「夏目アラタの結婚」
というマンガにはまっています。死刑判決を受けて拘置所にいる連続殺人犯の女性と、彼女が隠した被害者の遺体の隠し場所を探るために彼女に面会を求めた主人公「夏目アラタ」の面会室での心理バトルのマンガです。めっちゃ面白い。
タイトルにあるとおり、夏目アラタは彼女の気をひくために「結婚しよう」と持ち掛けるのですが、実はホントに結婚する気はさらさらなく。どうせ死刑に決まっているのだからとたかを括っていたら、いろいろ経緯があって正式に婚姻届を出すところまでストーリーは進んできました。
主人公のアラタ自身は、相手が彼女でなく誰であろうとも結婚なんてノーサンキューの独身主義者なので、拘置所にいる彼女と婚姻届を出したところで彼女が釈放されることはまずないし、周りから「早く結婚しろ」とか言われなくなる分、面倒が少なくなっていいや、くらいに考えているんですが、さて、この先、どうなるんでしょう。本当に彼女…結婚して「夏目真珠」になりましたが、真珠は釈放されることはないんでしょうか? この先の展開がますます楽しみです。
このマンガは「ビックコミックスペリオール」という雑誌に連載されていて、私はこのマンガが好き過ぎて単行本を待ちきれないこともあり、10年以上買い続けていたビックコミックスピリッツからスペリオールに乗り換えました。
最新号を読むと、また最新話も面白く、そして考えさせられます。
真珠は、結婚してもし一緒に暮らすことになってもアラタには部屋の隅に二畳ほどのスペースをもらえればずっとそこにいるし、ごはんもパックのごはんとツナ缶だけでいいと言います。
でもアラタはそれに対して(結婚ってのは)犬猫を拾うわけじゃねぇんだよ?…と言うんですよね。
根っからの独身主義のアラタが「結婚」についてどう考えているのかは、今までのストーリーの中であまり詳しく語られていないのですが、昨日発売された最新号で少しだけその考え方が伝わってきます。
真珠は、パートナーには逆らわないし、何でも言うことを聞く、というスタンスなようですが、アラタはそれを「二人の人生に責任を持つ気はないってことだよな」「俺がもっともお断りしたいタイプ」と思っています。
アラタはじゃあ自立した女性がいいってこと? う~ん???
男性ってのは、自分に逆らわずおとなしく従う女がいいんじゃないのかな。
私はずっとそう思ってきました。何も言わずについて来させる代わりに、女性の人生の全責任を背負うんですよ。結婚ってそういうことでしょ? いや、これが古いのはもちろん分かって書いてます。
ただ、基本的に男も女も、自分の都合がいいパートナーが欲しくて結婚ってするんじゃないのかな。女性を従わせて、だけど責任は負いたくないというのが昨今の男性ですが、そういう男性じゃ結婚する女性なんているわけなく、だから非婚率って上がってるんだと思うんですよね。
私は女性ですが、自分の人生を人に背負わせることは絶対にしたくないです。他人の人生の責任も負いたくない。誰の面倒も見ないけど、自分の面倒は自分で見る。だから絶対的に自由です。自由が好き。だから独身なのでしょう。
ただ、自分のことはどうでもいい、この人のために生きたい、と思ったことがないわけではありません。だから「結婚」についてはこう思います。
「自分の都合」のための結婚なんかあり得ない。誰かのために生きたいと思う、その相手のために結婚ってするんだ、と。
だとしたらね。真珠の方が正しいんですよ。アラタのために自分は生きる。ただそれだけでいい、と。
アラタも、だから自分のためじゃなく、真珠のために、真珠を笑顔にするためにこの先を生きたいと思えたならこの結婚は成立する。今のところまだそう思ってないので、二人は完全にすれ違っています。
もちろん、夫も妻も「自分の都合」のために相手を利用して、それで成り立ってる結婚だってありますけどね。でもそれって自分が幸せになれない、自分の思ったとおりでない時に、その原因を相手に押し付け合い、ののしりあい、そして諦める、そういうことになっちゃうじゃないですか。他人なんて自分の思いどおりにならないのだから、自分の都合で結婚したら、その先は地獄だなんて目に見えてますよ。
互いが互いのために生きる。それが結婚、なんじゃないかな。
さてアラタはそう思えるようになるのかな。いや、真珠がアラタと対等のパートナーになるとは到底思えないので。だって、今までの人生が恵まれてなさ過ぎなんだもの。
まだこれから幾つもの展開がありそうです。楽しみです♪
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