poem(112)
「終わりの日」
今年の年末はいつもの冬より暖かい
昨夜書いた年賀状を手に
朝の日差しを浴びていつもの通勤路を歩いていると
懐かしい人に会いに行きたくなる
あの頃はそばにいた
今はいない誰かに
明日や明後日や来週や来月
先のことばかり心配で
今の内にやっておかなくてはいけないと
追い立てられるように生きている
気がつけば 今年もあと数日
何を忘れているかも忘れたままに
いつもと同じ終わりの日がやってくる
「終わりの日」の話をしたら
きっと君は笑うだろう
子供じゃないのだからと
それでも
忘れてしまった人
忘れてしまった日々
すでに思い出すらないけれど
終わりの日々に
古いはがきを紐解いて辿ったら
新しい朝は
君に会いに行こう
Comments