「遥かなるメリークリスマス」
昨日、ミュージックフェアでさだまさしさんの「遥かなるメリークリスマス」を耳にしました。
私は知らなかったんですが、この歌、紅白で歌ったこともあるそうです。ネット情報だと2004年。もう10年も前なのね。
(引用開始)
♪ふいに誰かの悲鳴が聞こえた 正面のスクリーン激しい爆撃を繰り返すニュース
♪僕には何にも関係ないことだと 言い聞かせながら無言でひたすら歩いた
(引用終わり)
う~む。ここだけ歌詞を読んでも、とってもドキッとさせられます。
この歌のメッセージを非常に簡単に読み解くと、
「今、この瞬間にも戦争で死んでいく人がいるのに、何がメリークリスマスだ、この平和ボケ日本人が!」
ということなのですが、図星(?)だけに最後まで聞いているとなんとなくもやもやしてきます。
こういう曲なら「風に立つライオン」の方がいいかな。
まさに、日本を捨て、遠い地で戦っている日本人医師を歌った歌。現場から突き付けられるメッセージの方がやっぱり痛烈です。
考えるに、「平和ボケ日本人」っていうメッセージは、ニューミュージックの世界では、けっこういろんなシンガーソングライターがかなり昔から取り上げているテーマでして。
それこそ井上陽水が「傘がない」を歌った頃から、どこかで戦争があっても、みんな日々の生活しか関心がない、ということを歌っている歌というのは本当にたくさんあります。
テーマとしては少し違いますが、みゆきさんの「4.2.3」も思い出した(^_^;)
もしよければ、歌詞だけでも見てみてくださいな。
ただ、今、「遥かなるメリークリスマス」を聞いてもやもやした自分の気持ちを、じっくり考えてみたら、ふと、こんなふうに思えてきました。
この歌をさだまさしさんが紅白で歌ったのは10年前。
みゆきさんが「4.2.3」や井上陽水が「傘がない」を歌ったのもかなり昔のこと。
今、私がこの歌を聴くと、正直、当時の日本ほど、今の日本は平和でもない気がするんですよ。
みなさんは、そう思いませんか。
ここが「戦場」だと。
そう思うのは、私が「戦場」のど真ん中にいるせいかもしれませんが。
いや、もちろん「まだ」日本はいわゆる「戦争」にはなってません。太平洋戦争を体験している世代から見たら甘っちょろいこと言ってんじゃねえと怒られると思うのですけども。
・東日本大震災があり、原発の事故があり、未だに仮設住宅に住む方々も多く、被災地の復興は未だ道半ば。
・幼い子供が親に殺されるニュースが毎日のように報道される。
・人として最低限の生活もできない貧困にあえいでいる日本人が実際にいる。
・その人たちへの生活保護に関しても、国は大赤字で財政再建が叫ばれ、風当りは日に日に厳しくなっている。
・出生率は低下し、過疎地での高齢化が進行し、消滅可能性都市などと取り沙汰されている。
・エネルギーは火力に頼らざるを得なくなり、今の電力レベルをどこまで持ちこたえることができるのか。
・福島原発では今も廃炉へ向けて事故後の収束のために放射能と向き合って日々働いている人がいる。
・火山の噴火、カウントダウンに入っている東南海地震・・・いつどこで起こるか分からない自然災害。
いや、もう、火だるまですよ、この日本。
でもね。 そう、それでも。
人々は時に笑い、時に涙しながら、明日を信じて、生きている。
ここ、東北にいると、本当にそう思います。
♪メリークリスマス
♪本当に君を愛している
♪永遠に君が幸せであれと叫ぶ
今、もう一度、この歌を聴き直すと、この歌のテーマって、
「今、この瞬間にも戦争で死んでいく人がいるのに、何がメリークリスマスだ、この平和ボケ日本人が!」
とはちょっと違うのかな、と思い始めました。
今、まさに戦場に立つ私たちが戦場で聞くクリスマスソングなのかも。
貧困や災害や将来の不安・・・
おそらく、クリスマスもそしてもうすぐやってくる新しい年にみんなが交わす「おめでとう」も。
寒さに震えながらも、新しい年こそは素晴らしい年になるように、そして「全ての人が、世界中が幸せに」と願う、私たちの切ない願いが込められたものなんだろうと。
どんなに苦しくても、どんなに悲しくても、それを乗り越えて私たちは未来へ向けて歩いています。
クリスマスにはあちこちできれいなイルミネーションが輝いています。ここ、仙台でも。
日々の悲しみや苦しみは一時置いて、夢の未来を思い描いてみるのも悪くない。
願えばかなうことも実際にありますし、願わなきゃかなわない。
だったら・・・
メリークリスマス!
あなたが永遠に幸せでありますように。
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