なぜ働かなくてはいけないか
東京都知事選挙に家入一真氏が立候補されました。
http://topics.jp.msn.com/digital/general/article.aspx?articleid=3068067
知事になったらやりたいことだけやるわけにはいかないし、というかやりたくないことばっかりだし、家入さんには向かないと思うけどな。能力のある人は政治家じゃなく、自分で会社を作って自分で運営した方が絶対効率がいいのに。
家入さんは個人で起業して今までやってきたのに、なぜ今、都知事なんか…。話題作りのしゃれのつもりならいいけど、そうじゃなくて本気みたいなので、余計にそう思ってしまいます。
日本て国は、公が何から何まで面倒を見る社会主義じゃなくて、自らがんばる人を応援する自由主義で(少なくとも私はそう思っています)、起業家の方が自由に何でもやれていいと思うんですよ、絶対に。
公の役割は小さい方がいいと私は思います。役人なんて所詮決められたことしかできないのだし。そして、決めるのにめちゃくちゃ時間がかかるのが国や県や市町村、つまり公。時間がかかるのにはちゃんと理由があります。彼らが何かをするのに必要な費用は、彼らが働いて得た金じゃなく国民の税金を使うんだもの。ちゃんと話し合って賛否両論を吟味して決めてもらわねば誰も許さないでしょ。
で、もちろん、時間かけてたらだめになることもあるわけで。
スピードが求められ、ある程度リスクも覚悟で実行しなければならないこともあります。
そういうことには「公」は向かない。向かない仕組みになってる。そういう仕組みである理由は上に書いたとおり。
だから、家入さんがやりたいこと、これからやって欲しいことは、政治家なんかじゃできないことだと私は思ってたんだよな。
私が家入一真という人を知ったのは2012年5月の「study gift」の時です。「study gift」は学生にクラウドファンディングの手法で学資を支援しようという試みで、及ばずながら私も一口協力しようとしたんですが、周知のとおり「study gift」はいろいろな理由から炎上し、一端、サービス停止に至りました。私もお金を返金してもらいました。
当時、いろいろ議論はあり、サービスの停止と再立ち上げはやむを得ない感じでしたが、でも、こういうことをやってみようとし、実際にやってみて、試行錯誤しながら、本当に誰かの助けになる事業を立ち上げることが出来るのって、すごいことだと思って。
絶対、そんなの役所にはできません。これこそが民のパワー。
その後ずっとツイッターで家入さんをフォローしていますが、口座晒しも電話番号晒しもユニークだなぁと思います。
リスクはもちろんあって、やらない理由はいくらでもある。
でもやらない理由を並べてやらないんじゃなくて、とりあえずやってみる。それも物事を前に進め、世の中を変えていくために必要なことなんじゃないかと。そういうことができる人はなかなかいません。
家入さんはそれができる人です。
そういう人だと思っているから、都知事なんて家入さんの手足を縛る仕組みでしかないように思えてならない。
こういう方には、自由にやりたいことをガンガンやって欲しい。
と、ちょっと前書きが長くなりました。
その家入さんが都知事の立候補の記者会見でこんなことを言いました。
>「なんで就活しなければいけないんだろう」ということに、答えられる大人はいない。
私も大人の一人なのでちょっと考えてみたのですが、確かにこの問いって答えにくい。なぜなのか考えてみたのですが、どうもこの問いってそもそも答えがないからなんじゃないかという気がしてきました。
働かなくてはいけない理由は、この世界にどこにもない。
でも働く人はいます。
それは、誰かの、何かの役に立ちたいと思うから。
自分の力で何かを作り上げ、それに多くの人の評価を得たいと思うから。
私達が働くのはそういう自発的な動機にもとづくものなので、「しなければいけない」ことじゃないと思うのですよ。
マックのレジだって、街頭のティッシュ配りだって、またはもっと人の役には立ってないように思える仕事だってそれは同じこと。
時として半沢直樹の世界じゃないけど「どれだけそれで利益を得るか」の方に重点が行ってしまって、そんな理由はどっか行っちゃってる仕事もなくはないですが、原点はそうだと思うのです。だって「働く」って「端(はた)を楽にすること」だもんね。
人って生きている限り、そういう欲求はあると思う。
人の役に立つことで、人に認められないという思い。「承認欲求」というんでしょうか。働くっていうのはその欲求を満たすこと。
食べたいから食べるし、眠りたいから眠る、それと同じことで。
なぜ食べるのか、なぜ眠るのか、それぞれ理由はあるけど、基本的には私達は食べたいから、眠りたいからそうするんですよね。
働きたいから働く。それだけなんじゃないかなぁ。
じゃあ働きたくなかったら働かなくてもいいのかって話ですが、働くのって、おいしいものを食べたら幸せな気分になったり、よく眠れたらすっきりするみたいに、働いたからこそ得られるメリットってのがあるわけで。働きたくない人にはそのメリットこそを伝えていくべきではないのかと。単純に、メリット=お金、でもいいけど。それだけでも相当なメリットですわな。
働いてお金を得ることの喜びって知らないともったいないと私は思います。
というかみんな知っていると思うけど、お金がないのとあるのとではあったほうがいろいろ便利ですよねw
働くことによって評価を受け、その評価が「お金」という形で返る。「承認欲求」をお金という形で満たすことができ、そのお金はまた別の欲求を満たすために使うことができる。
働くっていいことじゃないですか。
働きたくなってきたでしょ?(なわけないか)
昔・・・働きながら子育てをするワーキングマザーの皆様とこのブログで意見交換をしたことがありました。
そのときに分かったことは、働きながらの子育てがどんなに大変でも、皆さんは「働きたい」と望んでいるということ。
私自身は、実はあまり働くの好きじゃないですが、少なくともお金のメリットはとても感じています。働いて一人暮らしをするようになってから、やっと自分の人生が始まった気がしました。いろんな意味で親という軛(くびき)から解放され、自由を手に入れました。これってめちゃくちゃ大きい。
「働きたくない」と言っている人だって一生親がかりで引きこもって生きることなんて誰も望んでないように思います。外の世界で思うまま生きたい。
それを実現するのが「働く」ことなんだよな。
「働く」ことは決して楽しかったり、楽(らく)だったりすることばかりじゃないですし、辛いことも、悔しい思いをすることも、歯をくいしばらなければならないこともあります。でもそれがもたらすメリットって本当に大きい。そのことも私たち大人は、もっともっと子供たちに伝えてかなきゃいけないんだろうな。
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