なぜ私はひきこもりにならずに済んだのだろうか
「私が生きているうちに…」ひきこもりの中年息子、惑う79歳母
「ひきこもり」についての記事を読むと他人事ではないような気がしてしまいます。
親が79歳、50近い息子…
この息子、間違いなく私と同世代です。
「引っ込み思案」「人付き合いが苦手」「学校で孤立し、いじめられた」
うん、私も全部該当する。
だけど、私は引きこもりにはなりませんでした。私と彼を分けた理由は何だろう。
一つは社会に出た時期でしょうか。
私はギリギリバブル期、彼は就職氷河期。
同世代なのに、なぜその違いがあるかというと、この人は「浪人して私立大学に進学」とあります。
おそらく年齢自体も1歳くらいの違いはあるのですが、浪人したことにより、私よりも2年くらい遅れての大卒といえそうです。
完全に運でしかないのですが、この2年の違いは大きい。
「気後れして企業の説明会に行くこともできなかった」
のは私も同じですが、だからこそ、私は当時、試験に受かればどこかしらに採用されると言われていた公務員試験を受けました。
受かってから採用されるまでが世間知らずでコミュ障だったせいもあり大変だったんですが…ギリギリ何とか採用してくれる先がありました。
そこが大きな分かれ目だったのだと思います。
でも、この人も「知人のつて」で事務の仕事に就職したことあったとのこと。
「人間関係をこじらせて1年余りでやめた」って何をこじらせたんだろう。
本当にブラックで、周りの人間の最低な職場もあるから一概には判断できませんが、基本、仕事って、人のことは気にせず、やらなければならないことをしっかりやれば、昇進はできなくてもふつうには勤めていけるのではないか、と思ってしまいます。
営業などでノルマがあって成績をグラフで示されて給与も能力給の割り合いが高かったらそんなこと言ってられませんが、事務なら。
仕事をするようになってよく言われたのですが、職場は「仲良しクラブ」ではないので、基本的には仕事さえきっちりやればいい。
「仲良しクラブ」な職場もあるんだろうけど、今も当時も、忙しい職場であればあるほど人のことなんか構っていられません。
みんなが自分を冷たい目で見ているとか、自分だけ話しかけてもらえないとかが「人間関係のこじれ」だと思うならそれは病気です。
自分が思うほど他人は「私」を気にしていない。
ひきこもりの何が問題って、自分の食い扶持を自分で稼げないことが一番の問題です。
自分の食い扶持くらいは自分で稼げないと。そのための「仕事」。
引きこもりを減らすためには仕事についてもらうことが必要なんですが、朝、電車に乗って決まった時間に会社に行き、そこでやるべきことをやる。それがそれほどに難しいことなんだろうか。
たとえばパン工場のアルバイトとかをイメージしてみます。
やるのは単純作業。立ちっぱなしで体はきついようですが、それでお金がもらえる。
口コミによると、延々と同じ仕事をすることがきついという感想が多いですが、それは人によるんだよな…と、スポーツクラブで延々、マシンでランニングしている人のことを思ってみたり。
学生の頃、郵便配達のアルバイトをしたことがあります。
自転車に郵便物を載せて配達。あの仕事は楽しかったなぁ。
証券代行会社で、延々証券を数える仕事。それはあまり楽しくなかった。
何の仕事が楽しくて、何の仕事はつまらないかは人によりますが、そうしてとりあえずアルバイトでもいいから働けたら。
その一歩のハードルの高さが私にはあまりピンときません。
何が違うんだろう。
なぜ私は引きこもらずに済んだんだろう。
人見知りでコミュ障は今も変わらないけれど、月曜日から金曜日まで毎朝出勤して、働いて、土日は好きなことをしている私は思います。
私の父はこのお母さんと同じ年だけど、私はもう自分の稼ぎで食べていて、将来のための貯蓄もしているし、その点ではあまり心配をかけていないはず。独身なのでそのことは心配でしょうが、それはまた別の話。
増加しているというひきこもり。
一人でも多くの人を、ひきこもりから脱出させるためのカギは一体何だろう。
私に何か、できないだろうか。
そんなことをひきこもりに関する記事を読む度に考えています。
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