« 一人で鍋もの | Main | 2017年の出来事 »

2017.12.04

川口祖父母殺人事件の報道を見て

川口祖父母殺人事件で強盗殺人の罪で懲役15年の判決を受けた少年の話を、昨日、テレビで見ました。
「祖父母を殺してでも金を持ってこい」という母親のために祖父母を殺害してしまった少年。
学校にも通えず、親に金を得るための道具のように扱われた少年はとてもかわいそうですし、少年が懲役15年なのに、母親が懲役7年で、
「その判決、おかしいんじゃね?」
っていうのはそうなんですけど、私がこの報道を見て気になったのはまた別のことでした。

親に利用され、身体的、精神的に虐待を受け、そこから逃れる術も知らず、悲惨な生活を送っている子供というのはきっと彼だけではないし、少なくない数の子供が今、この瞬間も苦しんでいるかもしれない。
それを救えない世の中をどうにかできないものかなぁ。

…私は母親がそううつ病(今は双極性障害というそうです)だったので、母親がうつのときは、今から思えばネグレクトっぽい感じになっていました。
父は仕事でほとんど家にいなかったし。うつの時、母はほとんど寝たきりで、家事は一切できませんでした。
私はお金をもらって買い物に行き、お米をといでごはんを炊き、イシイのハンバーグを温めて食べたりしてました。

死なずに無事育ってますし、学校も行けましたし、父は自分ができる限り、うつの母と娘の私を養育してくれたので、世のネグレクトとは比べるべくもないのですが、自分の子供の頃を振り返って思うのは、川口祖父母殺人事件の少年が母を神だと思っていたという話には、全面同意だということ。
「祖父母を殺してでも金もってこい」
という母に逆らえなかったし、逆らうなんて選択肢自体、彼になかったことが自分のことのようによく分かります。

私の場合も、世間的、客観的に、1年の半分以上も布団から出られなくなって家事ができなくなり、小学生の娘にご飯を作って持ってきてもらう母親がどんなにダメだとしても、私には母しかいなかった。
もし仮に誰かが私を引き取って育ててくれることになったとしても私は嫌がったと思う。母のそばに居たがったと思います。
母親ってのはそれほどにまさに神様。子供にとっては世界の全て。

だからね。
児童虐待から子供を救い出すのは並大抵のことではできないと思うのです。
子供にとっては母親が全てだから。
どんなにひどい仕打ちを受けたとしても。

三原順のマンガ、「はみだしっ子」を思い出すなぁ。

…それでもぼくたち生きてきたよ…

うん、私にとっても今はそれが全てなんですけども。祖父母を手にかけてしまった少年はこの先どうなっていくのかな。
少年の妹は元気なのかな。

なんというか…人は生まれてくる環境を選べない。人それぞれ、運命を背負って育ちます。

けれど、どんな境遇に生まれ落ちたとしても、最後は自分の手で自分を幸せに導くことができるようになれたらいい。
世界中の子供たちがどうか、そうでありますように。心からそう願います。

|

« 一人で鍋もの | Main | 2017年の出来事 »

ニュース」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 川口祖父母殺人事件の報道を見て:

« 一人で鍋もの | Main | 2017年の出来事 »