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September 2015

2015.09.23

心のやどのみやぎ野よ

 仙台に住んでもうすぐ丸二年になります。
 震災復興の仕事のため、東北に居を移しておりましたが、10月から元居たさいたまに戻ることになりました。

 仙台、よかったなー。

 私は関東以外に住むのって初めてだったのですが、地方の中核都市ってコンパクトにいろいろなものがまとまっていて、とても住みやすいです。
 仙台は夏涼しく、冬もそれほど雪は深くないし(もちろん、寒さはそれなりでしたが)大好きでした。
 離れるのが大変、名残惜しい気持ちです。

 今日、たまたま仙台駅近くの名掛町(なかけちょう)にある藤村広場、というところに行きました。
 島崎藤村は明治29年から30年にかけて9か月だけ、仙台に滞在し、東北学院で教師をしながら、この地で「若菜集」の詩のいくつかを創ったとか。

 「心のやどのみやぎ野よ 乱れて熱きわが身には
  日かげもうすく草かれて 荒れたる野こそうれしけれ
  独りさみしきわが耳は 吹く北風を琴ときき
  悲しみ深き吾が眼には 色無き石も花とみき」

 島崎藤村は仙台にいた頃、25才から26才だったそうですから、私のいた二年とは全然比較にならないわけですが・・・なんとなく、私が住んでいたのも仙台市の宮城野区だったもので、藤村の詩に、共感してしまいました。
 なんて、平成のこの時代の仙台、宮城野はそんなさみしいところではありませんけどね。

 楽しかったな。何が楽しかったか、あまり具体的じゃないんですけど、この地で過ごし、この地で震災復興を思い、いろんなところを歩き、物思う日々。何もない1日1日も含めて全てがいい思い出です。

 「心のやど」か。遠く離れても、ここで過ごした日々を私もいつも思いながらこれから過ごしていこう。

 ありがとう、仙台。

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