経験は時に判断を誤らせる
平成29年3月27日に栃木県那須町の那須温泉ファミリースキー場で高校生ら10人以上が雪崩に巻きこまれ8人が死亡するという事故が起きました。
高校生達は、25日から2泊3日の日程で、栃木県内の7つの高校から山岳部の生徒ら51人と引率の教師11人、あわせて62人で、春山安全登山講習会に参加していたとのこと。
スポーツ庁は昨年11月、高校生の冬山登山を原則禁止とする通知を各都道府県に出していたそうですが、この講習会は50年以上続いている恒例の研修だったようで、講習会としては「春山」なので、この通知の対象ではないという認識だったみたいです。
事故の起こった当日は天候が悪く、本当は登山の研修だったのを変更し、スキー場での「ラッセル訓練」という雪をかきわけて進む訓練にしたのだとか。
訓練だからだと思いますが、スキー場自体は今季の営業は終了しており、営業中であれば実施する雪崩防止の措置も取っていなかったのこと。
おまけに、事故の現場はスキー場の敷地外であったことも判明しました。
事故が起こってから検証すれば、当日は雪崩が起きやすい条件が揃っていたことや、死亡した8人が位置情報を知らせるビーコンをつけていなかったことなど、どんどん「このときこうしていれば」という情報がでてくるんですけど、多分・・・
・普通、研修でビーコンをつけることはない
・春山だし、スキー場だったから、安全に問題はないと思った
・そもそも過去、こんな事故は起こったことがない
うーーーーーーん。
起こってしまってから「なんでそんな危険な状況で訓練をしたんだ」と言うのは簡単ですけど、もし自分が当事者だったら、どうしただろうと考えてしまいます。
思うのは、「経験が判断を誤らせる」ということ。
東北大震災の津波だってそうですよね。まさか、そんな高さの津波が来るとは誰も思ってなかった。
過去の前例なんて全く参考にならず、逆にそれに捕らわれてしまうことで最悪の事態を招く。
もう一つ、この3月には「てるみくらぶ」という旅行会社が突然倒産し、その旅行会社のパックで海外に行っていた旅行者が旅行の途中で、宿も予約が取れていない、帰りの飛行機もないという事態に巻き込まれたという話がありました。
「てるみくらぶ」も倒産してから振り返れば、かなり前から粉飾決算だったなど危ない情報がいくらでも出てくるんですが、日本旅行業協会正会員企業であり、実績もそれなりにあり、それでいて安いということで人気の旅行会社だったようです。私は使ったことなかったんですけど。
私は旅行だと「クラブツーリズム」をよく使っていますが、クラブツーリズムが大丈夫かとはあまり考えたことがありません。「てるみくらぶ」のように安くはないですが、ネットで簡単に予約できるのが便利なので使っちゃう。
どんなものでもリスクって常にあるんですけど、普段はあまり気にしていない。それが通常の感覚だったりします。
難しいな…
どれだけ注意を払ってもリスクは0になることはない。
経験則から「まあ大丈夫だろう」と思ってしまうことも多いですが、雪崩事故のような最悪の事態、自分だけでなく周りの多くの人の命に関わるようなことになってしまったら取り返しが付かないので、「経験則」に頼る時もいつもそのリスクを考えていないといけないのかも。
そういう注意喚起の意味でも、もっとこの二つのニュース、報道して欲しいのだけどな。渡部謙の不倫報道なんかよりもね。
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