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May 2015

2015.05.30

「誰も知らない」

「誰も知らない」という映画をご存じでしょうか。

 2004年の作品で、「主演の柳楽優弥が史上最年少の14歳という若さで、2004年度カンヌ国際映画祭主演男優賞に輝いた話題作」だそうです。詳しくは上の茶文字をクリックしてYahooの映画情報でチェックしてくださいね。

 以前からちょっと興味があって、観てみたいと思っていたら、動画配信サイトで配信されていたので見てみました。

 この映画は、実在の事件を元にしたものです。

 私、全然知らなかったんですけど、1988年に発生した「巣鴨子供置き去り事件」という出来事を下敷きにしているそうです。

 私にとって、育児放棄(ネグレクト)の事件って、2010年、大阪の、子供二人をマンションの一室に閉じ込めて放置した母親の事件が記憶に新しく、もちろん、そのほかにもネグレクトによる放置で子供が死亡する事件が、近年後を絶たないのは知っていましたが、1988年か・・・こんな以前から、こんな形で子供を放置する母親がいたのか。

 こういう事件て、今までどれくらいあるんだろうとネットを見てみると、例えばこんなページで確認することができます。巣鴨の事件よりも前からずいぶんあるんだなぁ。2006年の苫小牧の事件もひどいよな・・・

 「誰も知らない」の映画を見て、私が一番最初に思ったのは、子供ってやっぱり大人の手を借りなきゃ生きていけないんだ、という厳然たる事実、でした。

 私は三原順さんのマンガ、「はみだしっ子」シリーズが好きでよく読んでいたのですが、はみだしっ子の子供たち、グレアム、アンジー、サーニン、マックスも親を見限り、子供4人だけで、生きていくお話でした。

 彼らのような生活もアリ、だとずっと思っていたのですが、映画の「誰も知らない」を見ると考えが変わります。

 当たり前かもしれませんが・・・
 子供は子供だけじゃ生きていけない。

 「誰も知らない」の子供たちも4人。母親が帰ってこなくなって、仕方なく、子供たちだけで生きていこうとがんばるのですが、そのうちお金も尽きて、一番上の子は13才ですけど、当然どこでも働かせてももらえなくてお金を得る手段もない。

 水道、ガス、電気を止められれば、公園の水道で水を調達するしかないし、コンビニで廃棄されるお弁当でなんとか生き延びていたとしても・・・

 その結果、何が起こったかは、実際の事件を知る前に映画でぜひ見ていただきたいです。

 見終わって、何とも言えない気分になりました。

 母親が働いて、家に帰っていた頃はまだ、それでもまだみんな笑顔だったんですよ。
 学校に行かせてもらえてなくて、家から出ることも許されなくて、そういう生活も問題だとは思うのですが、それでもね。
 
 彼らだって、幸せになれる権利はあったはず。
 どこでどうしてこんなことになってしまったのか・・・

 私は幸い、ちゃんと大人になれて、社会が敷いたレールを外れることなくこれまで生きてこられたので、食べることや住むところ、着るものや働くところにも困らずに生きていられます。

 でもそのレールってこんなに簡単に外れてしまえるものなのかと。

 そして外れてしまったらもう戻れない。どうにもならない。
 
 知っていたはずなんですが、映画を見て、空恐ろしくなりました。なんてことだ、と。

 子供たちを置き去りにした母親は、どういうつもりだったのか・・・なんて考えても仕方ないことをつい考えてしまいます。

 マンガの「はみだしっ子」でも、4人のうち一番小さいマックスがこう言うシーンがあります。

「それでもボクたち生きてきたよ」

 現実の世界でも、親とはぐれた子供たちが何とか生きていけるように、きっとがんばっている人はいるんだろうと信じたい。実際に、批判を受けながらも「赤ちゃんポスト」も続いているし・・・

 もちろん親がちゃんと子供ができたら養育する、のが当たり前なのですが、もし、そうできなくなったときも子供たちが生きていかれる受け皿がないと、やっぱり、この世界はダメなんだろうと。

 レールを外れないように生きるのがもちろんベストですが、そうできなかったとき、リカバリーできる仕組みを作っておかないといくらでもこういう悲劇は起きてくるわけで。
 たとえば、今、一番問題になっている母子家庭の貧困もそうですよね。
 
 本当に・・・いろいろと考えさせられる作品でした。

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2015.05.23

ひとりカラオケ・ユーミン尽くし♪♪♪

 仙台で暮らし始めてから1年8か月。
 勤め先が仙台の中心街近くにあるので、ちょっと自転車を飛ばせば繁華街です。カラオケも何店舗かあります。

 考えてみればこんな恵まれた環境ってないよな。東京に勤めていたときは当然のように電車通勤だったし、ちょっとカラオケに・・・なんて言っても電車で移動しなければお店はないし。

 さいたまに住んでいた時も同様です。実家に住んでいたころだって、カラオケは、一応最寄の駅にはあったような気がするけど、地元で一人カラオケなんて誰かに見られたら恥ずかしくてできない~

 ただ、関東にいれば、カラオケ好きな友達を誘って休みに歌いに行けばいいので、特に困ってはいなかったのですが、仙台に来てからは、気軽にカラオケに誘えるような友人はなかなかできなくて・・・若い世代はきっと友達といっぱい行ってるんだろうけどなー。

 実は何日か前、テレビで久々に今井美樹を見ました。
 今井美樹、ユーミンのカバーアルバムを最近出したそうで、その情報を少し調べていました。

 今井美樹がユーミンの何の歌をカバーしているのだろうとチェックしたんですが、それを見て思ったのは・・・

「私が聞きたいユーミンの曲はこれじゃない」

 ということ。思い起こせば、ユーミンを聴きだしたのは14才の頃からで、熱烈なファンにはかないませんが、ユーミンの歌は大好きで、ずいぶん長くいろんな歌を聴いています。

 その中でも、これが好き♪っていう曲がいくつもあって、そういうことを思い起こす内に、歌いに行きたくてしょうがなくなってしまいました。

 一人カラオケは初めてではありません。以前、洋服を買いに都内の百貨店にでかけ、すそ上げに2時間くらい時間がかかると言われた時、時間つぶしに近所のカラオケに入ったのが最初で、そのあとも1回くらいはいったかな。

 でももちろん仙台では初めてです。ちょっと緊張しながら、でもその緊張を悟られないようにしつつカラオケ店のカウンターへ。もちろん何事もなく、入室できました。

 そのあとは大好きなユーミンを歌いまくりです♪♪♪ 以下はBUBIのユーミンベストです。

1 BABYLON (アルバム「DA・DI・DA」)

  もうずいぶん前から、自分の心情に一番近く、歌うと涙がこぼれてきそうなほど大好きな歌です。
  歌詞にもありますが、「なんで涙が出るの」でしょうね。

  ・・・一昨年の私 思い出せない・・・

  忙しく充実した毎日の中で、何か忘れてきたような不安。生きているこの現実が「幻」のようです。

2 時はかげろう(アルバム「天国のドア」)

 この歌、誰かといくカラオケでは非常に歌いにくいです。
 好きすぎて、自分の世界で陶酔しちゃうから~~~
 この歌を歌うと、砂漠のある遠いかなたの世界に連れて行ってもらえます。そして・・・

 ♪もっと強くなって君を愛しにゆくよ
 
・・・そう、強くなってこの現実に戻ってくる。この感覚がたまらない~

3  青い船で(アルバム「VOYAGER」)

 「時をかける少女」と「ダンデライオン」が入っているアルバム「VOYGER」は多分、ユーミンのアルバムの中で最初に聞いたんじゃなかったかな。レコードの時代ですよ。私は、原田知世の映画「時をかける少女」を、リアルタイムで知っている世代ですもの。あー、時の流を感じるな・・・
 このアルバムの中でも、SFとファンタジーが大好きな私が、めっちゃ気に入った一曲。
 歌っていると宇宙に自分が浮かんで、地球を俯瞰しているような気分になります。

4 とこしえにGood Night(夜明けの色) (アルバム「Delight Slight Light KISS」)

 宇宙でもファンタジーでもなく、自分にかぶるわけでもない曲なんですが、この曲も昔から大好きな曲です。
 
♪変わらないもの 何もない この世界で

 ユーミンをよく聞いていた十代後半の頃から、まあぶっちゃけ今もなんですけど、現実のこの世界と自分の内の世界との折り合いをどうつけていけばいいのかが、私の生涯の課題なんですよねぇ。

 あれから何十年も経ちましたが、結局答えは見つけられないまま、情けない心を内側に隠しながら生きていますが、この歌を歌うと、そんな自分が解放された気分になります。


5 Hello, my friend(シングル)
 
 この歌は、ふとした時によく口ずさみます。

♪ぼくが 生き急ぐ時には そっと たしなめておくれよ

 誰もみんな心の中に、自分の生涯で一番大切な人がいて、悲しい時、つらい時、苦しい時、悩んだ時、迷った時なんかにその人と話をしてたりするんじゃないでしょうか。私はそうです♪

 現実ではなく、心の中に作り上げた、すでに「思い出」とすら呼べない人なのかもしれませんが、「きみを失くしたあの夏」からずっと、生涯に渡って、心の中に住み続け、とあるきっかけで思い起こし、その度に、せつなくはなりますが、また明日を生きる勇気をもらえたりしてね。

 多分、そうやって人は明日も生き続ける。

 いえ、昔、ユーミンを聞いていたころは、まだ自分が将来誰かと結婚すると思っていましたから、そうやって心の中に自分以外誰も知らない誰かがずっといたら、現実のパートナーに対してまずいんちゃうの?と思ったことがあったんですが、今やそんなこと関係なくなってしまったw

 ユーミン尽くし、楽しかったです。
 昔々、自分が思春期で、人生や、これからの生き方について思い悩んでいたころの思い出が、曲とともに蘇ってくる。今も同じ、ということもありますが、忘れていた思いもあって、楽しすぎる。
 これ、完全に「自分だけ」の楽しみなので、ひとりカラオケじゃないと、味わえませんわ。
 というか誰かが一緒にいたら完全にひかれるわー

 上に書いた以外にも大好きな歌がいっぱいあって・・・実は、1回では足りなくて、昨日と一昨日、連続で一人カラオケ行ってしまいました。歌ったユーミンの曲は全29曲。

 楽しかったーーーーー!!!

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2015.05.03

年記2

 私は毎年ゴールデンウィークに、「日記」ならぬ「年記」をつけています。1年に一度、つける日記。だから「年記」。いつから始めているかというと1985年からです。

 ・・・と、このブログでも、「年記」というタイトルで一度、記事にした記憶があったので、検索してみましたら、2005年の5月に記事にしていました。それがこちら

 なんと、その時からも10年経ってしまったか。
 だから、その年記の一番最初の記述は、なんと、30年前の記録、ということになります。さ、30年!? 自分でも驚いて言葉もありませんわ・・・

 その驚きは「月日が経つのが早い」という驚きではなくて、30年前の自分と今の自分の「中身」がほとんど変わってない、という衝撃的な事実を目の当たりにしたものです^^;

 それなりに30年分の経験値は確かに増えているものの、それを受け止める「心」がほとんど変わってない。

 そ、そんなのあり? ある意味、怖い。 大丈夫なのか?私。

 どうですか、みなさん。
 他の人はどうなんだろう。

 30年前の自分と今の自分で、ものの見方や考え方、大事にしているもの、生き方、今後の方針、諸々、普通は「変わっていて当たり前」なんじゃないのかな。

 私が独身で、家族がいないせいもあるんだと思うのですが、それにしても、30年も生きてきて、何も変わらないってそりゃないよ、とほほ、という気が、今、とてもしています。

 そうすると、きっと40年経っても、50年経っても変わってない気がする。自分で言うのもなんですが、正直、
「化けもんか?」ってちょっと思った^^;

 まー、いいのか。この先は逆に、きっと変わらずにはいられないのだろうから。
 もし変わらなかったら、それは私が幸せであった、という証拠になるんだろうと。

 目や耳や足や腰が弱くなって、できたはずのことができなくなったり、大切なことを忘れてしまったりするような日がいつかやってくるとしても、私が私でいられたらそれはとても幸せなことだろうな、と思います。

 しかし、ココログはいつまで続くのかな・・・無くなると困ってしまうのだけど^^;

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