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August 2017

2017.08.20

父の胃がん・手術無事終了

 父の胃がんの手術、無事、終了しました。事前に説明があったリスク、

○手術でおなかを見てみたらないと思っていた転移があった
○手術中に大出血して、輸血した
○手術中に腹空鏡での手術が困難になり開腹手術をした
○手術中に脳溢血、または心筋梗塞などが発生した
○手術で感染症に感染した

等々はなく、予定どおりに手術は終わり、そのあと、傷は結構痛んだと言っていましたが、本日、術後6日目の時点では傷の痛みはなくなっていました。

昨日までは、尿をとる管がついていたそうですが、今日はそれもとれて、自分でトイレに行けるようにもなっていました。

食事も今日は重湯やみそ汁が出たそうです。
やっぱり手術してから5日間は、食事はとれなくて点滴なのか・・・まあそうだよなぁ、胃をとって食道と小腸つなげたんだもんな。

無事につながっているらしく、飲み物はちゃんとお腹に入っているようで何より。点滴を引き連れながらですが、廊下を普通に歩き、会話も普通にできました。

心配だったのは手術をしたあとに、入院して何もしないでぼーっとしていることで元気がなくなっちゃうこと。
でも今日の様子は全然、普通でした。逆に元気なくらい。
今日からみたいですが、自分で髭剃りもできてさっぱりしてました。

入れ替わり立ち替わり、お見舞いの人も毎日、誰かしらきてくれるそうです。
すごいな、人徳だなぁ~

もし私だったら、たぶん誰もこないもんな。それについては、やはり父はすごいなーとつくづく思いました。

先日、ふと気が付いたのですが、父は今年で77歳で喜寿です。
食事は食べられないので、お祝いといっても食事会ってわけにはいかないんですが、今日、その話をしたら、

「じゃあ、旅行でもいくか」

なんて言っていて、母が半分あきれていました。

でもまぁ、とりあえず、終始、笑顔で、元気な様子を見せてくれました。
お見舞いに行った私に気をつかってるのもあるんだろうなぁ。

なんというか…

普段接していると、それが当たり前なので、つい忘れてしまいますが、父は普段も、怒ったり、愚痴を言ったり、苦しいときに苦しいと言ったり、嫌なことを嫌だと言ったり、というのをほとんどしない人です。

それが、娘である私に対してだから、という可能性もあるんですが、公平に見ても私の知る限り、私に対してだけではなく、誰に対してもそうみたい。

これってなかなかすごいことです。
人間である以上、嫌なことも困ったこともあるだろうになぁ。

私自身は、一人で今、生活していて、一人の時は痛かったり苦しかったりしたときに、心の中やこのブログで、いろいろ吐き出しているわけですが、父はそういうのあるんだろうか?

改めて考えるとなんだか不思議なんだよなぁ。

昔、一緒に住んでいたころを思い出してみると、父はほとんど何もしゃべらない人でした。
仕事オンリーで家族との会話はほとんどなし。

母が亡くなって、そのころは私はもう家を出て一人暮らしで、お互い一人暮らしになって、ひと月に一度、母のお墓参りをするようになってからだなぁ、私が父と話をよくするようになったのは。

その後、父は今の母と再婚したのですが、再婚したころはけっこうしゃべっていたし、マメに母が買い物にいくのに車出したりして、私は
「こんなにマメでよくしゃべる人だったのか」
とびっくりしたっけ(苦笑)。

今は再婚からもう10年以上経ち、最近は耳が遠くなったのもあって、夫婦の会話も再婚したてのころよりはさすがに少なくなってる感じはありましたが…

でも、今日の父はずいぶんいろいろしゃべっていました。

体は相応に年はとってきましたが、なんとなくまだおじいさん、って感じはありません。
もう77なんだけどね。
今のところ、まだまだ元気です。

いつ何があってもいいように心づもりだけはあるのですが、ま、今回はとりあえず取り越し苦労だったようです。

家族で旅行、いけるといいな。

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2017.08.11

続・父の胃がん

 前回の記事はこちら

 昨日は、主治医から手術の説明があるというので立ち合い、行ってきました。
 手術は14日ですが、糖尿があるので、父は少し早めに9日から入院になりました。

 前回、ステージ1Aだけど、未分化がんというちょっと質の悪いガンのため、胃を半分切除する手術は致し方ないという説明があり、ただ初期なので腹腔鏡による手術でいける、というところまで聞いていました。

 今回はより具体的にどういう手術かという話。

 父の胃がんは、胃がんでは比較的少ないケースだそうですが、胃の上側にできています。
 そのため、胃を半分切除するとしても切除は上半分。

 胃の入り口には噴門という、普段はキュッとしまっている場所があり、それがあるから一度食べたものは上に上がってこないわけですが、今回はそれも切っちゃうんですよねぇ。

 胃は下半分を切るよりも上半分を切るのが非常にやっかいで、主治医いわく、上半分にできると、胃の全摘出になることもあるそうです。噴門を切って食道と胃を直接つなげてしまうと胃の中身が食道に上がってきちゃうので、つなげられない。だから胃を全摘出して、食道と小腸をつなげてしまうということですな。

 うーむ。なんかすごいな。
 胃がなくても人間生きていけるんだろうか。
 いや、生きてはいけるんでしょうけど、普通に生きていけるんだろうか。

 父の場合、下半分の胃も残すんですが、その胃と食道は直接つなげられないので、小腸をちょっと切って、その小腸と食道をまずつなげるらしいです。そして、そこからまっすぐに小腸へいくルートと、下半分の胃を通るルートと二つ作るそうです。

 なんとまぁすごい手術だこと。

 これを腹腔鏡でやるわけですが、今回、手術を受ける病院は腹腔鏡の手術に関してはかなり経験があり、ほとんどの手術を開腹ではなく腹腔鏡でできるそうです。

 主治医によると、腹腔鏡だとおなかにカメラを入れ、そのカメラの映像を見ながら手術するんですが、目で見ながらやるよりも、拡大できるため、細かい作業がしやすいと言っていました。
 へぇ、そういうメリットもあるのか。

 もう手術は来週の月曜日なので、すでにまな板の上の鯉状態で、手術を待つばかりなんですけども・・・

 その説明の最後に父が主治医にこう聞きました。

「手術をしないでそのままにしておいたらどうなったんでしょうか」

 そしたら主治医はこう言いました。

「がんが進行して、転移して、(余命)二年でしょうね」

 ・・・うん、まあ、もう手術することにしてるんだからその説明で別にいいんですけど。

 ただ、いわゆる近藤誠信者の私としては、ほんとかよ、と思わないでもありません。

 結局のところよりよく生きるためにはどうするかって話だよなぁ。

 今、父は特段の症状が出ているわけじゃありません。だけど、手術すればリスクはあるし、胃が半分なくなるから、食事は普通に取れなくなるわけで。

 それで痩せて糖尿が改善するから、父の場合はよりメリットはあるわけですが、それにしても、手術前よりQOⅬは確実に落ちるだろうという予測はできる。

 もちろん手術しても、何の合併症もなく元気になる人もいるから、それはあくまでも「可能性」ですけども。
 「可能性」というよりは「賭け」だな。

 痛くもなんともないけど今のうちに手術をしてしまって、手術をしたことによるリスクを引き受けるか、手術はしないでそのままにしておいて、胃を温存したまま、ガンが進行しない方に賭けるか。

 手術をしても余命がのびるかどうかは、実はなんとも言えない。
 結局、人間はいつ死ぬかわからない。
 極端な話、こうしている私の方が父より早く死ぬかもしれないのだし。

 まあ、でも今回の父の場合は、本人が手術に前向きだし、いろいろ調べてみても、同じ賭けでもうまくいく確率が高い賭けではあります。

 手術で胃を半分取ったからって、それでガクッと弱る可能性は今のところ低そうだし、それでなくても人間、死ぬときは死ぬんだし、本人が後悔しないことが一番。

 なので、家族としてももう手術でいいんですが、ただ、どうしても、もし自分がそうなったらどうするかなぁって考えるんですよ。

 今、このブログを書いている間にも、胃がんの手術について検索してみるとホント、いろんな情報があります。少なくとも胃を全摘出すると、やはり食事がとれなくなり、体力や筋力がガクッと落ちて、余命が逆に縮まるケースはあるなー。まあ、父は胃を半分残せるので、賭けの確率としてはよい方に転びそうではあるけれど。

 ♪何につけ 一応は 絶望的観測をするのが癖です♪(中島みゆき「あした天気になれ」より)

 ふふ。
 古い歌を思い出しちゃったわ。

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