「アナと雪の女王」を見て
大ヒットのディズニー映画「アナと雪の女王」を6月の映画の日に見てきました。
いつもならYahooの映画レビューに感想を書いたりする私なんですが、どうもこの映画に関しては、なんとも感想を書きにくく、しばらく間をおいていました。
・・・なんとなくモヤモヤするんです。そのモヤモヤの正体が自分でもよく分らなくて、未消化のまましばらくたったのですが、今日また松たか子の歌う「let it go~ありのままで~」をダウンロードして聞いていて、もやもやの正体を突き詰めてみることにしました。
「let it go」の意訳として「ありのまま」がいいのかどうか、なんていう記事もネットで読みましたが、私は映画を見て、合ってるなと思いました。合っているというかそのまんま。Youtubeでも流れていますが、雪の女王であるエルサがこの歌を歌うシーンは、画像も合わせてまさに名場面です。
だからこの映画の本質もここにある、と自然に感じます。
ツイッターで映画を見た直後につぶやいた私の感想は
「女性が、自らの可能性を殺し、自らの能力を存分に発揮したら孤独になるしかない、という話だとしたら、一昔前の日本にぴったりのストーリーなのだけど、今の時代にも受けているということは、まだまだ、女性は解放されてないのかなー」
だったのですが、この感想にはいくつか異論が寄せられました。
異論の多くは「女性うんぬんがテーマじゃないんじゃないの?」というもの。
この映画に限らず、作品を見た方がどう受け取るかはいろんな感想があっていいと思うのですが、異論があるということはつまり、私自身にこの部分に何らかのこだわりがある、ということです。
ありのままに生きる、ということ。
それに伴う「孤独」ということ。
大好きな中島みゆきさんの歌に、もうだいぶ古い歌ですがこんなフレーズがあります。
「自由に歩いていくのなら一人がいい
そのくせ今夜も人の戸口で眠る」
みゆきさんも「人とともに生きる」ことと、「自由」や「ありのまま」の相反性にはもう古くから気づいていて、歌にはカタチを変えながら、何度もこのテーマが登場します。
引用した歌詞は「友情」という歌。十代の頃から、ずっとずっと、この歌は私のテーマみたいなものでした。
なんというか、つまり・・・
これって私自身にとっての命題なのです。
エルサが自分の力と向き合い、もう隠すこともおびえることもせず・・・でも誰かといるとその力で傷つけてしまうから、遠いところに一人で生きることを選択する。
そういう生き方って「理想」なんですよ。
私自身もそう思って生きていたから。
もちろん、私には魔法の力なんてないですけどね。でも誰も傷つけたくないし、私の場合は自分も傷つきたくなかった。誰もいない山の中で、一人、生きられるなら・・・ああ、これもみゆきさんの舞台にあったなぁ~。大好きだったコミック「はみだしっ子」でもグレアムが言ってたな~(←グレアムは山の中じゃなくて南極ですが)。
それで、私もずっと、結局人間は死ぬときは一人なんだし、それを恐れることは何もないのだとそう信じてきました。
ありのままの自分と向き合い自由に生きられるなら、それと引き換えに背負わなければならない孤独なんてどうってことないと思いながら。
が、しかし。
本当にそうだろうか?って話です。
「アナと雪の女王」は「本当にそうだろうか?」と問いかけている話だと思います。エルサに感情移入すればするほど、それを強く感じます。
つまり私にとって「痛いところを突かれた」っていうこと。だからもやもやするのですよ。
運命の出会いをしたつもりになって、ろくでもない男とその日に結婚を決めてしまうアナ、こちらの事情や思いは何も知らないくせに、自分の望みだけ押し付けてくるアナ。そして「冷たい」だのなんだのと責められて、もううんざり。彼女の幸せのためにももう距離を置こうと離れたのに、しつこくついてきて帰らないと言い張り、その結果、またエルサはアナを傷つけることになって、何なんだよ、と。
もうね~、全部、自分の話に思えてきて仕方ないのよね~(苦笑)
誰しも、自分が正しいと思っている価値観を揺らがせる何かや誰かに出会うと、うっとうしく感じるもので、それは相手のせいではなく、自分自身のこだわりのせいだったりすることが多いわけです。
「アナと雪の女王」はまさに私にとってはそういう話。
超、個人的な、自分の核(コア)の部分に接する話ですので、こりゃ感想といってもYahooレビューに書けるような話ではありませんわな。
でも、おそらく。私と同じように、かどうかはともかく、似たような感じでエルサに自分の思いを重ねる人が多いからこそ、この映画はこれだけの大ヒットになったんだろうな、と私は思っています。
「自由」と「孤独」か・・・
究極的にはこれが解決できない限り、おそらく結婚しない男女はこれからも増える一方だし、結果、子供も増えないだろうなぁと思えてなりません。
エルサの魔法の力が「愛」によって人々と融和を果たしたこのお話は、あくまでもおとぎ話なのですが、現実の私たちにも何かうまい解決があると本当はいいのですけどね。
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