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2017.10.31

なぜ文化の日は11月3日なのか

なんとなく物事の理屈が気になるお年頃です。

来月3日は文化の日で祝日ですが金曜日。

「ハッピーマンデー」が導入されてから、春分の日は秋分の日のように理屈や成り立ちから言って「この日じゃないとだめ」という祝日以外は全部月曜日にシフトすると思っていたので、たまに金曜日や水曜日など月曜日以外に祝日がきていると
「何これ?」
という気分になりませんか。

私は「ハッピーマンデー」という制度が出来る前の時代を知っているので、どちらかというと祝日はその年によって曜日が違うのが当たり前という感覚なのですが、制度ができてしまったものは仕方ないので、新しい制度に適応しようと頭の中を整理するようにしています。

ただ、今のハッピーマンデーって分かりにくくないですか?
前みたいに日付に付随するなら全部そうすればいいし、連休の方が経済効果があるんだってんなら全ての休日を月曜日にシフトすれば分かりやすいのに(元日とゴールデンウィークはのぞく)、シフトするものとシフトしないものがあって、その理由もはっきりしないなんて。

ちなみに11月は11月23日も勤労感謝の日で金曜日です。
「文化の日」も「勤労感謝の日」も別にいつでもいいんじゃないの?
なぜハッピーマンデーにならないのだろう。

そう思ってちょっと調べてみました。

すると全てが解明できたわけではないのですが、少なくとも文化の日だけは、なぜ11月3日じゃなきゃいけないのかわかってきました。

私が、ハッピーマンデーが導入される以前のことや、週休2日ではなかった時代を知っているように、今の「文化の日」やら「建国記念日」やらという祝日ができる前の時代を知っている人もまだいらっしゃいます。

私が生まれるずっと前、戦前の話ですが、日本の祝日は皇室の祭礼と深い関わりがありました。

その中に「四大節」として定められた祝日があり、それが、四方拝(1月1日)・紀元節(2 月11日)・天長節(4月29日)・明治節(11月3日)だったそうです。

それを知っている人にとっては11月3日が祝日なのは当たり前なのでしょう。元旦が休みなのが当たり前くらいね。

要は「最近できた祝日じゃなくて、昔からその日に決まってて由来がちゃんとあるんだよね」というのが11月3日がハッピーマンデーにシフトしない理由のようです。

でもなんだか理由としては非常に主観的ですねぇ。そんなんでいいのかしら…?

ちなみに11月23日の「勤労感謝の日」も、昔からその日はお休みと決まっていた日みたいです。

ネットで検索すればすぐ出てきますがこの日は「新嘗祭」というやはり皇室の行事の日。

今も皇室では何かやってるのかもしれませんが、戦後においては「四大節」同様、戦前に「日本は天皇を中心とした神の国」というイデオロギーで戦争に突っ走ったことの反省を踏まえ天皇と関係するものは全て切り離してきたせいで、平成の世に生きる私達は、皇室の祭礼なんて一部のコアな皇室ファンしか知らないトリビアになってしまってしまいました。

新嘗祭といえば、秋の収穫を祝うお祭りで、私自身の個人的感覚からいえば、農耕民族である以上、秋の実りに感謝することは私達にとって非常に重要で、「勤労感謝」なんていうよりもずっとしっくりくるんだけどなぁ。

「四大節」もそう。年に4回、そういう由来をもった祝日があって…と解説された方が納得感がある。

私は決して右派ではないのですが、先の戦争の敗戦の後、それまでの日本の歴史を全否定するようなことが行われてきたという事実を、こうした祝日の変遷から実感して、なんとなく残念な気持ちになります。

全否定が悪いって話でもないのですが、私が現代の「祝日」に違和感を感じるくらいですから、きっと時代が変わって新嘗祭が「勤労感謝」に変わってしまったことをさみしく感じる人ってきっと他にもいるんじゃないかなー。

そしてその違和感がどこからくるのかさえ、後の時代になるにつれ、薄れていく。
「四大節」も「新嘗祭」も忘れ去られてしまうのかな。

たとえばこのブログをご覧の皆様は庚申塚とか庚申塔っていうのをご存知ですか。
埼玉に住んでいるとふとした道端などにいやにいっぱいあるのですが、ウィキペディアによると、道教に由来する「庚申」信仰に基づくものだそうです。「庚申信仰」とは何か知りたい方はウィキペディアを見てみてね。

同じくウィキペディアによると

(引用開始)
明治時代になると、政府は庚申信仰を迷信と位置付けて街道筋に置かれたものを中心にその撤去を進めた。
(引用終わり)

とのこと。

つまり、別に太平洋戦争だけでなく、それ以前も、政府や国の政策によって、それまで信じられてきたことの全否定ってのは日本では繰り返されてきたことが分かります。
無論、こういうことって日本だけじゃないんでしょうけど。

私は…単にロマンチストなだけかもしれませんが、昔のもの、古くから由来があるものが失われていくのがさみしいなぁと思います。すでに失われてしまったものも本当に数多くあるのでしょう。

でも道端の庚申塚を見たときに…
なぜ文化の日が11月3日なのかなと考えた時に…

こうした古い知識と出会えることが嬉しいというか切ないというか。

でもインターネットで調べるとちゃんと分かるだけ、ラッキーなのかもなぁ。

今はインターネットでこうして何でも調べることができます。
おそらくはこのWEBの世界でのあらゆる知識は、膨大なデータとして後生に引き継がれていく。

何百年前の地震や津波の記録は石碑でしか残っていませんでしたが、東日本大震災の記録はおそらく画像データとともに、劣化することなしに1000年先まで引き継がれるんだろうな。
人が忘れても人工知能が忘れない。

それがいいことなのかは分かりません。映画の「AI」のように、もしかしたら人類が滅びた後、この星を訪れた宇宙人が興味をもってくれたりするのかなー。

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