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2018.08.23

女性医師の方が男性医師よりも患者の死亡率,再入院率が低い?

「女性医師のほうが男性医師よりも患者の死亡率、再入院率が低い」

という論文が注目を集めているようです。
私もは月23日の朝のテレビ番組でこの報道を見ました。
・・・うーん。ちょっとこれ、複雑だなぁ。

いいニュースだとは思うのですが、結局「男性」と「女性」という区別されてしまうのだなぁと。

男性医師にいい医者とろくでもない医者がいるように、女性医師にもいい医者とろくでもない医者がいるんだと思うんですよね。

朝の番組では、女性の方が患者とコミュニケーションをとるとか、男性は「DO」、女性は[BE」だ、なんて分析をしてましたけど、これも性差による決め付けじゃねーの?と私は思うわけです。

もちろん、確率論的に、男性と女性にある程度の傾向はあるのだろうけど、いろんな人がいていいわけで、男性医師だってきちんと患者の話を聞いて多くの患者を救っている立派な医師はいるのに、ただ男性であるだけで、いいんですかね、女性医師よりも患者の死亡率、高いよ、なんて言われて。

女性だってそうでしょ。
いますよ、女性医師だって超事務的だったり、思い込みが激しかったり、人のいうことを全然聞いてない医者。

男性だ、女性だといちいち性差によって人を評価する仕組み自体が間違ってる。

いや「女性」にそういう傾向の人が多い、って論文は事実だと思うのでいいんですが、その取り上げ方がなんだかなぁと私は思います。
無論、東京医大入試における女性差別が根底にあって「医者は男性の方がいい」みたいなベースがあるからこういう報道になるわけだけれども、基本、男だって女だって違いはなく、あるとしたら「人によって」違いがあるだけじゃないかな。

血液型とちょっと似てる気がします。
「A型にこういう(傾向の)人が多い」
「B型にこういう(傾向の)人が多い」・・・
ちゃんと研究されているかどうかは分からないけど、血液型によってある種の「傾向」というのは実際にあるような気がします。
その傾向が血液型によって決まっているという科学的根拠はないそうなので、単純に日本にはA型が多いため「日本人」の傾向であるだけなのかもしれませんけどね。

もしかすると女性と男性の場合もそうなんじゃないかな。
つまり、生物学な性差ではなくて、環境によって男女の性質が違っているだけっていう可能性の方が高いんじゃないかしら。
海外はどうか知りませんが、少なくとも日本のように「男性はこう、女性はこうあるべき」という「決め付け」が横行し、子供の頃からその決められた「型」からはみ出さないように教育された社会では、そうなるのが必然でしょう?

男女に差があることが当たり前の社会で、その社会に適応するための教育を受けているから、男女によって性格に違いが出ている。
生物学的な「男性」であるか「女性」であるかでどっちが「コミュニケーション能力が高い」かに差ははないんじゃない?
血液型で性格が決まるというのがナンセンスなようにね。

たまに聞く話ですが、ある「〇〇という事実」と別のある「△△という事実」に相関関係があったとしても「〇〇だから△△だ」とも「△△だから〇〇だ」とも言えないってことはあります。

「性差」と「患者の死亡率の差」にある傾向があるとしても、それが原因と結果とは限らない。
そういうことなんじゃないかと。

ただ、こういうことも人間を長くやってきたからようやく分かってきたんだよなぁ。
報道って怖いですね。短絡的な決め付けで、真実ではない因果関係を説明されてしまうことがあるから、気を付けないと(汗)。

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