リベラル公園
あるところにリベラル公園という公園がありました。
ここにはいろいろな人達がやってきます。
小学生
小学校入学前の子供とそのお母さん(たまにお父さん)
犬の散歩の人
ベビーカーの赤ちゃんを連れたお母さん(たまにお父さん)
近所のお爺さん、お婆さん
公園の隣の病院に入院している入院患者
失業者
ニートの青年
目の不自由な方
足の不自由な方
喫煙者
路上生活者
貧困者
リベラル公園はリベラルなので、あらゆる人を拒みません。
でも、みんな本当は「自分」の居心地のいい公園であるといいと思っていて、現状に不満があるのです。
・あの公園ってボール遊びが禁止なんだよね。前に目の見えない人に当たったからなんだって。小さい子もいるから当たった危ないからだって。
・あの公園ってなんで全面禁煙にしないのかな。灰皿を無くしてほしいよ。
・あの公園にいつも汚い格好で段ボールに住んでいる人いるよね。ヘンな匂いもするし、役所がなんとかしてくれないかなぁ。
・あの公園は子供多くてうるさいんだよな。ずっと入院していてリハビリのために散歩に出るけど、子供がぶつかったりしてきて怖いよ。
・あの公園の水飲み場からいつも水を大量に汲んでる人いるよね。そういうの禁止にした方がよくない?
・あの公園にいつもヘンな男いない? 子供をじーっと見てて、誘拐とかそういう事件が起こらないかと心配。
・あの公園、犬を入れちゃいけないんだよ。路上生活者に吠えたり、子供が怖がったりするからだってさ。いつも外を散歩してるんだ。
・あの公園、好きですが、昼間はいきません。お母さんたちが占領してて入りにくい。
・あの公園で私も歩きやすいように点字ブロックを設置して欲しい。
・あの公園にもっとベンチを増やしてほしい。日陰を増やすために屋根付きだといい。そうすればお母さん達だけでなく老人も座れる場所が増える。
・あの公園に車イスでも入れるように、段差を無くしてほしい。入り口ももっと広くして欲しい。
「もっと『私に都合の』いい公園にしてほしい」
ただ、喫煙一つにとっても、喫煙者は灰皿を置いて欲しいし、非喫煙者は禁煙にして欲しい。
多様性を認めるリベラル公園では、喫煙者を追い出したりはできません。
ホントは犬もボール遊びもOKにしたいのですけど。
屋根付きベンチや点字ブロックの設置にはお金がかかる…
みんなの公園です。みんなが使えるようにみんなが助け合える公園にしたい。
車イスが入れない段差は近くの人が手伝ってあげてください。
ベンチは長時間占領しないで、譲り合って下さい。
失業者や貧困者や路上生活者の公園の利用も認めて下さい。排除しないで下さい。
こういう公園がいい公園かは分かりません。
いつも公園で子供達をじっと見ていた中高年男性が、ある日、3才の女の子を家に連れて帰っていたずらするような事件があったら、公園のせいになっちゃうんだろうか。
ただ…誰でも入れる。誰も排除しない。そういう場所はあった方がいい。
たとえば、子育て支援を掲げて当選した政治家が、その公園をつぶして保育園にしちゃったとしたら、いつもその公園を散歩していたお爺さん、お婆さん、入院患者、遊んでいた小学生、足の不自由な方、目の不自由な方、犬を連れた人などなどは行くところがなくなってしまいますし。
「自分に都合のいい政治をしてほしい」
思えば、自民党の政治ってのは究極これなんでしょう。
だからお友達が優遇される。
議員さんとお友達になれば、いいことがある。
だから自分とお友達のセンセイを応援する。
でも「政治」ってのは、ホントは、特定の誰かの都合のいいように配慮することが政治じゃなくって、リベラル公園のように、できるだけたくさんのいろいろな人が利用できる場を、限られた予算の中でしっかり話し合って作っていくことじゃないのかな。
リベラルっていう言葉は使う人それぞれに定義が違っているので、私はあまり好きじゃない。
でも私は基本的に自分は「弱者」で何かが起こったらまっ先に排除される存在だと思っているので、そうならない社会であることを願います。
失業者には仕事を。
路上生活者には住まいを。
貧困者が水を公園で汲まなくてもすむように。
問題の解決は、そうやって考えていくべきで「排除」が最初の答えであってはならない。
…なんてね。やっぱ選挙の前はいろいろ考えますねー。
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