食べてみたいと思いましたが、うどんやさんて早く終わっちゃうところが多いんですよね。
 ホテルの案内によると、中には遅くまでやっているうどんやさんもあったのですが、ちょっと宿泊したホテルから遠かったので、結局、2泊目の夜にホテルの一番近くのうどんやさんで済ませてしまいました。

 泊まったのは高松東急イン
 なぜか東横インと隣り合っていたのが笑えます。
 
 ホテルを出て正面に大きなアーケード街があり、初日の夜はツアーにセットされていた東横インの夕食を済ませたあとに、ちょっとそのあたりを散歩してみました。

 高松のアーケード街はかなり立派です。私が今まで見た中で一番かも。
 私は「商店街」にちょっとだけ詳しいのですが、そうだなぁ、高松に匹敵するのは、仙台くらいでしょうか。
 都内で有名な武蔵小山や赤羽などもそれなりに立派ではありますが、地方都市のアーケードって規模感が半端ない。新潟の上越高田や群馬県の前橋もなかなかですが、高松のアーケードは広さにもいろんな仕掛けにもびっくり。お店が8時には閉店してしまうのが残念でしたが、もうちょっと見てみたかった気がします。

 ちなみに。
 東横インのホテルの夕食は、一応「夕食」らしい形だけは整っていましたが、どこで食べても同じ感じ。あれだったら食事なしでもよかったかな。まあ、ツアーの利益を出すためのしかけなのでしょうが、文字通り今一つ、でした。朝のバイキングの方が充実してんじゃね?って感じです。

 なお、うどん県で食べたうどんは、ひやかけうどんというセレクトがよくなかったのかもしれませんが、感動の美味しさはなかったです。普通だな~

 いえ、讃岐うどんは、今、都内でも美味しいのを食べられるところがあるもので^^;
 私のおすすめは上野駅の構内、中央口に降りる途中にあるうどんやさんで、あそこと比較しちゃうと、なかなか。まあ本当においしいところに、今回は行けなかったということでしょう。いつかまたうどん県の神髄を味わってみたいものです。
 
 今回は食べるよりも「見る」旅行。2日目は小豆島へ向かいます。

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2013.08.07

♪あなたの島エビフライ、お嫁にゆくのりたま♪(瀬戸内旅行記2013・その3)

Dsc00507 さて「大塚国際美術館」のお話。これをお読みの皆様は「陶板画(とうばんが)と言われて、何のことだか分かるでしょうか?

 いやぁ、お恥ずかしい話、私はこれを耳で聞いて「銅版画」だとばかり思っていました。陶板画というのは、文字どおり、陶器、今風にいうとセラミックの板に焼きつけて描いた絵のことです。詳細は、大塚国際美術館のホームページに載っていますので、ここでくどくど書くことは控えますが、簡単にいうと、紙や布などに描かれた絵というのは劣化してしまうでしょう? 壁画なども退色してしまいます。海外には、名画と呼ばれるいろいろな絵がありますが、長い年月の間に劣化してしまったものも多い。

 「大塚国際美術館」の「大塚」は大塚製薬の大塚ですが、その製薬会社が、瀬戸内の砂を使ってタイル作りを始めようということを思い立ちました。しかし…詳しい経緯は、それこそリンク先を見ていただくとして、とある理由でタイルはやめて、同じ陶板の細工でも、これで美術品を作ってしまおうと考えた。

 陶板に焼き付けた絵は変色もせず、ずっと残ります。大塚さんは、ここ、鳴門に、世界の名画を1000年先も2000年先も今のまま保存しておけるような美術館を作ったんですな。

 写真は、バチカンにあるシスティーナ礼拝堂を再現したホールの様子です。ミケランジュロが描いた天地創造の天井画があります。

 そのほか、世界中のあらゆる名画が、ここ、鳴門の美術館に陶板画として収集されています。
 モネもミレーもルノワールもフェルメールもゴッホもピカソも。ここに来れば全部見られます。

 まあ、複製といえばそうなのですがね。でも、今まで、何かの本でしか見たことがなかった名画を実際に目にするとやっぱりびっくりします。
 
 ただ「本物」を見たことのある人にとってはどうかな? そこがちょっと微妙といえば微妙。
 例えるなら「東武ワールドスクエア」みたいなものです。

 私はエジプトは行ったことないし、スペインも行ったことがないので、ミニチュアだとしてもピラミッドだとか、サクラダ・ファミリアとか見ると面白かったのですが、本物を知ってる人にとっては、そっくりさんでしかないわけで。
 陶板画もそう言っちゃえばそうなのかもなぁ。
 
 でも、もしお近くに行かれた際は、一度、ご覧になっても損はないと思います、「大塚国際美術館」。
 私は「怖い絵」という画集が好きなんですが、これで紹介されている絵画もいくつか展示されていました。
 そういえばドガの「踊り子」とかはあったのかな? とにかく広すぎて、作品数も膨大で、とても見切れません。もうちょっと近くにあればまた行けるんだけどな~

 四国の鳴門にそういう美術館があること、豆知識としてどうぞ知っておいてくださいませ。
 下の写真は、美術館の中から中庭を眺めたところです。

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2013.08.06

♪夕な~み小な~みそラーメン♪(瀬戸内旅行記2013・その2)

Dsc00511 これをお読みの皆様は、四国に渡るには三つのルートがあるのをご存じですか? 一番有名なのは、瀬戸大橋かな。瀬戸大橋は本州側は岡山県の児島(倉敷に近いです)、四国側は香川県の坂出を結んでおり、児島・坂出ルートと呼ばれています。三つのルートの真ん中に当たります。1988年に開通したそうで、これが一番古い。

 逆に一番新しいのは、本州側が広島県の尾道、四国側は愛媛県の今治を結ぶ尾道・今治ルート。三つのルートの一番西側になります。開通は1999年で「しまなみ海道」というと聞いたことがある方も多いでしょう。9つの島を10の橋で渡っていくルートです。私の友人はこのしまなみ海道を自転車で横断したことがあって、その旅もなかなか楽しいらしいです。いつか私も行ってみたいな。

 で、今回はというと、一番東側、1998年開通の神戸・鳴門ルートを渡りました。
 いえね、前の記事に書いたとおり、四国オンチな上に、今回は旅行会社におまかせのミステリーツアー状態ですから、お目当ての直島に行くのに、そんなところを通ること自体、全く分っておりませんでした。

 不思議ではあったんだよな。四国に行くには確か、広島あたりから橋を渡るんだとばかり思っていたのに、今回はなぜか、新幹線を降りるのは新大阪。そこからバス移動だなんて、ずいぶん手前でバスに乗り換えるんだな、と思ってました^^; 文字通り、東側のこのルートは本州側は神戸ですから、新大阪からバスで行ってもそんなに問題はないわけです。

 神戸・鳴門ルートは淡路島を通ります。
 そう、阪神淡路大震災の震源地となった淡路。実際には島ではなく海底にあたるところが震源地だったらしいです。橋を渡ってる時に、バスガイドの案内がありました。
 ツアーにはバスガイドがつきものですが、バスガイドの案内って好き好きがあるでしょうね。私はちょっとうるさくは感じましたが、それを覚悟でツアーに参加してるんだからしょうがない。ありがたく解説を頂戴します。そういう神戸の震災の話から、それなのにバスガイド氏が地震保険に入っていなくて入らなくちゃなぁと思っているというどうでもいい個人的情報まで、ミニ知識がいろいろ手に入ります。
 
 でも実際、なかなか橋は見事なものですよ。この記事の二枚の写真は有名な渦潮が見られる鳴門海峡の風景です。
Dsc00515 こちらの写真のような、時代がかった帆船やモーターボートなどが、渦潮のすぐ近くまで行くのを眺めてきました。そういうツアーもあるんでしょうね。

 鳴門か~
 いや、ホント、今回は自分がどこに行くのがほとんど分ってなかったので、淡路島や鳴門に行くとは思っていませんでした。鳴門って何県だか、分かりますか。私は知りませんでした。(←正解は徳島)

 実は今、直島あたりでは「瀬戸内国際芸術祭」というイベントをやっておりまして、今回のツアーはそれに行く旅。最初の記事に書いたとおり、直島に行きたいだけだったので、他にどんなところにいくツアーなのかは、行ってみて初めて分かりました。

 なんでわざわざ神戸から橋を渡って鳴門にいくルートを通るのかというと、鳴門にある、とある有名な美術館が、今回のツアー日程に組まれていたからです。有名といっても、どの程度有名なのかな・・・知る人ぞ知る、という感じかも。

 それが「大塚国際美術館」でした。
 いやぁ、なかなかすごいところでしたよ。続きは明日、「瀬戸内旅行記2013・その3」でどうぞ。

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2013.08.05

♪瀬戸わんたん♪日暮れてんどん♪(瀬戸内旅行記2013・その1)

 Dsc00605 昨年、北海道は美瑛のアルテピアッツアというところに二度も行きました。
 彫刻家、安田侃氏の作品が廃校となった小学校の木造校舎に展示されている公園で、そういう、野外に美術品が置いてあるところが好きで、美ヶ原高原美術館や箱根の森美術館なども度々訪れています。

 基本的に自分では絵は全く描けないし、あまり芸術的な素養はないのですが、見るのは大好き。
 特に日常の風景にちょっと変わったものがコラボしている風景はSF的で好きなんですよね。アルテピアッツアなどは、時間が許せばずっと見ていたい場所です。

 そんな折、ふと瀬戸内の「直島」という場所が、島ごと美術館になっているという話を耳にしました。
 今、検索してみると「島ごと美術館」っていうのは、しまなみ海道の「瀬戸田」のことをいうのであって、「直島」じゃなかったみたいだなー。行ってきてから言うな、って話ですが、そこがにわか美術愛好家というか、ミーハーというか(苦笑)。

 要するに、私ときたら瀬戸内なら小豆島や直島のある東側と、しまなみ海道の西側の区別さえろくにつかない、生粋の関東人なのですわ。なんせ四国自体、上陸が初めてだもんね。

 
 私の四国オンチは置いておくとして、知らない方にご紹介するとすれば「直島」というところは世界に誇る現代アートの島、と言われています。
 「地中美術館」という文字どおり、大部分が地下にある美術館がある。世界的にかなり有名なんですって。
 この地中美術館って、行ってみて驚いたのは、そんなに有名にも関わらず5つくらいしか美術品がないんですよ。どういうこと? なんだかいろいろな意味で不思議な場所でした。

 そのほか進研ゼミで有名な福武書店、今はベネッセというらしいですが、そこが経営(?)するベネッセハウス、そして廃屋となった民家を現代アートに生まれ変わらせたという本村地区。大きくわけで直島にはその3つの見どころがある・・・というのは行ってみて知った私。

 いやぁ、だってね。
 今回は国内旅行にも関わらず、添乗員付きのツアーを利用させていただきました。
 ツアーでいいのは、自分では何もしなくていいところ。前の日まで仕事してて、翌日いきなりでかけるんだって、着替えを忘れず、待ち合わせにさえ遅れなければ、あとは自動的に素敵なところに連れて行ってもらえる。
 自分で事前の下調べするくらいなら、国内なら個人旅行すればいいだけの話ですもん。

 そういう誰かさん任せの旅を満喫すべく、下調べいっさいなしの瀬戸内2泊3日の旅。事前に送られてきた旅のしおりさえ、必要最低限にしか目を通していないため、ほとんどミステリーツアー状態という、自分で書いてても「それでいいのか!?」…そんな旅行記にしばしの間、お付き合いください。 

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2013.08.04

「神学校-Noli me tangere-」感想

これはPIL-SLASHのPCゲーム「神学校/Noli me tangere」の感想です。
このゲームは18禁のBLゲームです^^;
そういうゲームに免疫のない方、すみません。
何言ってるんだか分からない方もすみません。
このゲームをプレイしたことがある人にだけ分かる、非常にニッチな感想記事なのですが、あまりにも素晴らしい出来、感動の作品なので、ここに書かずにはいられません。ごめんなさいっ!
そして一部ネタバレありです。これからプレイする方はご注意ください。

一言でいってシナリオが素晴らしい。作者は「神様」だと思いました…いや、ほんと。
こんなお話が作れてしまうのか。自分でも小説書きを趣味としている立場の私としても脱帽の一言です。恐るべし。

私はごくごく自然にセシル、レオニード、ニールの順にシナリオを進めたのですが、個人的に
「ホントは優しいかもしれないけれど一見さんに冷たい人」
及び
「初対面からいきなり馴れ馴れしくベタベタしてくる人」
というのが、基本、大嫌いなんです。
こう書くとこのゲームをプレイしたことのある人は分かると思いますが、つまりレオニードとニールは全くタイプじゃなかった。だから選択の余地なく、セシルver.からゲームを進めました。

すると、セシルver.はだいたい予想通りの展開。
BLゲームなんて初めてなのですが、なるほどねーといった感じ。
そこまではまあ普通の感想です。

その後、仕方なく(?)レオニードver.をやり始めたのですが、シナリオが進むに連れ、不思議なことに、好きになってきてしまうんですよ、レオニードのこと。
とにかくレオニードは絵になる。きれいです。何でもない正面のショットでさえキラキラ輝いて見える。
表面的な性格は冷酷そのものなのですが、それが…「ツンデレ」っていうのはまさにこういうことかという。
レオニードが「マイケル大好き」になる後半からの流れは見所満載で、あの「鉄壁のレオニード」がこんなこともあんなこともしちゃうのか~、そうか~。
そういうストーリー展開がごくごく自然で納得できて、だからこそ感情移入できてしまうというシナリオの完成度の高さにはまさに脱帽以外の言葉がありません。

だからレオニードが最高だと、これ以上はないと思っていました。
思っていたら…なんということでしょう。

上に書いたように、私は個人的にニールみたいな人は超苦手です。
このゲームの主人公、マイケルも最初は嫌そうだったなぁ。
レオニードには初期段階から好意を持ってたような感じでしたが、それに比べるとニールを相手に恋に落ちるのはかなり時間がかかりました。

マイケル本人も言ってましたね。
誰かを心配したり、面倒を見たりするのは得意でも、逆は苦手だ、と。
何かといえば家訓を持ち出す、あのチャらい台詞もうざったかった。私はスキップを多用してました。

…なのに。
なのに、好きになっちゃうんだなぁ、これが~~

まじめな話、ニールの設定って、主人公よりもずっと年上ですし、その上、牧師さんだし。
マイケルとどうにかなるなんてはっきり言って犯罪です。牧師としても神の教えにそむく大罪。
BLだからいずれはそうなるんだろうとは思いましたが、どうやったらそうなるのか、これはいくらなんでもかなり無理なんじゃないかと思ってストーリーを見ていきました。
でも、ニールver.でもちゃんと最後の最後にはそうなります。
それも不自然ではなく。ああ、これならありかなぁと思える。これはすごいことです。

ニールが孤独な身の上であることは、伏線がいくつかありますからなんとなく察することはできました。
ただ、それに対する同情心は私にはなかったな。
というか、同じ身の上である共感からそうなるのでは、私はきっと納得できなかった。

私自身がニールを好きになる流れというのは、彼の生き方の根底を形作る、「身軽さ」でした。
何事にも深刻にならない。いや、なってるのかもしれないけれど、それを絶対に人に見せない。
いつも前向きで明るい。
それが結局、絶望の淵にあったマイケルを救っています。

彼自身も地獄も見た。辛い思いもした。けれど人間が好きで。地の底にあっても基本的な信頼を失わない。
「基本的な信頼」、もしかするとそれがある意味「信仰」というものなのかもしれなくて、その「軽さ」の上にある強さは尊敬に値します。

…「年齢」じゃないよな…これって。
どうしたらこんな大人になれるんだろう?

私はフィクションの世界でしかこういう大人に会ったことはありませんが、できるなら自分がそういう大人になりたかったなぁ。そういう意味で、ニールという人は自分とは対局にあるんだけど、「憧れ」の存在なんですよね。

私はマイケルがニールと恋に落ちる前から彼を信頼していました。
だからニールver.では、預言者ゲームでもこのシナリオ中で初めて当たるはずのない預言をしてみました。
でもそれでは悲劇は防げないのですけども。

その結果、マイケルはわざと罠にはまる選択をせざるを得ません。
かくて「愛する者を手にかける」預言は発動し、マイケルは終わることのない幻覚に悩まされることになってしまいます。

そうなった後も、ニールは預言の発動の阻止のために最大限の努力をし、発動してしまった後はマイケルを救うために大芝居まで敢行。
まあそりゃそうだよなぁ。マイケルをこの事件に巻き込んだのはあなただだもの。
大人の責任として彼はマイケルを守り切り、ルシフェルを追い詰め、無事、秘密結社は壊滅、ただし、神学校の信頼は地に落ちて、もしかすると彼のミッションは失敗?というオチとなります。

そもそも、なぜ彼はこの仕事を引き受けたんでしょう。
作中では少し触れられる程度ですが、恩のある人に頼まれちゃったから仕方なく、という感じなんでしょうな。
だからミッション自体には失敗しちゃっても
「しょーがねーだろ」
の声が聞こえてきそうな気がします。

本当はやりたくないことでもやらなきゃいけなくなったらやる。
で、やったことの責任は最後まで自分で取る。
そういうところがまさに「大人」。私自身も大人だからその辺もとっても共感してしまいます。
ただしそんな大人の彼の、唯一の誤算が、そう、マイケルとのことでして。
それが本当に「誤算」ぽく、ついつい、「やべぇ」だとか「やっちまった」とかぼやくところがなんともおかしい。
ああ大人でも失敗することがあるんだなーなんてね。

最後の最後もニールは予測を誤ります。
まさかあんなことになるなんて、彼は予想もしてなかったでしょう。
でも…人智の及ばないところで起こる奇跡、それを私達は「神」と呼ぶ。
不良っぽくて軽く見えるけど、実は誰よりも敬虔な牧師であるニール・ローウェルの身の上にもたらされるソレこそ「神の恩寵」という言葉がぴったりだと私は思いました。

台詞にはありませんが、私は、きっとあの二人はあの後、神に感謝したんだろうと思っています。
再び巡り会うことができ、結ばれたことにね。

というわけで、ニールver.のシナリオが大好き、ニールが大好きでしょうがありません。
ニール風にいうなら「やべぇ」って感じです(笑) ホントにやられました。
レオニードよりもニールが好きになるなんて思ってませんでした。

すごいわ、このゲーム。

本日、全てのシナリオをコンプリートしてしまって、明日からがさみしくなってしまうのが心から残念なのですが、ホントに楽しかったー。

もちろん楽しいだけではなくて、「神」の意味について各シナリオでそれぞれの答えを描いているのには感動を通り越して感銘を受けました。

私自身の問題としてもとても考えさせられたな。
私はキリスト教の信者ではないし、その意味では一番近いのはレオニードなんですけど、他のシナリオでは、レオニード以外の各登場人物の考え方にも共感できます。たとえばニールについては上に書いたような感じでね。
いろんな意味で、一生忘れがたい作品になったことは間違いありません。

このゲームを作ってくれた人たちに心から感謝します。ありがとう。

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